突然ですが皆さん、PCのモニターを探すときの「絶対条件」って何でしょうか?
解像度、画面サイズ、色味の正確さ、デザインなど…モニターって意外と多くの要素が絡み合っていて、理想の1台を見つけるのってなかなか難しいと思うのですよ。なんせ見た目はどれもただの四角い画面なんですから。
せっかく仕事道具として迎え入れるなら、長く使えて、なおかつ「色」のプロが認める1台が欲しい。もちろん、毎日視界に入るものだからこそ見た目もすっきりシンプルであってほしい。
そんな理想を形にして登場したのが、BenQの最新カラーマネジメントモニター「PD2732U」です。
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圧倒的な「色精度」
まず、クリエイティブ用途のディスプレイ選びでもっとも難しい要素といえば「色表現」。
一見すると、肉眼上では明るさや色が整っているようでも、微妙なムラが生じている場合があります。そう、見る側のモニターが違えば、色の見え方も異なる。色の見え方が異なると、同じ媒体を見ても感想や印象が変わってしまうのです。身近なところだと「モニター上で編集した写真をスマホで見ると、別物レベルに色が違う…」となるアレです。
前提として、PD2732Uは写真・動画編集、デザインなど「色」で勝負するクリエイターのために作られたプロ向けモニターなので、色の正確さに関してはもう“ガチ”です。

PD2732Uは、従来のDisplay P3、DCI-P3に加えて、なんと上位モデルのSWシリーズの専売特許だった「Adobe RGB」も99%カバー。
最終的にsRGBで書き出す場合でも、レタッチ耐性の強いAdobe RGBの編集を介すことでトーンジャンプ(階調の飛び)も防げますし、残る情報量がまるで違います(もっとも室内のブツ撮り程度ならあまり関係のない話ですが)。
僕はクライアントさんと相談しながらリモートで製品写真のレタッチをすることもあるのですが、互いのモニターの表示に差異がないというのはやっぱり安心です。専門機関の認証を得て、キャリブレーションも完璧なPD2732Uなら受け取る側も正確に評価できるわけなので、双方にとって良いことずくめ。

また、ただでさえモニターは工場で大量生産される工業品なので、値段の安い高いに関係なく少なからず品質にバラツキが生じるもの。そんなパネルごとの色ムラを一切許さないPD2732Uは、製造過程での色のばらつきも厳格にチェックされた上で、出荷時にキャリブレーションを実施、そしてそのレポートが「証明」として同梱します。製品の個体差で色の見え方が変わってしまうという、最後のボトルネックまで解消してくれているわけです。
黒が沈む、Nano Matte Blackパネル
新製品が出るたびにパネルの無反射処理が向上するBenQのカラーマネジメントモニター。

従来のNano Matteパネルでも照明や外光の映り込みが極めて少なく不満を感じることはなかったのですが、PD2732Uが搭載するナノスケールの「Nano Matte Blackパネル」はさらに一段階上の低反射コーティング仕様です。反射に強いだけでなく、ブラックがグレア並みに深く沈むので写真のコントラストが一層際立ちます。とにかくレタッチがしやすい、そして楽しい(撮影に出かける意欲まで後押ししてくれる)。
MacBookとのシンクロ率でも一歩リード
MacBookでデザイン業務をしている人は、外付けモニターとMacの「色のズレ」に頭を悩ませた経験が一度はあるはず。このモデルに限らず、BenQモニターは総じてそこへのアプローチも抜かりありません。

MacBookと色味を合わせる「M-Bookモード」は健在で、この標準プリセットの存在がMacBookの外部モニター候補においてここ7〜8年BenQがリードし続ける理由でしょう。MacBookの輝度調整キーと同期させてPD2732Uの画面の明るさを揃えれば、見え方は限りなくシームレスになります。
また、同梱するThunderbolt 4ケーブル1本でMacBookとつなげば充電(最大90W)から映像・音声出力、データ転送、ハブ機能までカバーしてくれるので、配線がゴチャつかず作業スペースも広く使えます。

もし「経年変化でモニターの色味が変わってきた…」となれば、専用のキャリブレーションソフト「AQCOLOR Pilot」からいつでも正確な色を追い込めるのも安心材料です(キャリブレーターは自分で用意する必要があります)。AQCOLOR Pilotを起動したら画面の案内に従って項目を選んでいくだけなので、誰でも迷わず使えます。なお、キャリブレーションは季節の変わり目を目安に定期的に行うことが推奨されています。

そのほかの機能面としては、複数の外部モニター同士をカスケード接続するだけでマルチモニター環境が作れる「デイジーチェーン」、画面設定ソフト「Display Pilot 2」、1組のキーボードとマウスでMacとPCなど2台のシステムが操作できる「KVMスイッチ」などを備えています。
そしてBenQのプロ向けモニターといえば、付属のコントローラー「Hotkey Puck G3」。

モニターのOSDメニューを手元で操作できる無線コントローラーで、画面設定ソフトDisplay Pilot 2から、右半分の「1, 2, 3」に好みのショートカットキーを割り当てられます。明るさ調整やカラーモードの変更、入力切替えなど、モニターの設定が全部手元で完結。これは便利です。モニター底面に手を伸ばして物理ボタンをポチポチ…みたいな手間はいりません。
MacBookから操作できるDisplay Pilot 2も便利なのですが頻繁に使う項目は限られるので、個人的にはこのホットキーパックの恩恵が遥かに大きいと思いますね。ブラインド操作で輝度、コントラスト、ブルーライトなどを手元でクイックに操作できるというのは最高です。
作業環境に溶け込む、洗練されたデザイン性
地味なようでいて重要なポイント。PD2732Uは見た目にも良いんです。

ベゼルが非常に薄く、画面に表示されるコンテンツに没入できます。ノイズのない洗練された筐体デザイン、グレーベースのリッチな質感は眺めているだけでうっとりしてしまいます……。

デスクをアイランド配置にする場合に目立つ背面デザイン含めスマート。デスクの上で大きな面積を占める毎日使う道具ですから、ここはこだわりたいポイントです。
色表現、筐体ともに最高峰。お値段もハイエンド

価格もやはりハイエンドプライスで14万9800円(税込)。27インチ4Kモニターとしてはピラミッドの上位に位置するモデルです。とはいえ、ここまで絶賛してきた通り、先何年も向き合う仕事道具として投資する価値は十分にあります。
パネルの質感や色再現といった感覚的な要素は価値換算しにくい部分ですが、「色の変化が見やすい」「レタッチが楽しい」といった実感は代え難い価値があります。ユーザビリティやデザインはさることながら、目に見えないスペックをここまで徹底的に突き詰めてくれたモニター、そう多くありませんから。
また、PD2732Uと同時にリリースされたハードウェアキャリブレーション対応モニター「SW272QN(WQHD)」は画面を左右に分割し異なるカラーモード表示ができるGamutDuo機能を搭載し、遮光フードが付属。一部搭載カラーモードなどの違いはあるものの、同じ27インチで基本的な仕様は共通、価格帯も同クラス。スペックを比較しながら、自分のワークフローによりマッチしたモデルを選んで欲しいなと思います。

