無線カスタムキーボードの終着点。『Keychron Q1 Max』レビュー

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日頃から文章入力する人は、真っ先にキーボードに投資するべき。Macレイアウトに対応した高品質なモデルだとHHKBやREALFORCEが有名ですが、僕がここ数年、一軍キーボードとして複数台愛用してきたのが「Keychron」。

これまで「K2 Pro」「K8 HE」と渡り歩いてきましたが、現在使用している「Q1 Max」は機能、打鍵感、デザインいずれもKeychronの終着点といえる完成度だと勝手に思ってます。

それこそアリス配列や分割式みたいな偏愛仕様のものを省けば、無線メカニカルキーボードの最終形といっていいんじゃないでしょうか(異論は認めます)。

というわけで今回は、長年キーボード沼の住人である僕が溺愛しているKeychron Q1 Maxの良さについて語っていきます。

Keychron Q1 Max

Q1 Maxは一般的なテンキーレスキーボード(80%)から、右部のナビゲーションキー(Page UpやHomeなど)をコンパクト化した75%レイアウトキーボードです。

コンパクトながらも、ファンクションキー(F1~F12)が独立して配置されており、基本的な使用感は80%とほとんど変わりません。

そして重厚感がカンストしているフルメタルボディ。さすが同社のフラッグシップ機、他モデルと比べても上質感は別格です。なお、今回はシェルホワイトモデルを使用していますが、ブラックモデルも選択できます。

天面には有線/無線、Win/Macの切り替えスイッチ、USB-C端子を備えます。このあたりは一般的なつくりという感じ。もちろん技適認証済みなので、無線使用も問題ナシ。

左上部にはKeychron製お馴染みのロータリーエンコーダーノブ。デフォルトではボリューム調整ができるようになっています。

キースイッチは、Keychron独自の「Gateron Jupiterメカニカルスイッチ」を採用。赤軸(45 ± 15 gf)・茶軸(55 ± 15 gf)・バナナ軸(57 ± 15 gf)の3種類から選択可能です。ちなみに僕は長時間使用時に指への負担が少ない赤軸を選んでいます。

ホットスワップにも対応しているので、特別な知識がなくても付属のキープラーを使って簡単に色々なスイッチを試すことができます(Gateron、Cherry MX、Kailhなどの3ピン・5ピンMXメカニカルスイッチと互換性あり)。

キーキャップは、テカリや黄ばみに強いダブルショットPBT(US=KSA、JIS=OSA)を採用。好みは分かれると思いますが、Keychronのこの角を取った丸っこいキートップの見た目と触感が個人的に好きなんですよね。

長時間でも疲れ知らずの軽快かつ爽快な打鍵感

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすい75%レイアウトであり、ダブルガスケットマウント構造、そしてこの見た目ということで、先述のとおり一軍キーボードです。

ダブルガスケットマウント構造に加えて多層の吸音フォームが仕込まれているQ1 Max。軽快な打鍵感なんだけど、深めのストロークと適度な反発でこのキーボードでしか味わえない絶妙な爽快感があるんですよね。まるで鍵盤を叩いているような、軽快で流れるようにタイピングできるこの感覚はやみつきになります。

打鍵音は反響を限りなく小さくしたいわゆる“Thocky”な音といった印象ですが、「コトコトッ」「ストンッ」と上品に響き渡ります。

安価のメカニカルみたいに底打ち時に残響がカチャカチャ鳴るみたいなことも当然ないですし、硬すぎず柔らかすぎない絶妙なフィードバックでしっかり腰を据えて安定した文字入力ができます(赤軸特有の軽さがそのまま活きていて長時間の文章入力も疲れ知らず)。

HHKBなど静電容量無接点方式のようにブニュっと潰れるような感触ともまた違い、底打ち時にしっかり引っかかりが感じられるうえ、フレームとキーキャップが接触する感覚も得られるので「打鍵してる感」がしっかり味わえます。

