PCやスマホ内で増え続ける写真や動画、大切なデータをどこに保存するか問題は皆さんあると思います。
外付けHDDやクラウドサービスも便利ですが、自分だけの安全で自由なデータ保管、そして家族等と共有ストレージとしてNAS(ネットワーク接続ストレージ)を導入するのも手です。
ということで、今回はSNSでも話題になっていたUGREENの「NASync DH4300 Plus」を導入してみたので、レビューしていきます。
UGREEN NASync DH4300 Plusの概要
NASyncシリーズはネットワークで接続できるストレージ(NAS)です。簡単に言えば自分専用のクラウドストレージのようなものですね。
中でもUGREEN NASync DH4300 Plusは、3.5インチ/2.5インチ HDDがトータル4台が搭載でき、容量は最大120TBのストレージ、リモートアクセス、アプリ、バックアップ環境、アルバム、等をワンパッケージにしたNASです。
NASというととっつきにくい印象であったり、パソコン上級者しか使えないのでは?という不安がありますが、NASync DH4300 Plusは初心者でも使いやすい設計になっているのがまず大きな特徴。そしてAIを活用した写真管理機能で人物や風景、場所などを自動で認識してアルバムを分類するため、大量の写真整理が簡単に行えます。また、2.5GbEの高速LANポートを搭載しており、大容量データの転送も快適。
さらに、4K/60Hz対応のHDMIポートを備え、NAS内の動画を直接テレビで再生するメディアプレーヤーとしても活用できます。NFCによる簡単な初期設定など、使いやすさにも配慮されたモデルです。
UGREEN NASync DH4300 Plusの外観
こちらがUGREEN NASync DH4300 Plusの本体。同社充電器やモバイルバッテリーなどと同様にシンプルな外観でとてもスタイリッシュな印象です。

正面左側が電源ボタンで、その右にLANや各ドライブのインジケータが並び、右側にはUSB 3.2 Gen1(Type-C)ポートをそなえます。また、ロゴの少し下にNFCのマークがありますが、こちらはNFC対応のスマホをかざすと、すぐにアプリインストールへと誘導してくれます。
背面にはインターフェース類。左からHDMI、USB 3.2 Gen1(Type-A)×2、LAN、リセットボタン、電源ジャックと並びます。

HDMIはTVなどに繋いでストレージの写真や動画を画面出力するのに使います。OS搭載ですからType-Aには外付けのストレージ以外にマウスなどを繋いで操作することも可能です。
底面部は四隅にゴム脚、中央部分は排気口となっていて、この奥(裏側)に冷却ファンがあります。各種認証情報などが記載されたシールもこちらに貼られていますね。

付属ドライバーでHDDを簡単設置
続いてNASync DH4300 Plusの使用手順ですが、まずはNASのロックを外してスロットを取り外します。

スロットを取り外したら別途用意したハードディスクをセット。両側3箇所、計6箇所のネジ止めで簡単にセッティングできます。

NAS本体の電源を確保し、ルーターとLANケーブルで接続したら電源をONにします。これでハードウェア側のセットアップは完了です。

続いて、以下のApp Downlpadへアクセスして、Mac・windows・iOS・AndroidなどのOSに合わせて専用アプリをインストール。
最後にアプリの案内に従ってRAIDの設定やHDDのフォーマット化などの初期設定を済ませればセットアップ完了です。
UGREEN NASync DH4300 Plusの使用感
セットアップ→アプリ使用までとにかく簡単
筆者はこ以前SynologyのNASを使っていたのですが、それに比べると遥かに簡単にセットアップできました。細かい設定はそれなりに知識がないとできないかもしれませんが、とりあえずファイルサーバーとして使うぶんには、アプリの指示に従って進めるだけなので初心者でも簡単に構築できます。

それに加えて、専用アプリが非常に使いやすいというのもNASync DH4300 Plusの特徴。UGOS ProというLinuxベースのオリジナルのOSですが、デスクPCのような使いやすいUIを備えており、海外製品ながら日本語にもきちんと対応しています。

スマホやタブレットからのアクセスも簡単

UGREEN NASyncシリーズはPC、スマホ、タブレットなどそれぞれに対応アプリが用意されていて、複数の端末からファイルを参照することができます。
クラウドストレージなら当たり前にできることですが、これがプライベートストレージでも実行できてしまうのはちょっと感動ですね…。スマホ版のアプリUIも洗練されていて、PCと同様に直感的に操作できます。
AIによる画像の分類・整理の自動化も

画像認識技術による写真の分類機能を搭載しているのも重大トピック。写真の内容をAIが自動で判別し、人物・文字・場所ごとにジャンル分けしてくれるので、目当ての写真をテキストや人物で絞り込んで検索するってことができます。
そのほか類似または重複している写真を自動で削除する機能なんかも備えているので、データの整理整頓を自動化できるのも魅力。AI機能により、NAS内のデータ整理も捗ります。
駆動音はそれなりに気になる

初心者ライクな使用感、全方位に完成度の高いNASync DH4300 Plusですが、しいて難点をあげるならば駆動音がそれなりに大きいこと。特にハードディスクの読み書きが行われている最中はそれなりの騒音になります。
これはNAS製品全般にいえることですし、ファイルの転送などを終えてしばらくすると駆動音は小さくなるので、購入検討する上でそこまで神経質になる必要はないかなとは思いますが…。ただまあ静音性に長けているとは言い難いですね。
ファイル管理から4K再生も。1台完結の最強パーソナルサーバー

NASync DH4300 Plusは、単に「大容量ファイルストレージ」にとどまらず、その本質はLinuxデスクトップOSを搭載した、極めて拡張性の高いパーソナルサーバーといった側面が大きいですね。
ファイルサーバーとしての基本性能の高さは言わずもがなですが、AI搭載のフォトクラウド、自分だけの音楽ストリーミングサーバー、いざとなれば単体で機能する4Kメディアプレイヤーとしても活用できちゃいます。
まあ単なるデータ保管庫を求めているユーザーにとってはオーバースペック感が否めない本機ですが、「自分だけの多機能サーバーを1台で構築したい」「PCやネットワークの知識を活かして、遊び倒せるガジェットが欲しい」と考えるパワーユーザーにとってはこれいほど魅力的なアイテムは他にないといっていいんじゃないでしょうか。
「速さ」と「使いやすさ」を兼ね備えた次世代NAS
やはり特筆すべきは初期設定のわかりやすさ。この手のネットワークの設定がとにかく苦手な僕でも開封から15分たらずでスムーズにファイル転送できるような環境が整いました。
スマホやタブレットのアプリから簡単にセットアッできる点も魅力ですね。NASってなんだか難しそう、と構えている人でもあっさりと使えるかと思います。(初めてNASを使った時に最初のセットアップでいろいろ躓きましたので…。)
また、速度的にもかなり速く、普通にPC内蔵のHDDと体感変わらずにNAS内のファイルを扱えます。小規模なオフィスでも使えると思いますし、僕の場合は家の中に複数のPCと作業場所を用意してあり、仕事に必要なファイルはクラウドやNASに入れてあります。これまではNASのファイルは若干のラグがあって使うのを躊躇っていたこともあったのですが、NASync DH4300 Plusならそういう事を気にせずに使えそうです。
「NAS」という既存のカテゴリーの枠を大きく超えたUGREEN “NASync DXPシリーズ。今回紹介したDH4300 Plusは4ベイの中位モデルになるので、扱うファイルの大きさやRAIDの構成をもっとこだわりたい方は8ベイの上位モデルも合わせて検討してみてください。




