持ち運べるようになったリアルフォース『REALFORCE RC1』レビュー

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四半期に一回のペースでメインキーボードを買い替えたくなる病なのですが、理想のキーボードを見つけては実際に試してみる、というのがライフワークになりつつある今日このごろ・・。

これまでにいろんな特徴を持ったキーボードを試してきましたが、中でも「打鍵感」という観点で他と一線を画するのが、静電容量無接点方式を採用するREALFORCE。

今回は70%レイアウトのコンパクトモデル「REALFORCE RC1」のモニター機を東プレさんからお送りいただいたのでレビューしていきます。キーボードのアップデートにREALFORCE RC1を検討している人はぜひ参考にしてください。

REALFORCE RC1

こちらがREALFORCE RC1本体。HHKBの雪モデルを彷彿とさせる白一色のシンプルな外観となっています。(ブラックモデルも選択可)

同じく静電容量無接点方式のHHKBは60%レイアウトに対し、RC1は70%レイアウト。ファンクションキーをそなえる分RC1の方が大きな作りとなっています。

ボディは金属製ではなくプラスチック製を採用し、「600g」と持ち運びの想定を謳っているとおり非常に軽量です。ちなみに既存の定番モデル「R3」は1,300gなので、REALFORCE内で軽量なモデルを選ぶのであれば間違いなくRC1一択となります。

天面には有線接続・充電用のUSB-Cポート。電池駆動のHHKBに対して、RC1はバッテリー駆動(満充電で1ヶ月使用可)となります。

最大4台のデバイスとBluetoothペアリングできるのもRC1の特徴。キーボードショートカットで接続先を切り換えられるほか、USB接続も可能で、USB接続とBluetooth接続の切り替えもキーボードショートカットで完結。つまり、最大5台のデバイスに対し、1台のRC1を自由&シームレスにつなぎかえて入力できるというわけです。

静電容量無接点方式ということでキースイッチの脱着はできませんが、キーキャップの取り外しは可能。ちなみに押下圧は30gと45gの2種類から選択できます。

また、専用ソフトウェアからアクチュエーションポイントを4段階(0.8mm/1.5mm/2.2mm/3.0mm)で調整可能。ただでさえ軽快な打鍵感をさらに軽くして、長時間の文字入力に最適化するなど細かくカスタマイズできます。

背面には内蔵式のチルトスタンドをそなえます。HHKBは2段階式なのに対し、RC1は1段階のみ。

2週間、作業キーボードとして使ってみて

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすい70%レイアウトかつ、軽快に文字入力ができる静電容量無接点方式、そしてこの見た目ということで、間違いなく一軍キーボードです。

流行りのガスケットマウントを搭載しているわけでも、安定性を高める金属製ボディというわけでもないのですが、押下圧45g(30g)の静電容量無接点方式というキースイッチの特性上、衝撃吸収や打鍵の軽さを別の角度から実現しているといった印象。タイピング時の「静かさ」という点でも、HHKBとも遜色ありません。

「HHKB Professional HYBRID Type-S」と「REALFORCE RC1」、それぞれ実際に打鍵している様子がこちら。

HHKB Professional HYBRID Type-S

REALFORCE RC1

RC1の方がカチャカチャ感が控えめというか、より低くポコポコと響く印象。打鍵の感触は、途中まで軽いクリック感があり、その後ストンと抜けて底打ちするような感覚で非常に心地よく、腰を据えて安定した文字入力ができます。また、キートップのブレもHHKBに比べて少ない印象。

かっこよくて打鍵音の良いキーボードは無数にありますが、中には底打ち音が大きくオフィスやカフェなどでは使用に躊躇するモデルも多数あります。その点、周囲に気を配る必要がある環境下でも問題なく使用できるというのもRC1ならではの良さでしょう。

ちなみにキーストロークはRC1が4mm、HHKB Professional HYBRID Type-Sが3.8mm、HHKB Studioは3.6mmとわずかながら違いがありますが、ここは言われてみれば浅いかなと感じる程度なのでそこまで気にする必要はないかと思います。

また、REALFORCE RC1は専用ソフトウェアからキーマップ変更が可能です。

CapsLockキーをCtrlキーにすることもできますし、WindowsとMacの併用の際はスペースキーの左右キーにIMEのオン・オフを割り当てるといった使い方もできます。割り当てたキーマップはキーボード本体に保存可能(オンボードメモリー機能)。なので、デバイスを変えてもキーの機能が維持される。これは嬉しい。

また、従来はキーマップ登録が2レイヤーまでだったところ、RC1は4レイヤーまで対応。拡張性の観点でもR3からアップデートされています。

使い始めたらもう手放せない。REALFORCE RC1

キー配列についてはJIS配列とUS配列の2種類から選択可能なREALFORCE RC1。国産メーカーなだけあって、しっかりとJISに対応しているのはありがたいですね。

ファンクションキーは搭載しているものの、右端の列にPgUpやHomeなどのキーを配置しない70%レイアウトというのもHHKBやLofree Flowなど一般的なコンパクトサイズキーボードとは異色の、攻めたレイアウトであると感じました。携帯できるキーボードとして必要な箇所を補強しつつ、使用頻度の少ない部分を削ぎ落とした洗練されたモデルという印象です。

やはりREALFORCEがコンパクトに使えるようになったというのが最大の焦点であり、これまで気になっていたけれどスペースの問題上どうしても購入できなかったという人にぜひおすすめしたいですね。

至高の打鍵感に、たしかな静音性、長時間でも指疲れせず、そしてこの見た目。永く使っていく仕事道具として選んで損しないキーボードだと思います。REALFORCEファンはもちろん、逆にこれまでREALFORCEに馴染みがなかった人にも素直におすすめしたい逸品です。

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