あの名機が2年ぶり進化。Mini LEDで“初”グレア液晶『INNOCN GA32V1M MAX』レビュー

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僕はふだん、写真や動画の編集、映画鑑賞、PS5のゲームプレイを一つのMini LEDパネルの4Kモニターに集約してしまっています。

そんなMini LEDのPC用モニターで、なぜかこれまで選択肢がなかった「グレアパネル(光沢パネル)」を採用したモデルが、ついにINNOCNから出ました。それが「GAV1M MAXシリーズ」。

画質はノングレアの旧作のほぼ上位互換、Mini LEDのローカルディミングに透明感までプラスされた待望の新モデル。今回発売に合わせてINNOCNより32インチモデルを評価機材で検証できる機会を頂きましたので、使用感をレポートしていきます。

目次

◼︎INNOCN GA32V1M MAX

いきなりですが、まずデザインが良いんです。高機能なモニターはまだブラックが基本というイメージですが、スタンド、フレーム、背面、すべてホワイトで統一されています。

パネル外枠もしっかり塗装されていてベゼルレスがさらに際立ちますし、デスク環境を白やグレー基調でそろえている人だと、この見た目の時点で有力候補に入るって人も中にはいるはず。

うっとりする筐体デザイン。

デスクをアイランド配置にする場合に目立つ背面デザインもスマート。ゲーミングモニターらしくリング状のLEDが明るく光りますが、僕はビカビカ光らせるのが好きではないのでOSD設定から消灯してます(切り方がわからずあちこち探しましたがeスポーツ設定からオフにできました)。

下部には「INNOCN」のロゴが印字されていますが、同系統色なので主張は控えめ。

MacBook Proのベゼルと比べても大差なく、マルチモニター環境でもディスプレイ間のギャップや違和感も最小限です。

天面には環境光センサーをそなえ、自動明るさ調整に対応しています。MacやiPhoneの自動明るさ調整のような感じで、部屋の明るさに応じて画面の明るさや色温度を自動で調整してくれます(デフォルトではオフになっています)。

自動明るさ調整付きで時間帯問わず目の負担を軽減してくれる

付属ケーブルの内容は、USB Type-C ×1(画面出力・90W給電用)、DP(DisplayPort)×1、HDMI 2.1 ケーブル ×1、USB-B ケーブル(アップストリーム用) ×1。

本体と同色のホワイトに塗装されていますが、ほんのりベージュが混ざったような色合いです(昔の富士通を思い出しました)。本体が白いのにケーブルはなぜか黒という残念なパターンも多いですが、白で統一されているのはありがたい。

AC周りもすべてホワイトですが、個人的にマイナス点は弁当箱タイプのゴツいアダプタ。

でかい

PCへ電力を供給する、そしてハイスペックなモニターそのものの電力確保のためにはどうしてもこのくらいのサイズになっちゃうんでしょうけど、きれいに配線するにはケーブルトレー、もしくは結束テープで昇降デスクなどのフレームに巻き付けるなどひと工夫必要。

Mini LED × グレアパネルの圧倒的透明感

GA32V1M MAXは、2304分割(64個 x 32個)したMini LEDバックライトを搭載します。ローカルディミング(パネルの部分駆動)に十分な分割数で、明暗のメリハリ表現がとにかく得意。HDR1000認証も取得しています。

大まかに言うと、画面の暗いエリアのMini LEDを消灯して、明るいエリアは点灯したままにすることで、黒をより深く見せるという仕組みです。

黒が漆黒

そしてここからが本題。Mini LEDの液晶パネルのPC用モニターで極めて稀なグレアパネル(光沢パネル)を採用しています(32インチに絞ればおそらく唯一の選択肢)。

映りの良いグレアパネルが忌避される大きな理由が「映り込み」ですが、1.8%AR(低反射)コーティングを施すことでかなりの低反射率を実現しています。さらに、IPSパネル特有の斜めから見たときの白っぽさを抑える「ATW偏光板」も搭載(かつてNECやLGの一部製品でも使われていたレイヤー効果です)。

斜めから見たときの色ムラを見事にカバー

グレアの透明感で見え方を限りなく良くしつつ、映り込みはしっかり抑える。これが刷新されたMAXシリーズの一番の優位性ということになります。実際に見た感想としても、めちゃくちゃに演色性が良いです。黒はより深みがあり、ハイライトはより鮮やかに、コントラストの描写は息を呑むほどにうつくしい。

色域に関しては、Appleが策定したDisplay P3カバー率が99%(sRGBも99%カバー)、コントラスト比は1,000,000 : 1 (HDR時)、最大輝度1200 nits (HDRピーク時)を誇っていますので、色合いや発色の精度に関してもかなり信用できます。

モニターは工場で大量生産される工業品なので、値段の安い高いに関わらず少なからず品質にバラツキが生じるもの。しかし、色味の個体差を許さないGA32V1M MAXは、1個体ずつ手作業でキャリブレーション(色精度をチューニングする作業のこと)されています。

キャリブレーションレポートが同梱。「sRGB」「DCI P3」「AdobeRGB」規格に対してΔE < 2.0に校正済みと記載あり。

手元に届く製品はすべてプロの手作業によって色補正されたものなので、仮にオフィス等で複数台導入したとしても「いざ箱から出したらそれぞれ色にバラつきがある」みたいなことは間違っても起きないのです。

くわえて広大な32インチの4K解像度ですから、DaVinci ResolveやLightroomのような画面を大きく使うソフトはもちろん、複数ウィンドウを開いての作業時の視認性も申し分なし。すべての作業がこのモニター1台で完結させられます。

これより上の正確さを追求するとなると、一気に「数十万円の業務用カラーマネジメントモニター、もしくはApple純正のStudio Displayに選択肢が絞られるので、現実的に手が届く範囲でのPCモニターとしては最高水準といえるんじゃないでしょうか。

よりMacライクな色味を追求するなら、DCI-P3モードをベースにカスタマイズすることでMacBookに限りなく近い見え方に寄せることもできます(予めMacの色味に寄せた専用のプリセットもありますが、これだと若干マゼンタ寄りになってしまう)

あとは何といっても映像コンテンツを流した時の鮮やかさですよ。

Mini LEDモニターならではのローカルディミング(映像の暗い部分のLEDだけを減光させること)の恩恵で、黒が本当に「漆黒」というか、沈み込みレベルが一般的な液晶モニターと比べて一段違います。

MAXモデルは無印モデルの倍の2304分割(27インチ、32インチ共通)なので、ダイナミックレンジも桁違いに広い。コンテンツ側のHDRの対応、非対応とは無関係に、と言ったらあれですが、何を流しても本当に美しく鮮明です。コントラストの境界線がビシッと引き締まるので、シャドウからハイライトへのグラデーションがとにかく美しい。

Mini LEDモニターで映画などじっくり見たことがある人はわかってもらえると思いますが、映像視聴の没入感って意味でも一回慣れてしまうともう普通の液晶モニターに戻れないんですよねえ。

ケーブル1本でつながるシンプルさと高い拡張性

GA32V1M MAXの映像端子は全部で4つあり、どれを使っても最大160 Hz(3840×2160)または最大320 Hz(1920 x 1080)に対応します。

端子: USB-A 3.0 x2 / USB-B x1 / HDMI2.1×2 / USB-C x1 (PD 90W) / DP1.4×1 / Audio / DC

このうちUSB Type-Cポートは、PD対応です。出力65W止まりのモデルが主流の中、最大90Wで給電できるので16インチMacBook Proの給電にも耐えられます。

そのまま映像出力もできるので、対応するラップトップやタブレットを接続すれば、Type-Cケーブル1本で急速充電とマルチディスプレイ化できます。

ケーブル1本をPCに繋げば、映像・充電・通信ぜんぶ完結

そして嬉しいUSBハブ機能。他のUSB端子にワイヤレスマウスやキーボードのレシーバーを繋げば、USBハブなしでワークスペースをゆったりと確保できます。

内蔵スピーカーの音質は・・

GA32V1M MAXはスピーカーを内蔵しているため、PC側の音声を出力させることもできます。

しかしながらスピーカー性能は一般的な2W × 2のステレオスピーカー。2.1chスピーカー内蔵のモニターなどと比べても音はお世辞にも良いとはいえません。

MacBookの内蔵スピーカーの方がふつうに音質は上なので、スピーカーの出力先はPCに戻しておくのがいいかなと。

普段馴染みのないハイスペゲーミングモニターということで音響も期待していたんですが、これまで使ってきたPCモニターと比べて特別音が良いってことはありませんでした。こだわりたい人は3.5mmオーディオジャックでスピーカーやヘッドホンを挿して音を取るのが間違いないと思います。

2026年時点で唯一無二の選択肢

かれこれ7年くらいPCモニター市場を追ってきましたが、高リフレッシュレートかつ、Mini LEDのグレアパネルモデルみたいな、少し前まで選択肢すらほぼなかったモデルが10万円で迎えられるようになったということ自体、感慨深い・・。

すでに圧倒的な希少性であるうえ、映り込みを抑えるコーティング、視野角による色変化を抑える偏光板まで搭載してしまうという盤石ぶりなので、画面の透明感、視認性の良さ、この点でGA32V1M MAXは別格です。

旧型で指摘されていたクリエイターモードの色精度や、MPCS TECHにSyncモードが追加されてVRRと併用可能になるなど細かい部分も改善が見られ、正真正銘、隙のない一台に仕上がっています。

2週間ほどMacBookでの写真編集や動画視聴、PS5用途で使い込んでみて、もう以前のノングレアモニターには戻れないなと・・。作業、ゲーミング用に長く使えるこだわりのモニターを迎えたいという人はぜひGA32V1M MAX、選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

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