日頃から文章入力する人は、まっさきにキーボードに投資するべき。Macレイアウトに対応した高品質なモデルだとHHKBやREALFORCEが有名ですが、僕はここ数年間Keychronキーボードを愛用してきました。
「無線カスタムキーボードの終着点。『Keychron Q1 Max』」でも書きましたが、中でも75%レイアウトのフラッグシップ、Q1 Maxを溺愛しております。
そして今回、そんなQシリーズから待望の新モデルが登場。その名も「Q1 Ultra」。

ファームウェアにZMKを採用し「ワイヤレスなのに8Kポーリングレート」「バッテリー660時間」というこれまで両立し得なかった性能を実現した注目モデルです。さらに従来のGateronからスイッチも刷新されているとのこと。
ありがたいことに代理店のコペックジャパンよりサンプルを一台送っていただいたので、手元のQ1 Maxとの違いを交えつつ使用感などを紹介していきます。
◼︎Keychron Q1 Ultra
Q1 Ultraは一般的なテンキーレスキーボード(80%)から、右部のナビゲーションキー(Page UpやHomeなど)をコンパクト化した75%レイアウトキーボードです。

コンパクトながらも、ファンクションキー(F1~F12)が独立して配置されており、基本的な使用感は80%とほとんど変わりません。
Qシリーズといえばこのフルメタルボディ。

フラッグシップというだけあり、他モデルと比べても重厚感的なものは別格です。なお、今回はホワイトモデルを使用していますが、ブラックモデルも選択できます。
従来のQ1 Maxと比較してみましたが、キーキャップの配色が若干変わったことを除いて筐体デザインは瓜二つ。公式を確認したところサイズ、重量いずれも同じとのことです。

天面には有線/無線、Win/Macの切り替えスイッチ、USB-C端子を備えます。もちろん技適認証済みなので、無線使用もOK。

左上部にはKeychronお馴染みのロータリーエンコーダーノブ。

僕はテキスト編集用途が主なので、右回転にページダウン、左回転にページアップ、押し込みに上書き保存を割り当ててます(デフォルトはボリューム調整)。
基本的には従来のQ1シリーズの系譜を引き継いでいますが、筐体周りで大きく変わったのがキースイッチ。新開発の「Silk POMスイッチ」を採用しています。

従来のGateronスイッチも十分打ち心地が良いんですが、潤滑性に優れるポリアセタール素材を使うことでさらに滑らかな打鍵感を実現したのだそう。後述しますが、これ長時間の文章入力で地味に効いてくるというか、明確に指疲れしにくいアップデートです。
軸は従来といっしょです。赤軸(45 ± 15 gf)・茶軸(55 ± 15 gf)・バナナ軸(57 ± 15 gf)の3種類から選べます。ちなみに今回はバナナ軸を送っていただきました。

ホットスワップにも対応しているので、特別な知識がなくても付属のキープラーを使って簡単に色々なスイッチを試すことができます(Gateron、Cherry、Kailhなど市場に出回っているほぼすべてのスイッチと互換性あり)。
キーキャップは、テカリや黄ばみに強いダブルショットPBT(US=KSA、JIS=OSA)を採用。

好みだと思いますが、Keychronのこの角を取った丸っこいキートップの見た目と感触、個人的にめちゃくちゃ好きです。
実際に使ってみる

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすい75%レイアウト、フルアルミ×ダブルガスケット、そしてこの見た目ということで、今作も間違いなく一軍キーボードです。
僕はQ1 Maxの打鍵感に満足していたので、Silk POMスイッチ、多層レイヤーからアコースティックフォームで、感触がどう変わるのか内心ドキドキしてたんですが、まず想像以上に良かったのが疲れにくさ。
長時間文章入力したときの指の負担が明らかに減りました。