一方でタイピング時に気になる点が、スペースキーから鳴るスタビライザーの異音

他のKeychronキーボード同様に、スペースキーなどの「横長キー」についてはスイッチとは別にスタビライザーが両端についているのですが、このスタビライザーが安定していないせいか、スペースキーに指を乗せた時に「カシャ」みたいな音が発生します。

もともと大きな音が鳴りがちなスペースキーにプラスで異音が重なる感じなので、変換するたびにそこそこ大きい音がなるんですよね(あくまでスタビライザーの問題なので個体差が結構あるのかも?)。ただまあアクセント的なクリック音として捉えれば全然許容できる程度ではあります。

機能面に目を向けると、QMK/VIA(キーマップ変更)に対応しているのも重大トピック。

オリジナルのソフトウェアではなく、ブラウザ上で、かつドラッグ&ドロップで直感的にリマッピングが行えます。「長押し」に別の役割を持たせられるQMKのMod-Tap機能を使いたいためにKeychronを使っているまでありますが、リマッピングありきでキーボードを選ぶ僕のような人間にはQMK/VIA対応というだけで乗り換える口実としては充分ですね。

「Keychron Launcher」という専用のWEBドライバーからもカスタマイズできますが、普段から他のキーボードでVIAをさわっている人はメーカーのキーマップソフトよりも汎用的なこちらの方が使いやすいかと思います(僕はVIAにどっぷりなのでKeychronでもVIA派です)。なお、Mod-Tap機能はじめ基本的に出来ることはQMK/VIAと変わりません。

専用WEBドライバー「Keychron Launcher」

そんなわけで、打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いKeychron Q1 Maxですが、強いて惜しいなという部分をあげるなら、角度がつけられないことでしょうか。

大半のキーボードに付いているような段階式のチルトレッグがこのキーボードには付いていないため、固定の傾斜角(5.2°)で使用することになります。個人的には一段階でも高さを変えられたら嬉しかったんですが、フルメタルボディの本機の重量が1.7kgということを考えると重厚感とのトレードオフといったところ。

1.7kgというと、およそラップトップ2台分です。この重量のおかげで多少雑にタイピングしてもピクリとも動きません。そもそも持ち出し用途に設計されていないでしょうし、自宅やオフィスで据え置きで使う分にはむしろこの重量は利点になります。

何といっても一番は価格ですね。定価43,890円はそこそこ勇気のいる値段です。無印のQ1は発売当初3万円程度だったと思うんですが(これでもまあ高い)、無線対応や吸音フォームの追加などで4万円をオーバーする価格になりました。

それでもなお、希少性や得られるものを考えると個人的にはおすすめキーボードだという思いは変わりませんが、気軽に「めっちゃいいから買ったほうがいいよ!」と推せる価格ではないですよね。ただそのぶん欠点らしい欠点が本当になく、先述のスタビライザーみたいな粗探しになってしまうくらい全方位に完成されたキーボードというのも事実です。

高級カスタムキーボードの終着点「Keychron Q1 Max」

こういったPC周りのガジェットや周辺機器はプロダクトのライフサイクルが短いものが多い印象ですが、Q1 Maxは長く愛用できる優秀なツールです。キータッチや配列にしっくりくるようであれば、投資する価値は間違いなくアリ、な逸品だと思います。

フルメタルボディの重厚感、それと調和するレトロな配色、無線・有線どちらもOK、多層アコースティックフォームによる唯一無二の打鍵感、VIA対応、このあたりが刺さったという人はぜひ一度試していただきたいです。僕自身、今後もメイン機のCornix、HHKB Professional HYBRID Type-Sと併用しながら永く仕事道具として愛用していきます。

まだKeychronに馴染みのない方、初めてのメカニカルを検討中の方、はたまたキーボード沼を終わらせたい方…全ての人におすすめできるKeychron Q1 Max。JIS配列、US配列どちらも展開されているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

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