自宅を一瞬にしてミニシアターに変えてしまうプロジェクター。最近では、大きくて重いプロジェクターの概念を覆す、コンパクト軽量なモバイルプロジェクターが人気を集めています。
そんな中、バリエーション豊富なプロジェクターを揃えるBenQから、新型のモバイルプロジェクター「GS50」が登場。
解像度フルHDに、明るさ500ANSIルーメン、さらには20W出力の2.1chスピーカー内蔵と、モバイルプロジェクターとしては映像、音質ともに上位スペックのGS50。
また、アウトドアライクのデザインに、IPX2の防滴仕様、70cmの落下衝撃耐性と、野外へ持ち出しての投影にもピッタリな一台となっています。
今回は、ベンキュージャパン様より1ヶ月間お試しさせて頂いたので、そんなBenQ GS50を使った感想、メリット・デメリットなどを詳しくまとめていきます。
BenQ GS50の概要
「BenQ GS50」は、Android TV 9.0を搭載したLEDモバイル(ポータブル)プロジェクターです。
製品名 | BenQ GS50 |
---|---|
明るさ | 500ANSIルーメン |
解像度 | フルHD(1920 x 1080画素) |
サイズ | 約186 x 154 x 146 mm |
重さ | 約2.3kg |
スピーカー | 5W x 2 + 10Wウーファー |
投影サイズ | 30~112インチ |
オートフォーカス | 対応 |
ワイヤレス規格 | 2.4 / 5.0GHz(IEEE802.11 a/b/g/n/ac)・Bluetooth 4.2 |
OS | Android TV 9.0 |
価格 | 90,707円(税込) |
前回紹介した「GV30」から、明るさと解像度がアップグレードされ、モバイルプロジェクター全体で見てもハイエンドクラスの投影性能となっています。
また、これまでになかった2.1chスピーカーを内蔵しているのも特徴。ウーファーと合わせて20W出力と、純粋な出力数は過去最高クラスなので、音質面もかなり期待できるんじゃないでしょうか。
では、さっそく開封して外観や付属品、基本性能などをチェックしていきます!
BenQ GS50の外観と付属品
こちらがGS50本体。角の取れたキューブ形状に、アウトドアライクな外観。これまでのシンプルなモデルともまた一味違うユニークなデザインに仕上がっています。
GS50は実際にアウトドアを想定した仕様なので、IPX2の防滴に対応。メーカーさん曰く、土砂降りの中での使用はさすがに厳しいけど、少々の雨程度なら濡れても問題ないとのことです。
サイズは約186 x 154 x 146 mmと、同クラスのモバイルプロジェクターの中では比較的コンパクトです。iPhone 13 Proを載せるとこんな感じ。
重さは約2.3kgとそれなりの重量感ではあるものの、2Lペットボトルと同じくらいなので持ち運びには困りません。
特筆すべきは、スピーカー性能。なんと、両側面に5Wスピーカー、後面には10Wのウーファーが配置された2.1chサラウンドシステムを採用しています。
いろんなタイプのプロジェクターを試しまくってる筆者ですが、20W出力のスピーカーが付いてるモバイルプロジェクターは見たことがないですね。映像だけでなく音質面もかなり期待できます。(詳しくは後述)
左側面には入出力インターフェース。電源端子とUSB-C、HDMI、USB-A、キーロック切り替えがついています。
GS50は、電源端子だけでなくUSB-Cポートからも充電が可能。PD対応USB-C充電器とケーブルを用意すれば、付属のACアダプタを使うことなく投影できちゃいます。
ちなみに、USB-CポートはDisplay Port対応なので、Display Port Alt Mode対応のケーブル一本でPC画面を投影することも可能です。これも地味だけど嬉しい仕様ですね。
本製品はリモコン操作に対応していますが、本体側にも電源・音量・Bluetoothの操作ボタンが付いてます。
内蔵バッテリーの駆動時間は、動画再生2.5時間と一般的ではありますが、PD対応モバイルバッテリーからも充電できるので、電源のない環境でも安心して使えます。映画1本くらいなら、ギリギリ本体のバッテリーだけで事足りるかなって感じですね。
プロジェクター本体以外の内容物は以下のとおりです。
- 電源アダプタ
- 電源コード
- キャリーバッグ
- Android TVドングル(QS01)
- リモコン(電池付き)
- クイックスタートガイド
今回もBenQプロジェクターお馴染みのキャリーケースが付属。外へ持ち出す際は、こちらにまとめて収納して持ち運ぶことができます。
BenQ GS50の使用感レビュー
高精細な映像投影と目に優しいLED光源
明るさ500ANSIルーメン、解像度フルHD(1920 x 1080)とモバイル型トップクラスの投影性能であるBenQ GS50。
また、高いコントラスト比(100,000:1)に対応しており、ドットの粗が目立つ3LCD方式ではなく、鮮明な投影が可能な単板DLP方式を採用していることも含めて、環境に左右されず高精細な投影が可能です。
「GK100」や「TK700STi」などの据え置きタイプに比べるとどうしても明るさは劣りますが、それでも夕方以降の暗い環境であればくっきり明瞭に投影できました。明るい日中でも、カーテンを閉めきってしまえば問題なく視認できます。
また、一般的なレーザー光源ではなく、LED光源が採用されているのも本機の特色。目に有害なブルーライトを発さない上、省エネ駆動のため動作音もとても静かです。
メーカー公称の騒音レベルで29dBA(エコモード時は27dBA)と表記されているとおり、投影中の30秒間の平均値を測定したところ30dBAを下回っていました。
