今や「お洒落家電メーカー」として根強い人気を誇るバルミューダですが、脚光を浴びるキッカケとなったのは、やはり2010年に発表した世界初のDCモーター搭載扇風機「The GreenFan(ザ・グリーンファン)」でしょう。
2つの羽で扇風機特有の“渦巻く風”を打ち消し合いつつ、低回転のDCモーターで“自然のそよ風”に近い柔らかな風を実現するThe GreenFan。
より大きな面で移動する空気流を作り出すグリーンファンテクノロジーの採用で、なんと従来の扇風機の約4倍に広がる風を体感できるのだそう。
実はロピログ、とあるイベント参加のご縁から同社アンバサダーに任命いただいており、新型の発売に先駆けて1ヶ月ほどお試しさせていただきました。
というわけで本記事では、The GreenFanがどんな感じで使うことができるのか、使用してわかったメリット、購入にあたっての注意点など、実機を使ってレポートていきます。
自然界の風を再現する扇風機『The GreenFan』
バルミューダが2023年4月6日に販売開始した扇風機「The GreenFan(ザ・グリーンファン) EGF-1800」。主なスペックは以下のとおりです。
製品名 | The GreenFan EGF-1800 |
---|---|
モーター | DCモーター |
切タイマー | 1・2・3・4時間 |
風量調整 | 4段階 |
自動首振り | 左右それぞれ最大75° |
手動角度調節 | 左右それぞれ75° /上向きに19° /下向きに11° |
サイズ | 幅 330mm × 奥行き 320mm × 高さ 871mm(通常時)/ 497mm(ショートサイズ) |
重量 | 約4.1kg |
1日の電気代目安 | 0.4円(風量1で1日8時間使用の場合) |
コードレス運用 | 別売バッテリー併用で可 |
メーカー保証 | 2年(公式サイト購入の場合3年) |
The GreenFanの主な特徴
- 省エネ・静音なDCモーター
- 15m先まで風を届ける二層ファン
- グッドデザイン賞受賞の洗練された筐体
- 別売バッテリーでコードレス運用可能
- 今モデルからアダプターが黒一色に
- 2年のメーカー保証(公式サイト購入で+1年)
- 価格:39,600円(税込)
カラーは「ホワイト×ブラック」「ホワイト×グレー」「ダークグレー×ブラック」に、バルミューダオンラインストア・ブランドショップなど販路限定の「ホワイト×シャンパンゴールド」を加えた全4色展開。
というわけで、さっそく実機を使ってThe GreenFanの外観や機能面、使用感などチェックしていきましょう。ちなみに今回は「ホワイト×グレー」を使用例に紹介します。
同梱物と外観
まずは付属品。
箱の中身
- The GreenFan本体
- リモコン
- ACアダプター
- 取扱説明書
リモコンから、風量調整、首振りのオンオフ、タイマー設定とすべての操作が可能です。
また、マイナーアップデートとして白×黒だったACアダプターが今回から黒に統一されています。
無駄な装飾がなくシンプルを極めるThe GreenFan本体。
ガード中央には、BALMUDAのロゴが箔押しっぽく刻印されています。
本体背面には、GreenFan(グリーンファン)のロゴ。
本体上部には各操作ボタン(上から電源オンオフ、風量調整、首振り、タイマー)。
電源を入れると台座のLEDランプが緑色に点灯。風量(4段階)やタイマーの残時間(1・2・3・4時間)も、このランプの点灯数で確認できます。
また、中間ポールを外すことでロースタイル運用も。
それぞれ使い分けることでフロア、卓上と2WAY使いできるので、サーキュレーター感覚で季節問わず活躍してくれそう。
また、工具レスで簡単にパーツを分解でき、まるっと水洗いもできます。使っているうちにすぐにホコリが溜まる扇風機ですが、日々のお手入れが気楽にできるのもThe GreenFanの特徴です。
1ヶ月ほどリビング・寝室で使ってみて
とにかく静音、そして心地良い風
2枚の羽で扇風機特有の“渦巻く風”を打ち消し合いつつ、低回転のDCモーターでより静音かつ、自然風に近い風を作り出すThe GreenFan。
実際に使ってみた感想は「期待どおりの静かさ」。風量は4段階で調整でき、どの強さで運転しても「風量のわりに非常に静か」という印象です。
風量1~2で動かした時の動作音は20dbにも満たない(木の葉が触れ合う程度)ので、体感値は“静か”というより“ほぼ無音”と言ってしまえるレベル。
これからの季節は3〜4くらいの風量が欲しい(特にお風呂上がり)ところですが、強度MAXで運転したときの動作音を測ったところ、48〜52dBほどでした。
風量最大だとさすがに静音と言うには無理がある回転音ですが、それでもテレビの音や会話の妨げになる音ってわけではなく、やはり風量に対しての静音性という意味ではちょっと桁違いですね・・。
もう一つのThe GreenFanの特徴が、独自の二層ファンからなる“風の感触”。
「自然のそよ風と同じ、大きな面で移動する空気の流れを再現」とある通り、風というより空気そのものの流れがちゃんと感じられるんですよね。室内に籠る熱がスーッと抜けていくようなあの感覚。
2〜3mほど離れた位置で運転すると、それこそ窓から自然に入ってくる風に近い感触があります。一般的な扇風機のいかにも人工的な風って長時間浴びてるとどうしても疲れるんですが、The GreenFanの風は夜通し浴びても起きたときのダルさが全くないことに感動しました。
首振り間隔まで自由自在に調整可能
The GreenFanのもう一つの大きな特徴、それは自動首振りの角度を自在に調整できること。
どういうことかというと、首振り時のヘッドの位置を左右で「A点」「B点」と設定し、その範囲に限定して首振り運転ができるんです。
この機能のおかげで、“送風したいエリアにだけ”より効率的に風を送ることができます。ここは従来の扇風機と比べて大きな付加価値になっている部分。てことは「右は少しだけ振って、左へ大きめに振る」みたいな使い方もできるんじゃ…?と思って試してみたところ、さも当然のように出来てちょっと興奮しました(笑)
で、首振り中に電源オフボタンを押すと、なんと礼儀正しく正面を向いて止まってくれます。停止中は常にニュートラルポジションで鎮座してくれるのがなんとも気分が良いのです(電源を抜かずに再度オンにした場合、同じ角度で運転を再開)。
首振りの範囲は、最大左右75度ずつ150度の範囲で調整できます(初期設定は左右40度ずつで80度)。上下の角度は上へ19度、下へ11度、無段階で調整可能。
一度体感すると戻れなくなる“ポータブル運用”
別売アクセサリーになりますが、純正バッテリーキット「Battery&Dock」を組み合わせることで、ケーブルレスにも対応するThe GreenFan。
今回初めて扇風機のコードレス運用を体験しましたが、寝室、窓際、洗面所…コンセントにとらわれず部屋中移動できるのってもう革命的に快適。持ち運ぶハードルが格段に下がったので、バッテリーキット導入前に比べて稼働率もグッと上がりました。
バッテリーの稼働時間は、最大20時間。旧モデルのEGF-1600は風量レベル3までしかバッテリー駆動できない仕様でしたが、EGF-1700以降は風量最大でのバッテリー駆動に対応。
The GreenFanの良さを最大限活かすために必須のアクセサリーともいえるBattery&Dockですが、気になるポイントもあります。それは、充電ドックの使用感。
ドックの上に台座を乗せるだけなので充電自体は超簡単なのですが、AppleのMagSafeみたいにマグネットが仕込まれているわけではないので、ピンポイントでドックに乗せるのに少しコツが必要。
充電開始時も小さく「ピッ」と電子音がなるだけなので、何か物理的に「カチッ」と感触がわかる工夫があると尚良かったなと感じました。もちろん使ってると幾分は慣れていくんだと思いますが。
唯一の弱点は「運転時」の高さ調整
ここまでThe GreenFanの良さについて語ってきましたが、ひとつだけ弱点をあげるなら「運転中に高さ調整ができない」こと。
そもそもThe GreenFanの高さ調整は、ハイスタイルとロースタイルの2段階しかなく、それぞれ中間ポールの着脱でシーン毎に使い分けるといった設計になっています。
つまり、使用中は当然高さを微調整する云々はできませんし、上記スタイルを切り替える際もわざわざクローゼットから中間ポールを取り出して付け外す、といった手間が発生します。
上下首振りの可動域が広いため使用上そこまで困ることはないですが、こまめに高さ調整したいよって人は一般的な扇風機と使用感が異なる点だけご注意ください。
美意識と付加機能が詰まった扇風機「The GreenFan」
特別な所有感を満たしてくれる佇まいの美しさ、風の心地よさ、DCモーターの静音性、さらにはケーブルレス運用と、どの部分にスポットを当ててみても非常に満足度の高いThe GreenFan。
Battery&Dock込みで約5万円と価格はそれなりに高価になりますが、”唯一無二な体験価値”がしっかり詰まった扇風機なのでぜひ実機に触れてみてほしいです。
- 省エネ・静音なDCモーター
- 15m先まで風を届ける二層ファン
- 自動首振りの幅調整可能
- グッドデザイン賞受賞の洗練された筐体
- 別売バッテリーでコードレス運用可能