映画館気分を味わいたいときにはプロジェクターの出番。
短焦点で高性能なモデルが増えたここ数年、一家に一台のエンタメデバイスとして一気に浸透した感がありますよね。かくいう我が家も、映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてプロジェクター一台で楽しんでいます。
中でも、約1.8mから100インチ投影が可能で、4K解像度に高輝度3000ANSIルーメンと狭い空間でも大画面かつ高画質を実現する短焦点モデルが「BenQ TK705STi」。今回メーカーから実機をお借りできたので、実際に1週間使用してみた感想、投影性能、音響面などレポートしていきます。
BenQ TK705STiの外観と基本性能
BenQから発売されたホーム型4Kプロジェクター「BenQ TK705STi」。主な特徴は以下のとおりです。
- 解像度:4K UHD 3840×2160
- 輝度:3000 ANSIルーメン
- CinematicColor技術による正確な色再現
- HDR-PRO対応
- 4K/60Hz・5msの低遅延
- 自動縦横台形補正・オートフォーカス付き
- Google TV搭載でNetflixも標準対応
- インテリアに馴染むキューブデザイン
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、リモコン、電源アダプタと必要最小限です。

シルバーを基調としたキューブ形状が映えるプロジェクター本体。表面のファブリック調仕上げ含め、インテリアに溶け込む上質なデザインとなっています。

本体サイズは229.2 x 168.2 x 249.7mm。同スペックの他モデルに比べて高さが低く、かなりコンパクトにまとまっています。
本来はやぼったい印象になる両サイドのスピーカー部分も、デザインされたパンチングでかなりスタイリッシュな印象。このあたりのディテール含め、どの角度から見てもスタイリッシュな造形がたまらないですね。

左側には、サイドコントロールパネル。電源のオンオフやボリューム調整、カーソル移動などがここから操作できるほか、なんとズーム操作ができるダイヤルもそなえます。

接続端子はHDMI 2.1、USB-A、USB Type-C、Bluetooth 5.2に対応しています。Type-Cと接続してパソコン画面を入力することも可能です。また、eARCに対応しているので、対応のサウンドバーなどがHDMI接続のみで音声出力できます。

底面にはスクリュータイプの足が3つ。フロント側に1つ、リア側に2つです。それぞれ回転させることで、高さと角度を微調整できます。

BenQ TK705STiを使ってみる

というわけで、6畳書斎の白壁にドカーンと投影してみました。1週間ほどBenQ TK705STiを堪能してみたので、使用感などまとめていきます。
業界最高クラスの明るさと高精細な映像
明るさ3000ANSI ルーメン、3840 × 2160の4K UHD(ウルトラHD)の高画質と、現行の家庭用プロジェクターとしては最高クラスの投影性能をほこるTK705STi。

日中の一番陽光が差し込む時間帯でも、カーテンを閉めれば映画や動画視聴なら全然問題ないですし、それこそ夕方以降に投影するともはや液晶テレビ以上では?と言いたくなるくらい鮮明で明るいです。

明かりを落とした環境下ではむしろギラギラ眩しいくらい明るいので、わが家では時間帯にかかわらずあえて省エネモードで視聴するほどです。段階的な明るさ・コントラスト調整のほか、映像モードの設定など自分好みに細かくカスタマイズできます。

少し寄ってみました。さすがHDR-PRO対応というだけあって、動画再生中でもディテールの輪郭をこれだけはっきり描写できます。


DCI-P3カバー率の公称値は明記されていませんが、コントラスト比は600,000:1と桁違いの数値なので、全体的に白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、メリハリの効いた発色になっています。輪郭の色にじみや、斜めの線がギザギザになるジャギーも肉眼でふつうに視聴する分にはまったく気になりません。
まあ価格を考えれば当然ですが、そんじゃそこらの家庭用プロジェクターとは違って「本気の一台」って感じがひしひしと伝わってきますね。
6畳部屋でも100インチの大画面投影
映像の美しさだけでなく、基本となる投影性能も抜かりないTK705STi。
最大投影サイズは150インチ対応であり、今回は6畳の書斎の壁から壁、1.8mほどの投射距離で約100インチの投影ができました。

「1.8m」から距離を離すと、その距離に応じて画面サイズが大きくなる反面、少しずつ輝度が落ちていくイメージ。なので確保できるスペースにかかわらず、100インチ程度の投影がベストバランスといった感じ。
オートフォーカス・自動縦横回転も搭載し、ともに補正時のラグや誤認識はなくきっちり補正してくれます。なので画面まわりの調整はほぼTK705STiまかせでOK。

Google TV搭載でNetflixも標準対応
OSにGoogle TVを搭載するTK705STi。各種操作はもちろん、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。

何より嬉しいのがNetflixに標準対応していること。サードパーティのアプリを介すか、別途Fire TV stickを挿し込む(もしくはミラーリング)必要があるモデルも多い中、駆動が滑らかな純正アプリで視聴できるのはNetflixヘビーユーザーにとってはこの上なくうれしい…。

そのほかYouTube、Amazon Prime Video、Hulu、Disney+、U-NEXT、AbemaTV、Apple TV、Spotifyなど主要なストリーミングサービスに対応するのはもちろん、リモコンボタンから音声入力もできます。
オーディオ性能も妥協なし

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点TK705STiは、デュアルスピーカー(計16W)なので、そんじゃそこらの低価格帯のプロジェクターと比べて「音圧」「空間表現」ともに雲泥の差です。
それこそテレビと比較しても、部屋全体に音が広がる感じというか「シアターチックな立体感」みたいなものも断然得られるので、相当音質にこだわりがあるとかでなければ別途外部スピーカーやサウンドバーは不要かなと思いますね。
音質のカスタマイズ性も充実しており、「映画」「音楽」「スポーツ」「ゲーム」と既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化することもできます。この中では「映画」がもっとも広がり感が豊かで、低温の安定感があると感じます。さらに自分好みのサウンドを作りたいという場合は、イコライザー設定から帯域別に細かく調整することもできます。

2026年、家庭用プロジェクターの大本命

自宅で使うエンタメデバイスとして約25万円は決して安くないですが、インテリアとして空間に溶け込むデザイン性、1.8mで100インチ投影、シャープで明るい映像を実際に体感するとこの価格にも納得感があります…。それこそ、一生モノとして高機能な機種を検討中という人、明るい日中でもノーストレスで使えるハイエンド機種への乗り換えを考えている人には、十分おすすめできる一台だと感じました。
4K/60Hz・5msの低遅延で動作するゲーミング性能はじめ、日中でも楽しめる高輝度かつ精細な映像、迫力のサウンド、さらにはNetflix公式収録のGoogle TV対応と、多様化するユーザーの要望をまとめてカバーする一台。新しいプロジェクターライフを模索しているという人は、ぜひTK705STiを検討してみてはいかがでしょうか。



