電車の中で、飛行機の中で、バッグから突然火が出た、なんてニュースを目にして「自分が毎日使ってるバッテリー、大丈夫かな…」と、気になっている人は多いんじゃないでしょうか。
そういった昨今の発火事故を背景に生まれたモバイルバッテリーが、新素材“半固体電池”を採用した「SOLIDZ Power Bank」です。発売に合わせてメイカーズよりサンプルを送っていただいたので、従来のリチウムイオン電池との違いを含め、注目の新素材バッテリーの使用感をお伝えできればと思います。
発火の不安と、荷物の多さをまるっと解決
「SOLIDZ Power Bank」は、キーエンスの100%出資で2024年に誕生した日本メーカー『メイカーズ(MAKERZ)』が手がける半固体電池のモバイルバッテリー。
容量は10,000mAhと5,000mAhの2種類で、今回メインで使ったのは10,000mAhモデル。シリーズの中では、ケーブル一体型のスタンダードな位置づけになります。

一般的なモバイルバッテリーの中身は、液体の電解質を使ったリチウムイオン電池です。万が一、内側でショートすると発熱・発火のリスクがある、というのが構造上の避けられない問題。
一方で、その電解質をゲル状に近づけることでそうした発火リスクを最小限に抑えたのが半固体電池です。公式サイトを見てみても、落下試験や釘刺し試験などの厳しいテストをクリアしていることがわかり、発火・膨張しないことが証明されています(真似しちゃダメですよ)。
じゃあ半固体なら何も気にしなくて良いかというと、もちろん温度や衝撃など今までどおり気を配ることは大事です。ともあれ、リチウムイオンに比べて安全面を考慮した設計というのは大きな安心材料。毎日バッグに忍ばせるものとして、なおさらです。
また、SOLIDZ Power Bankはどちらの容量でも機内持ち込みの目安となる100Wh以下に収まるので、旅行や出張にも気兼ねなく連れ出せます。加えて、液体が少ないぶん膨張や液漏れも起きにくいため、数年単位で使い続けるモノとしても安心。

そしてSOLIDZシリーズ全般にいえることですが、デザインがとても良い。シンプルながらも全面UVコーティングのガンメタル調で、ほんのり工業製品感があるっていうのかな?変に丸みを帯びた形状でなく、余計な装飾がないのがスッキリとしてる(このデザイン、ぼくはささりました)。

サイズは約116×74×15.2mm、重さは約215g。iPhone 18 Proと比べるとやや厚みがあります。

10,000mAhだとこれより薄いものはあるけれど、ケーブル内蔵、縦横のサイズ込みでみると総合してかなり小さいです。5,000mAhバージョンはさらに薄く(約9.2mm)軽い(約122g)ので、持ち運びが最高にしやすいかと。
安心だけじゃない、30W高出力の実力
ストラップかと思いきやUSB-Cケーブル。USB-Cケーブルかと思いきやストラップ。

プラスチックの筒部分がケーブルをホールドして、指に引っ掛けてブンブン振っても外れない。だけどストラップとして酷使すると、それはそれでケーブル内部の劣化につながるのでほどほどに。
こういった一体型の良さって、もちろん荷物が少なくて済む、ケーブル忘れ防止などありますが、個人的には“充電というタスクの存在感が薄まる”ってことだと思うんですよね。

言ってしまえば、充電なんて別に楽しいわけでもなんでもないじゃないですか。ただ、手間がない、引っかからない、迷わないってだけで最高の状態なんです。もう、買い替える際にケーブルを内蔵しない普通のモバイルバッテリーを選ぼうという気がホントになくなっちゃいますから。
肝心の出力は最大30W。iPhone 18 Proにつなぐと急速充電が始まり、0%から100%までは1時間20分で充電できました。80%以降は低速充電になるので時間がかかりますが、80%までなら40分で充電完了です。なお、100%まで充電したあとのバッテリー側の電池残量は38%でした。

30WあればMacBook AirクラスのノートPCにも給電できるので、カフェ作業の保険にもなります。iPadやイヤホンケースまで同じ1本で済むのも気楽です。
最初からくっついてるケーブルと、もう1つの端子で2口の同時充電にも対応しています。しかし、この2口を同時に使うと、出力は合計で最大15W止まり。スマホ2台とかになると1/4程度のスピードに落ちるので、割り切ってスマホ1台、足すとしてもイヤホンやヘッドホン(どうしても仕方ないときだけスマホ)くらいが妥当ですかね。

それから、ちゃんとパススルーも対応でした。

バッテリー本体を充電しながら、スマホへの充電も同時進行できます。夜間や長時間放置するときなど「ゆっくりでもいいから、スマホとバッテリーどちらも充電しておきたい」ときにほんとにありがたい。ちなみにバッテリー自体への充電は、内蔵ケーブルでもUSB-C端子でもどちらも受け付けました。
これは一体型の宿命ですが、ケーブルは23cm。うん、短い。

バッテリーを遠くに置いてスマホを充電したいなんてときは、結局長めのケーブルを別で用意しなきゃいけません。この短さはネックかもしれないけど、ぼくはバッグやガジェットポーチの中で充電することが多いので、ケーブルがぐちゃぐちゃしない便利さの方がギリギリ勝ってくれてる。
これから選ぶべきは「燃えにくい」モバイルバッテリー

結局のところ、安全面以外で気に入ったのはまずデザイン。角張ったガンメタボディに、ストラップとして収まるUSB-Cケーブル。この手のモバイルバッテリーに対して今までデザインまで気にしたことはなかったんですけど、やっぱり見た目がいいってのも大事だなと思いますね。だって毎日持ち歩くものだし。
ところで、同じメイカーズから手のひらに収まる超小型充電器や、巻取りケーブル内蔵充電器も出ていて、いずれもPower Bankシリーズと同様のデザイン哲学。工業感ただよう無骨な佇まいが相変わらずささります。

今回紹介したPower Bank Model FTの価格は、10,000mAhモデルが5,790円、5,000mAhモデルが4,790円。
もっと手頃な価格で手に入るもの、充電速度が速いもの、本機のようにケーブル付きのものなど……モバイルバッテリーの長所はさまざまあれど、絶対に欠かすことのできないのは安全性。普段使っていて「こ、こいつは安全性が高いぞ…」と実感することはもちろんないですが、やはり日常の安心感が違います。
普段から出張や旅でバッテリーを持ち歩く機会が多い人、そしてケーブル忘れにうんざりしている人(ここにもひとり)。この見た目と薄さに惹かれたなら、約5,800円(セールではさらに安いよ)は十分検討できる価格じゃないでしょうか。

