ついついスマホを手に取って、気づけば数時間が過ぎている。そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。
僕自身、仕事でもプライベートでも画面を見続ける生活の中で、目の疲れや集中力の散漫さに悩んでいました。情報を遮断したいけれど、完全にオフにするのは不安。
そんなジレンマを解消してくれるかもしれない、スマホのようなサイズ感のカラー電子ペーパー端末「BOOX Palma 2 Pro」。
電子ペーパー、いわゆる「E Inkディスプレイ」を採用し、紙のような質感で目に優しく、それでいてAndroidを搭載しているため必要なアプリは動かせる。「便利さは捨てたくないけれど、画面に支配されたくない」という願いを叶えてくれるガジェットです。
実際にBOOX Palma 2 Proを使い始めて2週間経ったので、この「スマホ型電子書籍リーダー」によってデジタルライフがどう変わったのか。正直にレビューしていきます。
BOOX Palma 2 Proの外観
こちらがPalma 2 Pro本体。サイズは80(幅)×159(高さ)×8.8(奥行き)mmで、重量は175g。

iPhone 17 Proと比べると一回り大きいくらいのサイズ感。最近の6インチ台スマートフォンと比べるとベゼルがやや太めで全体的に大きく見えますが、重量は一般的なスマートフォンより軽く、持ち歩いていても負担にはなりません。
ディスプレイは、E Ink社のKaleido 3と呼ばれるパネルで、カラー電子ペーパー搭載タブレットのほとんどが採用しているものと同じものです。アンチグレア処理が施されており、写り込みはほとんどありません。また、フロントライトをアンバー色にすることで目への刺激を減らすことができます。

背面は、樹脂でありながら凹凸のある独特なテクスチャで、まるで和紙のような質感。滑りにくく指紋が目立ちにくい仕上げになっています。

底面に充電用のUSB Type-C端子と、microSD カード (最大2TB) を挿入する場所としても機能するnano SIMカードスロットをそなえています。なお、Palma 2 Proは物理SIMのみ対応であり、eSIMには対応していません。

ストレージ容量は128GB。Kindle Scribe Colorsoftの内部ストレージ(32GBや64GB)をはるかに上回っているので書籍のダウンロードにおいてまず困ることはないでしょう。
左側の「スマートボタン」は最新のiPhoneのアクションボタンとほぼ同じで、さまざまな機能をカスタマイズできます。ちなみに私は1回押しでページを更新し、2回押しで「FreeMark」機能を有効にし、本やコミックにメモを書き込めるように設定しています。

片手で持って操作できるサイズ感は、電車の中で吊り革を持ちながらでも使いやすい。過去に使っていたBOOX Go Color 7は7インチで、ジャケットのポケットにも入れづらかったのが、Palma 2 Proは自然に持ち運べるのが良いですね。読書端末は持ち出せなければ意味がないわけで、このサイズ感は大きな強みです。

読書体験は至高、カラーマーカーが便利
モノクロ表示時は300ppi、カラー表示時は150ppiの解像度になるPalma 2 Pro。文字主体の電子書籍を読む分には、解像感の低さなどはまったく気になりません。Kindleアプリで文字サイズを最小にしても、文字のにじみやかすれは感じないですね。このサイズ感と鮮明さのバランスたまりません…。

ページめくりの速度は、体感でiPhone 17 Proの1.5倍ほど遅いかなといった感じ。電子ペーパー特有の画面書き換え処理が走るためですが、設定から「高速更新」モードに切り替えるとiPhoneと同等の速度になる一方で、表示がやや濃くなるというのがトレードオフ。
Kindleアプリで4色のカラーマーカーが使えるのは非常に便利で、重要度や分野ごとに色分けしてマーキングでき、後から復習したいときもこの機能が一役買ってくれます。

またPalma 2 Proには、アプリごとにリフレッシュモード、カラー設定、コントラストなどを調整できる「EInk Wise」という機能が搭載されています。
カラーコミックを一番鮮明な画像で読みたい場合は、EInk Wiseメニューから画面の更新速度と色の鮮明さを設定する必要があるかと思います。

ディスプレイが縦方向に長いため、1ページ表示では上下に余白ができます。横向きにすれば見開き表示も可能ですが、これだとセリフがかすれて読みづらくなります。カラーコミックの表示品質はGo Color 7と同等で、マゼンタ系の鮮やかさがやや鈍い点は気になるところですが、実用上で大きな不足はありません。
それからこれはカラー電子ペーパー自体の特性ですが、見る角度によって結構色味が変わります。正面からだとコントラストがくっきり、斜めからだとややブルーがかった淡い色味になります。手に持って読む時と机に置いて読む時とで雰囲気が変わるのは、紙の本の読書体験に近いものがありますね。
一方、雑誌アプリを動かすのは少々厳しいです。細かい文字が潰れてしまい、ピンチアウトしないとほぼ読めません。そもそも画面が小さすぎるうえに、カラー表示時の解像度低下が特に影響してしまうジャンルですね。