底打ち感がしっかりとあるQ1 Maxに対して、Q1 Ultraはよりブレが少なく、とにかく滑らかな感触でスラスラと文字入力が進むのが心地良い。
鍵盤を叩いてるような感覚、とまでいうとちょっとオーバーですけど、軽快で流れるようにタイピングできる感触はたしかにやみつき感あります。。
かといって軽すぎるわけではなく程よい反発があり、Q1 Maxの爽快感も損なわれていない。それなら、疲れにくいQ1 Ultraに乗り換えようって気がしてきますね。それこそ僕みたいにテキスト入力が主な用途ならQ1 Ultraはかなり良い選択だと思います。

打鍵音はそこまで大きく変わらない印象ですが、高めにコトコトと響くQ1 Maxに対して、Q1 Ultraは気持ち落ち着いた打鍵音といった感じ。これは好み次第ですが、僕はどちらかというと低めのポコポコ寄りが好きなのでUltra派です。
それからキー周りで嬉しい改善点が、Q1 Maxのレビュー時にもデメリットとして挙げた、スペースキーのスタビライザーの“カシャカシャ音問題”が解消されている点。

スペースキー本来の大きい底打ち音と合わさって文字変換するたびにそこそこ大きい音がなるのがプチストレスだったんですが、スイッチの刷新に合わせてスタビライザーも再設計されたとのことで、唯一これだけはなーという部分もしっかり改善されています。
大きな変更点がもう一つ。注意点ってほどじゃないですが、ファームウェアが従来のQMK/VIAではなくZMKに変わったため、リマップやマクロ設定は「Keychron Launcher」という専用のWEBドライバーから行う必要があります。

できることや操作の流れはVIAと変わらないので特に心配はないんですが、UIが変わるので普段からVIAをさわっている人は最初だけ多少慣れが必要です。

ここにきてなぜファームウェアが変わったのかってことですが、理由は今作の「バッテリーの持続性」と「接続の安定性」に重きを置いた設計にあります。
省電力性能と無線接続の安定性に優れるZMKを採用することで、「ワイヤレスなのに8Kポーリングレート」「バッテリー660時間」という、これまで両立し得なかった性能を実現。

海外のレビューで1日8hの営業時間ベースで80日以上持った(バックライトはオフ状態)というのを見ましたが、実際にバックライトをつけた状態で1ヶ月間ヘビーに使い込んでも、電池切れしていません。すばらしい。
Q1 Maxは同じ環境で2週間弱しか持たないので、バッテリー持ちは飛躍的に良くなってます。
見た目、打鍵感、機能性どこをとっても完成度の高いQ1 Ultraですが、強いて弱点をあげるなら、角度がつけられないことでしょうか。

Qシリーズに共通することですが、大半のキーボードに付いているような段階式のチルトレッグがないため、固定の傾斜角(5.2°)で使用することになります。
個人的には一段階でも高さを変えられたら嬉しいんですが、Q1 Ultraの重量が1.7kgなので仕方ないですね。フルメタルボディの重厚感とのトレードオフです。
1.7kgというとおおよそノートPC2個分の重さですが、おかげで多少雑にタイピングしてもピクリとも動きません。そもそも持ち出し用途に設計されていないでしょうし、自宅やオフィスで据え置きで使う分にはむしろこの重さ自体は利点になります。
Keychron Q1 Ultraレビューまとめ

こういった周辺機器はプロダクトのライフサイクルが短いなか、Q1 Ultraは長く愛用できる優秀なツールです。39,930円と高級キーボードの部類にはなりますが、キータッチや配列にしっくりくるようであれば、投資する価値は間違いなくアリ、な逸品だと思います。
既にQ1 Maxを気に入って使っていて、特にバッテリーや接続に困ってないなら乗り換える必要性は正直そこまで・・って感じですが、かねてからQシリーズが気になっていたという人なら絶好の試し時じゃないでしょうか。
JIS配列、US配列ともに、すでに日本国内で購入できるようになっていますので、もし気になったらぜひチェックしてみてください。


