話題の“折りたたみ式デュアルモニター”の実力は?EHOMEWEI XQ-160PWレビュー

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ノートPCを使ってると、もう一つ画面があれば作業がしやすいなーと感じるときがあります。でも、大きな外部ディスプレイは置く場所がない…!そんなときに重宝するのが、サクッと二画面環境がつくれるモバイルモニター。

ロピログではこれまでに様々なモバイルモニターを紹介してきましたが、以前レビューした有機EL対応モデルなど高品質な製品を手がけるEHOMEWEIから、またまた先進的なモバイルモニターが登場しました。それがこちら。

EHOMEWEI XQ-160PW

EHOMEWEI XQ-160PW」です。ご覧のとおり「2画面」です。デュアルディスプレイでなく、なんとトリプルディスプレイ環境をケーブル1本で召喚できちゃいます。

一画面あたりの画面サイズは、視認性に優れる16インチ(また画面のアスペクト比は16対10で、一般的な16対9より縦方向に広い)。さらに画面のパネルは上下ともIPS液晶、解像度は2560 × 1600の量子ドットLED(QLED)ですから、業務用途においてこれ以上なく頼もしい一台。

実売価格は約8万円(タッチパネル非対応モデルは約6.5万円)なので、財布からモバイルモニターに出せる資金と考えると高級品には違いないですが、普段のデスクに設置して腰を据えて使うデュアルモニター(持ち出し可)と考えれば決してべらぼうに高いわけではないって感じですかね。

こういった2画面タイプも最近は他メーカーでもちらほら見かけますが、そのほとんどがフルHD止まりですし、P3系のカラーモードを100%カバー、コントラスト比1500:1と色の再現性や発色についても“ハイエンド級”というのがXQ-160PWの強みでもあります。

  • Amazon実売価格:78,833円(執筆時)
  • 画面サイズ:16インチ(16:10)
  • パネル:IPS グレア(光沢)タッチ対応
  • 解像度:QLED(2560 × 1600)
  • 入力端子:USB type C×2、Mini HDMI×2
  • 重量:スタンド込み約2.2kg

XQ-160PWのサイズは、幅360×縦245×厚さ12mmで16型のノートパソコンとほぼ同じサイズ感。重さは約2kgと、モバイルモニター2枚分+αって感じですかね。

背面のスタンドを展開すると自立する仕組みです。

スタンドは無段階で角度調整でき、最大90度まで開くことができます。2画面を支えるだけありスタンド自体が堅牢なつくりなので、使用中にディスプレイが動いたり、画面の角度が変わってしまうような心配はなさそう。

そして画期的だと感じたのが、スタンド部にインターフェースを揃えている点。モバイルモニターの多くは端子が本体側面にあるので、L字コネクタなどを使わないとケーブルの飛び出しが邪魔になりがちですが、据え置きメインで使う用途ではこういう一工夫がありがたいんですよね。

端子類は、USB Type-Cとmini-HDMIが上下画面それぞれ1セットずつ搭載されています。Type-C一本で電力が出力できるPCなどからは、ケーブル一本でモニターへの映像入力&電力供給(もちろん上下とも)が完結します。ちなみにもう一つのType-Cポートは補助給電用なので周辺機器など接続できます。

各種用途のインプレッション

EHOMEWEI XQ-160PWを14インチMacBook Proと接続して並べたところ。16:10比率の16インチが上下2枚なので、ほぼ27型ディスプレイと同等の表示領域になります。

PC含めて3画面分の個別の表示領域が手に入るわけですから、複数ウィンドウを開いてのマルチタスクではこの上なく心強いですね。基本的には据え置き環境でガンガン使う人向けの製品だとは思いますが、折りたたんでバッグに忍ばせればどこでも即座にトリプル環境を召喚できるというのは本機の魅力。

個人的にXQ-160PWの良さを一番引き出せると感じるのが、「接続表示モード」。上下を1枚画面として表示させることができ、Wordの文書作成やコーディングなどの作業性が格段に上がります。

単純にスクロール操作が激減しますし、全体を俯瞰しながらタスクが進められる意味でも生産性にかなり貢献してくれてるはず。しいて言えば上下の画面間にベゼル込みで3cmくらい隙間が生じるので、1枚画面として使う場合はここだけ少し慣れが必要。

「2画面すごい」ってだけでなく、表示品質も一級品のXQ-160PW。なんといっても輝度が500cd/m2、コントラスト比は1500:1なので、見るからに発色が美しいです(特に黒色の表現がいい)。解像度は「2K」に相当するので、文字やアイコンをはっきりと描写できます。DCI-P3カバー率100%の正確の色再現性ふくめ、現行のモバイルモニターとしては最上位に値する表示品質といえるでしょう。

ただまあ難点があるとすれば、画面の表面は光沢処理なので指紋が付きやすいこと。使用環境次第では、反射や映り込みも結構気になりますね。保護フィルムが光沢と非光沢の両方付属するので、指紋や反射が気になる場合は非光沢フィルムを貼ることである程度は和らぎます。

先述のとおり重さが重さなので、基本は「デスクに常設するサブモニター」って感じだと思いますが、いざ外へ持ち出すときも一緒に持ち運ぶ機材がUSB-Cケーブル一本で済むのは非常にスマート。MacBook Air/Proの場合2020年以降のAppleシリコンモデルは電力消費に対するパフォーマンスに優れるので、バッテリー残量を持て余すくらいならXQ-160PWにUSB-C一本で電力供給しながらガッツリ↓みたいに構築してしまうのもアリかなと思います(もちろん環境次第ですが・・)。

また、XQ-160PWは2画面ともタッチパネルを採用し、筆圧4096段階(Windows PCの場合)の簡易液タブとしても活用できます。これだけの画面サイズかつタッチ操作まで対応となると、簡易なMiniPCとお気に入りのキーボードだけ繋いでノートライクに使うのも良さそうですね。

タッチ操作で面白いと感じた機能が、「仮想キーボード」。画面下部にキーボードを表示させ、タッチ操作で文字入力ができるようになるという機能。

PC上ではこの仮想キーボードを「USBキーボード」として認識し、設定画面も日本語化されているので直感的に設定できます。もちろんタイピング自体はそれなりに熟練が必要ですが、あくまで外部キーボードを置けないときの補助的な役割としては重宝するであろうモード。仮装キーボードは、両手4本指のタッチで起動、両手1本指のタッチで非表示にできます。

USB-C1本で生み出す最強トリプル環境

2画面タイプのポータブルモニターも少しずつ普及してきましたが、解像度QLED、USB-C1本接続、さらにはタッチ対応のEHOMEWEI XQ-160PWはそんじゃそこらのキワモノとは違って「本気の一台」って感じがひしひしと伝わってきますね。タッチペンやスクリーンキーボード機能まで搭載となると、いよいよMiniPCだけ繋いでメインモニターとして活用するのも全然選択肢としてありだと思います。

トレードオフになるのは価格と重量ですが、普段のデスクに設置して腰を据えて使うモニター(持ち出し可)と考えればそれらも許容できる魅力が確かにあると感じます。据え置きでトリプル環境を構築したい人はもちろん、外へ持ち出すポータブルモニターとしてワンランク上の製品を検討しているという人はこの機会にEHOMEWEIの「XQ-160PW」を狙ってみてはいかがでしょうか。

タッチパネル非搭載モデル

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