近年人気が高まりつつあるロープロファイルキーボードですが、このロープロファイル戦国時代にまた新しいキーボードが登場しました。それが、今回紹介する「NiZ L84」です。
なんとロープロファイルでありながら静電容量無接点方式を採用しているモデルとなります。実際に2週間ほど使用してみたのですが、やっぱり素晴らしいキーボードだったのでレビューしたいと思います。
NiZ L84
こちらがNiZ L84本体。NiZらしいホワイトのカラーを基調としつつ、パープルやネイビーのキーキャップが使われた遊び心のあるデザインが特徴です。

キーキャップは、耐油性・耐摩耗性に優れるダブルショットPBTを採用。

静電容量無接点方式ということでキースイッチの脱着はできませんが、キーキャップの取り外しは可能。ちなみに押下圧は30gですが、付属の増圧スプリングを装着することで、押下圧を40gに変更することもできます。
正面上部にはミニディスプレイを搭載し、Win/Macモードどちらになっているかや接続モード、バッテリー残量などを表示してくれます。

背面には内蔵式のチルトスタンドをそなえます。HHKBなどと同様の2段階式なので、スタンド未使用時ふくめ3段階で好みの高さを選べます。

分割スペースを採用しているのも本機の特徴です。キーマップソフトで片側をFnキーやbackspaceキーに割り当てるなど、自分好みにカスタマイズできます。

また、アクチュエーションポイントも0.6〜2.6mmの範囲で0.1mm単位で設定が可能。ただでさえ軽快な打鍵感をさらに軽くして、長時間の文字入力に最適化するなど細かくカスタマイズできます。
接続方法は、USB Type-C有線、2.4GHz無線、Bluetooth 5.2の3択から選べるNiZ L84。天面に有線接続・充電用のUSB-C端子、無線用のレシーバーを備えます。もちろん技適認証済みなので、Bluetooth使用も問題ありません。

2週間、作業キーボードとして使ってみて

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすい75%レイアウトかつ、軽快に文字入力ができる静電容量無接点方式、そしてこの見た目ということで、間違いなく一軍キーボードです。
流行りのガスケットマウントを搭載しているわけでも、安定性を高める金属製ボディというわけでもないのですが、押下圧30gの静電容量無接点方式というキースイッチの特性上、衝撃吸収や打鍵の軽さを別の角度から実現しているといった印象。以下は実際に打鍵した様子ですが、これまでに使ってきたキーボードの中で一番ではないかというくらい静音性にも長けています。
HHKBやREALFORCEなどと同様に、静電容量無接点方式特有のブニュっと潰れるような感触が心地よく、キーを押下したときのフィードバックも最小限で滑らかに文字入力ができます。
指をキーに乗せて少し力を加えるだけでストンと沈み込むような軽さです。力を入れずにスイスイ打鍵できるのが本機の良さですが、一方で反発感がほとんどないため正直「打鍵してる感」はあまり得られません。とはいえ付属の増圧スプリングを加えることで簡単に押下圧を10g上げられるので、仮に物足りなく感じた場合はスプリングを足すのもアリです。(個人的には押下圧30gのままがこのキーボードの良さを最大限引き出せると感じました)

また、専用のキーマップソフトにも対応するNiZ L84。
カスタマイズできる項目は多く「これ設定したいな」と思うことは大抵できます。とはいえ日本語に対応していないなど、ソフトウェアに関してはお世辞にも使い勝手がいいとはいえません。(VIAなどに慣れている人はある程度直感的に触れるかと思いますが)
押下圧30gのロープロファイルかつ静電容量無接点方式採用と圧倒的な希少性をもっているNiZ L84。
しっかりとした打鍵感がほしい!という人にはやや物足りないキーボードになってしまいそうですが、ソフトなキータッチ、軽やかな打鍵感を求める人にはこれ以上ない選択肢になるんじゃないでしょうか。NiZらしいポップなデザイン、ディスプレイ内蔵など機能性も申し分のないキーボードなので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
NiZ L84 | |
---|---|
キー配列 | US |
レイアウト | 75% |
キースイッチ | 静電容量無接点方式 |
接続方法 | 無線・有線・レシーバー |
キーキャップ | ダブルショットPBT |
キーマップ変更 | 専用ソフト |
サイズ | 322×138×24mm |
重量 | 827g |