なおこのデバイスはAndroidを使用しているため、Kindleはじめ、Hoopla、ReadEra、Libby、Crunchyroll Mangaなどの複数のアプリを簡単に動作させ、慣れ親しんだソースからサクサク書籍をダウンロードすることができました。

操作体系は少し特殊で、Android標準のジェスチャーナビゲーションにBOOX独自のカスタマイズが加えられています。画面下端からのスワイプは左・中央・右で異なる機能が割り当てられており、右下からスワイプすると電子ペーパーの表示設定を呼び出す「E-Inkセンター」が開きます。画面左端を上下にスワイプするとボリューム調整など、一般的なAndroidスマホとは操作感が異なるのでAndroidユーザーは多少の慣れは必要かもしれません。
スタイラスペンの書き心地は良好。しかし?
別売になりますがスタイラスペン「BOOX InkSense Plusスタイラスペン(7,800円)」を用いた入力にも対応するPalma 2 Pro。書き心地は自然で、ペン先の追従に遅延は感じずスムーズに筆記できます。

それこそ「今すぐメモを取りたい」というシーンではスマホのメモアプリと大きな差は感じません。強いて言えばスタイラスペンを本体に固定して持ち運ぶ方法がないため、常にポケットに入れておく必要があるのが難点。
また、同じく別売りのマグネット式2-in-1保護ケースを装着すると手帳のように本体を保護できますが、重量は合わせて268gになります。スタイラスペンを一緒に持ち運ぼうとすると収まりが悪く、ケースに挟む場所もない。一応ケース外側にマグネットでくっつきますが、ポケットの中でペンが緩んでしまうのを防ぐことはできません。スタイラスペンの携帯方法は課題として残るなと感じました。

余談ですが、自分で撮影した写真に書き込みができたら面白そう!と思って試してみたところ、残念ながらセンサーのサイズが限られておりE Inkスクリーンでは文字が判読できませんでした。
スタイラスペンは、大人の手にも快適にフィットする厚みがあり、ペアリングもスムーズ。しかし書類を参照する際に、ページを次々とスクロールするのは面倒。プリインストールされているメモアプリは、複数の色を使ってちょっとした考えを書き留めるには十分ですが、必要最低限の機能しかそなえていません。Androidでお気に入りのメモアプリがある場合は、まずそちらを選ぶことをおすすめします。
オフラインなら超省電力
Palma 2 Proは外出先での読書には十分なバッテリー容量をそなえています。インターネット接続なしで、往復40分程度の移動中に読書をした場合、5日間充電なしで持ちました。

ただし、5G接続時を含め、スマートフォンのように使う頻度が増えると、3,950mAhのバッテリーでは持ちが悪くなります。5G通信をオンにした状態で1日使ってみたところ、朝7時半から夕方5時半までの約10時間で、バッテリーは35%まで減りました。内訳はXを15分ほど、Kindleで1時間、オンラインのマンガアプリで約2時間利用。1日は余裕で持ちますが、通信オンで数日充電せずに使うというのは厳しいですね。

気になったのはバックグラウンド再生時。Voicyで音声を聞こうとしたろころ、数分で強制停止されてしまいました。再生し直しても全く同じ挙動。電子ペーパー端末は省電力のためにバックグラウンド処理を積極的に切る設計なのでしょうけど、ながら聴きには向きません。
「隙間時間の読書」を徹底的に効率化したい人へ

携帯型電子書籍リーダーとして優秀なBOOX Palma 2 Pro。この端末があるとどこでも気軽にKindleを開こうという気分になります。スマホで読書しようとすると通知やSNSに気を取られがちですが、Palma 2 Proなら読書に集中できる。
約7万円という価格は、サブで使う端末に財布から出せる金額と考えると高級品には違いありません。Go Color 7との差額2万円の価値は、モバイル通信とGPS、スタイラス対応にあります。Wi-Fiのない環境でもスマホライクに扱える点はGo Color 7にはない大きな強みです。
一言で言えば「スマホと電子ペーパーそれぞれの有用性を、究極のバランスで両立させたい人」にこれ以上ない選択肢になる一台。
私自身SNSやゲームから距離を置いて読書に集中する時間は確実に増えましたし、通話もLINEも使えてしまうので、結局のところ「画面が見づらいスマホ」として日常に溶け込むのです。見づらいからこそダラダラ見続けることがない。その絶妙な不便さが、デジタルデトックスには効果的だと感じました。
なるべくスマホ断ちしたいけど完全に不便になるのは困る人、「隙間時間の読書」を徹底的に効率化したい人は、BOOX Palma 2 Proを検討してみてはいかがでしょうか。




