映画館気分を味わいたいときにはプロジェクターの出番。
コンパクトで高性能なモデルが増えたここ数年、一家に一台のエンタメデバイスとして一気に浸透した感がありますよね。かくいう我が家も、映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてプロジェクター一台で楽しんでいます。（壁一面の大画面投影サイコー！）
中でもバッテリー内蔵のモバイルプロジェクターの草分け的存在、AnkerのNebula Capsuleシリーズ最新モデルが「Nebula Capsule Air」。
ドリンクのロング缶ほどの超コンパクトサイズでありながら、「これくらいは最低限ほしい」という絶妙スペックにまとまっている一台です。実際に1週間使用してみた感想、投影性能、音響面などレポートしていきます。
Nebula Capsule Airの外観と基本性能
Ankerから発売されたモバイルプロジェクター「Nebula Capsule Air」主な特徴は以下のとおりです。
- 解像度：1,280×720HD
- 輝度：150 ANSIルーメン
- 缶ジュース大のコンパクトサイズ
- 最大100インチの大画面投影
- Google TV搭載
- タテヨコ両方の自動台形補正付き
- 価格 49,990円（執筆時Amazon価格）
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、リモコン、最大45W出力と大容量のUSB-C充電器。必要最小限です。
こちらがプロジェクター本体。350mlの缶ジュース程度のサイズ感で、同型のモバイルプロジェクターとしては最小級のコンパクト設計となっています。
重さは約640gで持ち運びも苦に感じず、サッと取り出して、サッとしまえるので、「今からプロジェクターを起動するぞ・・」と重い腰を上げる必要がなくカジュアルに使えるのが最大の魅力です。
操作は付属のリモコンから行います。従来はサードパーティのアプリを介す必要があったNetflix含め、YouTube、Amazonプライムビデオがリモコンからダイレクトでアクセスできるのは嬉しいポイント。
背面には各種インターフェース。電源ボタン、USB-C端子、HDMI入力と最小限構成ながら欲しい端子はひと通り揃っています。
Nebula Capsule Airを使ってみる
というわけで、6畳書斎の白背景にドカーンと投影してみました。1週間Nebula Capsule Airを堪能してみたので、良かった点、気になった点などまとめていきます。
ミニマルな筐体からは想像できない明るい映像
ディスプレイは0.16インチDLPで、解像度は1,280×720画素、明るさは150 ANSIルーメンでコントラスト比400：1と、手のひらサイズのプロジェクターとしては屈指の投影性能を誇るNebula Capsule Air。
昼頃の明るい時間帯でもカーテンを閉めれば十分視認できるくらい明るく、夕方以降の暗い環境ならテレビ代わりになるくらいには鮮明でキレイな映像が投影できます。
明るさ含め色温度、コントラストなど、好みの色味をかなり細かく調整できますし、細部まで滲みなく投影できます。
少し寄ってみました。動画再生中に撮影してもこれだけ細部の輪郭がはっきりしているので、肉眼で見る分には写真以上に高精細ですし、発色も良好です。
一昔前のモバイルプロジェクターによく見られた動画再生時の残像感（ぼやけ）なんかも、まったく感じないですね。
また、従来のNebula Capsule同様に、LED光源が採用されているのも特徴。有害なブルーライトを発さず、省エネ駆動のため動作音が静かなのもうれしいところ。
6畳部屋でも80インチの大画面投影
「本体が小さいってことは、それだけ投影サイズも小さくなるのでは…？」と心配になるところですが、決してそんなことはありません。投影サイズはなんと最大100インチ対応であり、六畳部屋の白壁Nebula Capsule Airを設置して投影したところ、約2mの投射距離でおよそ80インチの大画面投影ができました。
これ以上大きく投影しようとすると光源と壁の距離が長く必要になる分、少しずつ暗くなってしまいます。どれだけ投射距離に余裕があっても、80インチ程度の投影がベストに感じますね。それでも一般的な30〜40型テレビの倍の画面サイズですから、大迫力には違いありません。
また、オートフォーカス、台形補正は垂直（タテ）水平（ヨコ）ともに対応。モバイルタイプだとタテ方向にしか対応していないものも多い中、両方向の自動補正に対応しているのはさすがNebulaシリーズ。オートフォーカスともに補正時のラグや誤認識などもなく正確に補正してくれるので、画面の調整はほぼNebula Capsule Air任せでOK。
Google TV内蔵でNetflixも標準装備
Nebula Capsule Airのもう一つの強みが、最小クラスの筐体でありながらしっかりGoogle TVを内蔵していること。各種操作はもちろん、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。
一般的なAndroid TVモデルと比べて何よりうれしいのは、Netflixを標準装備していること。
従来は、サードパーティのアプリを介すか、Fire TV stickを挿し込む（もしくはミラーリング）でしか視聴できなかったNetflix。ホーム画面からダイレクトで視聴できる上、純正アプリ上で視聴が可能なため駆動もなめらか。Netflixユーザーにとっては格段にユーザビリティが向上してます。
そのほかAmazon Prime Video、Hulu、Disney+、U-NEXT、AbemaTV、Apple TV、Spotifyなど主要なストリーミングサービスに対応するのはもちろん、リモコンボタンから音声入力の「Googleアシスタント」も使用可能です。
音圧は期待以上。ただし・・
どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点Nebula Capsule Airは、5Wが1基のモノラル仕様ではあるものの小型デバイスの音質向上に効果があるとされるDolby Audioを採用。「音圧」という点では確かに他モデルに比べて迫力が感じられます。
一方で、「空間表現」という点では上位機種のNebula Capsule 3と比べてやや物足りない印象。部屋全体に音が広がる感じというか、「シアターチックな立体感」みたいなものは正直期待できないので、そのあたりに拘る人は外部スピーカーなどに接続することをおすすめします。
一方でカスタマイズ性は充実しており、既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響の最適化、カスタム設定から帯域別で細かく調整することもできます。
2025年、小型プロジェクターの大本命
自宅で使うエンタメデバイスとして49,990円は決して安くはないですが、このサイズ、シャープで明るい映像を実際に体感すると納得感はあります。投影性能と価格のバランスという意味では絶妙で、使用環境にかかわらず迷ったらコレな一台です。
なんと言ってもこのサイズですよね。この小ささでプロジェクターとしての「キレイ」の水準を満たしていること自体シンプルに感動します。ここまでコンパクトなら、持ち出して使うことはもちろん、ビジネスユースでの利用も視野に入りますし、旅行や出張などマルチな用途で活躍が期待できるのではないでしょうか。「画質はもちろん機動性も妥協したくない」という人は、「Anker Nebula Capsule Air」ぜひチェックしてみてください。
