ミニマルなワンボディに全部入りの9.1.4chサウンドバー「Sonos Arc Ultra」レビュー

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自分の部屋が映画館に。

大画面で見る映画やライブ映像、スポーツって迫力があっていいですよね。そこにもうひとつ加えると、さらに迫力が増します。そのアイテムが、サウンドバーです。

両サイドにスピーカーを設置するよりも省スペースかつ手軽に設置ができて、大迫力の音響が楽しめるサウンドバー。世界的にマルチルームオーディオの代名詞として知られるSonosから、一台で9.1.4ch再生ができるフラッグシップモデル「Sonos Arc Ultra」が登場しました。

テレビの下に1台設置するだけで、映画館のような臨場感が味わえるSonos Arc Ultra。実際に1週間ほど堪能してみてわかった良い点、注意点などまとめていきます。自宅リビングの最小限スペースで最高級の音を生み出したい!という方必見ですよ。

本記事はSonos様より商品をご提供いただき作成しています。

Sonos Arc Ultraの外観と基本性能

一般的なサウンドバーと比べて、ミニマルなフォルムが目を惹くSonos Arc Ultra本体。目立つ装飾のない洗練された筐体は、リビング空間の中で主張しすぎないデザインとなっています。

テレビの大画面化に合わせてサウンドバーも大型化が求められる昨今ですが、Arc Ultraは60インチテレビにも溶け込む幅117cmまで拡大しながらも、高さは約7.5cmとスリム形状を実現。ワンボディで9.1.4ch環境が完結するオール・イン・ワン型であることも特徴です。

「Ultra」の冠をつけるとおり前モデルからドライバー構成も進化。2ウェイ 11ドライバー(ツイーター×3、ミッドウーファー×8)をD級アンプ×11でドライブする仕様だったSonos Arcに対して、Arc Ultraは3ウェイ 14ドライバー(ツイーター×7、ミッドウーファー×6、Sound Motionウーファー×1)をD級アンプ×15でドライブすることによる、9.1.4ch再生に対応し、「最小限スペースで最高級の音を生み出したい」という要望に応える一台となっています。

ウーファーユニットを含めて、Arc Ultraには14基のスピーカーユニットが搭載されている

セッティングの手順は至ってシンプルで、電源とHDMI端子(ARC)にケーブルを接続したら、あとはアプリからセットアップを行います。そのほかBluetooth、Wi-Fi接続(2.4GHz/5GHz)にも対応し、AirPlay、Spotify Connect、Chromecastなどスマホを用いての音楽配信、動画配信サービスの音声をネット経由で再生できます。

Sonos Arc Ultraを設置してみる

というわけで、実際に55型テレビの真下にArc Ultraを設置してみました。

Arc Ultraの巧みな応用を支えているのが、Sonos独自の音場キャリブレーションシステム「Trueplay」。サウンドバーを設置した室内の音響特性を分析し、最適なサウンドバランスを構築するというもので、「クイックチューニング」と「高度なチューニング」の2種類が用意されています。

クイックチューニングは一般的な本体内蔵のマイクで自らが出す音を拾いながらバランスを取る仕組みで、一方「高度なチューニング」はスマホの内蔵マイクを用いて想定視聴位置から部屋の隅々まで、室内のあらゆるエリアの音響特性を計測し、それをクラウド上で分析することで最適な補正を行うというもの。以前はiOSでしか使用できなかった機能ですが、現在はAndroidスマホでも使用可能です。

肝心の音質ですが、部屋中が音で満たされる感覚、天井から音が降り注ぐような感覚など、縦横双方の空間表現の豊かさは圧巻の一言。筆者はミドルクラスの定番機種Bose Smart Soundbar 600を長らく使用していましたが、やはり各帯域の音の粒立ち、解像感が完全に別次元という印象。

4K UHD対応の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」をはじめ、Netflixの実写版「ONE PEACE」、Amazonプライムビデオの「トゥモロー・ウォー」など配信サービス内のDolby Atmos対応コンテンツ含め複数視聴したところ、例外なく最適な組み合わせが見つかり、コンテンツの魅力を最大限引き出してくれました。

特筆すべきは、低音の重厚感。一本のサウンドバーから鳴ってるとは到底思えない、地響きのように芯から震える厚みのある低音にまず驚きました。それでいて、高域が埋もれることもなくクリアかつ耳あたり優しく、各帯域が絶妙なバランスに仕上がっている印象。この辺りもさすがSonos製のサウンドバーといったところで、銃撃戦のようなカシャカシャと鳴り響くようなシーンなんかでは特にリアルさが感じられました。

また、中音域もしっかり前に出てくれるので、人の声やボーカル音もクリアかつ解像感高く聞き取ることができます。日常的な視聴コンテンツとして地上波放送のニュース番組でのアナウンサーの声や、サッカーや野球中継なんかでの実況解説もクリアに耳に届きますし、歓声や会場の臨場感みたいなものまでしっかり感じ取れます。

また、専用アプリからイコライザー設定も可能。低域、高域それぞれ10段階ずつ調整可能で、自由度高く自分好みの音をつくることができます。

高音質なリビングスピーカーとしても一役買ってくれるSonos Arc Ultra。AirPlayによるワイヤレス接続でスマホからSpotifyの音楽を流してみたところ、抜け感のいい高音、ツヤ感たっぷりにボーカルが響く中音、ベースやキックドラムがタイトにキレよく響く低音…一聴してすぐわかるくらい、どの帯域においてもそんじゃそこらのPCスピーカーとは別次元だなと改めて感じました。

音質・機能面双方満足度の高いArc Ultraですが、しいて不満点をあげるとすれば、予備のHDMI入力がないことでしょうか。Arc Ultraと同価格帯のサウンドバーは大抵ゲーム機やそのほかのデバイス用に少なくともひとつの予備端子をそなえますが、Arc UltraはHDMI端子が一つのみというのは注意ポイント。

これ一台に全部入り。サウンドバーの理想系「Arc Ultra」

先日レビューした5.1chモデルの「Harman Kardon Enchant 1100」と同様に、改めて感じたのは自宅で臨場感のあるサウンドを演出する上で、高機能なバースピーカーひとつでも必要十分であるということ。

本格的なホームシアターを構築するには、物理的にスピーカーの数を増やす必要があると考えていましたが、たった一台のサウンドバーでここまで本格的なサラウンド環境を実現できるのだから驚きです…。

オーディオ環境をアップデートしたい人はもちろん、引越しなどを機にホームシアターの構築を検討中の方は、ミニマルなワンボディで自宅での視聴体験を劇場級にしてくれるSonos Arc Ultraをぜひチェックしてみてください。生活動線やスペースの関係上ホームシアター環境づくりを諦めかけていた人にもオススメしたい一台です。

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