ファンが回っている音自体ははっきり聞こえますが、スピーカーが高出力なのもあって、いざ動画を見始めてしまえば本体の動作音はほとんど気になりません。
プロジェクターとしての基本性能も充実
持ち運びサイズのGS50ですが、投影サイズは最大112インチまで対応。焦点距離約2.6mで100インチ投影が可能なので、7畳の部屋でも壁一面にほぼ最大サイズで投影できました。
もちろんオートフォーカス機能も搭載。投影時にちょっとボケてるな〜と感じたら、リモコンのボタン操作一つでぱぱっとピント調整できます。
自動台形補正は、垂直(タテ)方向のみ対応。ややタイムラグがありますが、誤認識はなくしっかり補正してくれます。この2つの機能のおかげで初回のセッティングも楽ちん。ちなみに水平(横方向)は手動での補正が可能です。
本体底面のヒンジで15度の角度調節ができるので、台形補正と合わせることで理想のポジションでしっかり投影できます。
また、利用時間を制限できる機能として「ペアレンタルコントロール」というモードを搭載。お子様が長時間試聴する際も設定で時間管理ができます。
輝度やコントラスト、色味の調整も細かく設定できるGS50ですが、過去最多の7種類ものカラープリセットを搭載。アウトドア仕様ということでキャンプモードという新しいモードも追加されていますが、普段の動画視聴は高コントラストの「リビング」が個人的におすすめです。
明るく | 輝度を最大限明るくします。輝度を最高に明るくする必要がある環境に適した設定。 |
リビング | 彩度明るく、シャープに調整します。やや暗めの部屋で動画を視聴するのに適した設定。 |
ゲーム | ゲームプレイに適したモード。敵が隠れられないように暗いシーンの視認性を向上させます。 |
スポーツ | 高彩度の色と高い輝度レベルでスポーツ鑑賞に適した設定。 |
シネマ | 低い輝度レベルで忠実な色再現と深いコントラストで、比較的明るい部屋での動画再生に適した設定。 |
日中 | 画像のぼやけた範囲を明るくします。屋外や照明の明るい部屋などに適した設定。 |
キャンプファイヤー | シネマモードよりもやや明るく、夜間の外光が少ない屋外での動画再生に適した設定。 |
Android 9.0・純正アプリストア搭載
BenQ GS50は、OSにAndroid 9.0を搭載しています。
Androidは、付属のワイヤレスドングル(QS01)を本体に繋ぐことで利用できます。ドングルは一度セットしたら、そのままでOK。
前モデルのGS2は、アプリストアがサードパーティ製のもので使い勝手がいまひとつでしたが、本製品は純正のGoogle Playを収録しているのでサクサク操作できます。
YouTubeやAmazon Prime Videoをはじめ、U-NEXT、DAZN、Hulu、dTV、Abema TVなど主要VODを含む5000種類以上のアプリがインストール可能とエンタメ性は言うことありません。
ちなみに、NetflixのみGoogle Playからインストールできない仕様になっていますが、Fire TV stick等の外部接続機器を使用するか、PCからのワイヤレスキャスト、またはケーブル接続により視聴できます。
また、「DiXiM Play」や「torne mobile」を使えば、レコーダーやnasneなどWi-Fi接続機器をつなげてテレビを視聴することも可能です。
もちろんPS4/PS5、Nintendo SwitchなどのコンソールゲームもHDMIから接続可能。大画面投影でもラグはなく、スマブラなどの動きの早いゲームも遅延なく快適に遊べました。
モバイル型史上去最高ともいえるサウンド体験
いくら大画面・高精細に投影ができても、本体から鳴る音がチープだと臨場感は半減してしまいますが、前述のとおり音質までこだわり抜かれているGS50。
GV30同様に2.1チャンネルのtreVoloスピーカーを搭載し、その合計出力数はなんと20W。モバイルプロジェクター全体でもこの出力を出せるモデルは他になく、低域から高域までしっかり臨場感のある音を鳴らしてくれます。
これまで数多くのプロジェクターを試してきましたが、個人的には「GK100」や「XGIMI HORIZON Pro」など据え置き型のハイエンドクラスに匹敵するサウンド体験だなと感じました。
スピーカーモード対応なので、単純にBluetoothスピーカーとしても使えます。空間の広がりとか、低音の響きは下手なスピーカーよりよっぽど感じられますね。やっぱりサブウーファーの恩恵が大きいのかなと思います。
リモコン・スマホ操作の両方に対応
付属のリモコンから操作が可能なGS50ですが、専用アプリ「BenQ Smart Control 」をインストールすることでスマホからの操作が可能になります。
BenQ Smart Control
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付属リモコン、アプリともにラグもほとんどなくサクサク操作できます。リモコンは音声アシスタントにもバッチリ対応。
BenQ GS50レビュー|まとめ
今回は、ベンキュージャパンのモバイルプロジェクター「BenQ GS50」を使った感想でした。改めてレビューをまとめるとこんな感じ。
前モデルから、明るさ、解像度、スピーカー性能が大幅にアップグレードしたBenQ GS50。投影性能、音質ともに、モバイルプロジェクター全体で見てもハイエンドクラスの一台です。
また、アウトドアライクのデザインに、IPX2の防滴仕様、70cmの落下衝撃耐性、モバイルバッテリーでの駆動可能と、野外へ持ち出しての使用にもピッタリなモバイルプロジェクター。
機能性とデザイン性をかねる持ち運び用のプロジェクターをお探しの方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか!