“破格”の折りたたみスマホ『nubia Fold』が出色の完成度だった。

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ポケットにも収まるスマホのコンパクトさと、ちょっとしたタブレットのような大画面を両立させたのが、横開きのフォルダブルスマホ。

日本では、サムスンの「Galaxy Z Fold」シリーズや、Googleの「Pixel Fold」シリーズがお馴染みですが、いずれも価格25万円を超えており、それゆえ「興味はあれど、なかなか購入に踏み切れない」という人も多いはず。

そんな中、nubiaから登場したブランド初の折りたたみスマートフォン「nubia Fold」は、20万円以下と明確に“安い”価格で日本市場に登場。

8型の大画面ディスプレイに、Snapdragon 8 Elite、6,550mAhの大容量バッテリー、さらにはおサイフケータイに対応と、フラッグシップ級の要素をしっかり押さえた一台。今回は、評価機材で検証できる機会に恵まれたので、使用感などレビューしていきます。

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nubia Foldの外観

nubia Foldは、カバーディスプレイ(外側)に約6.5型、解像度2748×1172ピクセルの有機ELを採用。開くと約8.0型 2480×2200ピクセルの大画面になります。

カバーディスプレイは約6.5型。普通のスマホとして使いやすいサイズ感

本体サイズは、開いた状態で約 144mm × 160mm × 5.4mm。閉じた状態で約 73mm × 160mm × 11.1mm。「Galaxy Z Fold 7」とほぼ同等のサイズ感で、極端に厚いとか大きい、という印象はありません。

重量は249g。「Galaxy Z Fold 7」と「Pixel 10 Pro Fold」の中間程度の重さです。

Galaxy Z Foldシリーズと比べると2年前のモデルの重量と同等ということになりますが、その分価格は安いのでこの重量は許容できる範囲かなと思います。

全体的に丸みを帯びており、ソフトな印象の筐体。側面のエッジ部分に丸みがあることで、閉じた状態でも指をかけやすく、スムーズに開閉できます。Galaxy Z Foldは引っ掛かりがない分やや開きにくさを感じるので、この部分はnubia Foldの優位点かなと思います。

流れるような流線型の形状に、カメラモジュールには鏡面仕上げのパーツを採用する本体。デザインは好みが分かれる部分かと思いますが、レッドのアクセントカラーなど個人的にはものすごくカッコイイと思います。

フォルダブルの要とも言えるヒンジですが、GalaxyやPixelと比べるとやや跳ね返りを感じるというか、グニャっと曲がるような挙動でややクセがあります。言葉で表現するのがちょっと難しいのですが、特定の場所に安定して固定しづらい感触。

ヒンジの開閉はスムーズだがやや「戻し」がある

ヒンジをギアレスにして高い防塵性能をそなえたPixel 10 Pro Foldのような目玉となる特徴もなく、この部分はコストとトレードオフな感じですね。とはいえそれらの先行機より6万円安価で手に入るわけですから、そこばかり注目するのは野暮というものでしょう。

折り目は、見る角度と光の角度によっては目立ちますが、正面から見る分にはほとんど気になりません。

本体をL字に開いたときに、カメラアプリは上下で表示が分割されるフレックスモードに対応。本体を机の上に置いて写真を撮るときなどに便利な機能です。

“三脚不要で写真撮影”できる点は折りたたみの利点

正方形8インチの大画面で分割表示も可能

まず折りたたみスマートフォンの最大の特徴ですが、一般的なスマートフォンの倍のサイズでコンテンツを表示できること。

ゲームをする場合には縦方向に狭さを感じていたフィールドも折りたたみスマートフォンなら制限を感じず表示できますし、普段使うブラウザやSNSアプリも広い画面を有効活用できます。

個人的には、漫画や雑誌が見開きで表示できるというのがやっぱり最高ですよね。見開きで単一になっているようなページも1画面上で難なく表示できます。これは普通のスマートフォンではできませんよね。もちろんタブレットでもいいのですが、隙間時間にいつでもポケットから出せる機動力は折りたたみスマートフォンならでは。

もちろん2つのアプリの同時表示にも対応します。ゲームをしながらSNSを見る、ブラウジングしながらマップを見る、などなど複数の動作を同時におこなうことができます。

アプリの幅は1/3 + 2/3サイズにもできるので、メインコンテンツは広く、サブ情報は狭く、といった表示も柔軟にできます。

Galaxy Foldのような3画面分割には対応していないのですが、その代わりにポップアップでフローティングウインドウを追加していけるので、「2分割画面 + フローティングウインドウ」という形で擬似的に3つのアプリを同時表示することはできます(Google Photo、Lightroomなど一部フローティングウインドウ表示非対応アプリもある)。

フローティングウインドウは個別でサイズ調整もできるので、先行機の3画面分割と比べても使い勝手はそこまで悪いとは感じないですね。

メイン画面のパンチホールカメラが隅に配置されていることや、有機ELかつ最大120Hzのリフレッシュレートに対応していることもありコンテンツ視聴はすこぶる快適。

横開きフォルダブルに欠かせないカスタマイズもしっかり施されているnubia Fold。テント状態になっている際に外側ディスプレイを自動で使う「インテリジェント外画面表示」や、半開きの状態でトラックパッド操作が可能な「ノートPCスタイル」など、大画面を余すことなく有効活用できます。

他社では見たことがない外側のディスプレイ表示にも対応

群を抜くバッテリー性能

nubia Foldの優位性の一つが、6560mAhのバッテリー。Galaxy Z Fold 7の4400mAhやPixel 10 Pro Foldの5015mAhと比較しても、かなりの大容量です。

急速充電も55Wに対応しているので、USB Type-C PD-PPS対応の急速充電器を使用すると、約70分で満充電可能。ワイヤレス充電には非対応ですが、一本ケーブルを挿して1時間ちょっとでカラの状態からフル充電できてしまうのですから、実用上で不便さは全く感じないですね。

動作時間については、公式スペックに記載はありませんが、PCMark for Androidのベンチマークテスト結果は9時間29分。これならSNSやメール、ブラウザ、動画視聴など、一般的な使い方であれば1日は十分に持つ容量です。

アウトカメラは2眼+マクロ、望遠カメラは非搭載

アウトカメラは、広角5000万画素+超広角5000万画素+マクロ500万画素という3眼で構成されるnubia Fold。インカメラは、カバーディスプレイ側、メインディスプレイ側ともに2000万画素という構成。

望遠カメラがないのは物足りないものの、全体的な画質は悪くありません。気になるのは超広角カメラで、曇り空や室内など暗めの環境では同じ5000万画素の広角カメラより少し画質が劣ります。センサーの違いだと思いますが、基本は広角カメラを主軸に、どうしてもワイド撮影が必要なシーンだけ超広角で対応、という使い方がよいかもしれません。

ハイエンド機種としては控えめのカメラハードウェアというのは否めませんが、画質や機能といった面ではそこまで悪いものではありません。カメラ性能に強いこだわりがある方以外であれば、大抵のシーンで満足できると思います。

ただし、メインカメラは5000万画素の切り出しができないのか、ワンタッチで2倍に切り替えできない(UI上の「1X」をタップすると「1.4X」に切り替わる)仕様です。遠い場所から影が写らないよう、テーブルの上のモノや料理を撮影する際などやや使いにくいと感じました。5000万画素の広角カメラを搭載しているのであれば、素直に2倍に切り出せると言うことなかったんですけどね。

ワンタッチで切り替えられるのは1.4倍まで。

20万円以下で買える折りたたみスマホ。「割り切り」で選ぶ最適解

カメラ性能やUI/UXの完成度で引けを取るとはいえ、Snapdragon 8 Eliteプロセッサ、大容量バッテリー、8インチクラスの大画面という横開きフォルダブルに求められる機能を卒なく満たすnubia Fold。

加えてIP54の防水、防塵に対応しているので普段使いには問題ないレベルですし、キャリア向けスマホらしくFeliCa対応、eSIM対応もうれしい。

かつての、Galaxy Foldよりも画面が大きく、カメラ性能が良く、バッテリー容量が大きくて充電速度が早い。そして何よりも「安い」といった要素をしっかり兼ね備える一台です。

ワイモバイルチャネル専売で価格は198,000円(執筆時)の設定。もちろんこの価格でこの性能が手に入る折りたたみスマートフォンはほかに選択肢がないので、ニッチなユーザー向けだった市場もnubia Foldの登場でユーザー層を大きく広げそうです。それこそ初めての折りたたみスマホとしてコストを抑えて導入したい人にとって、これ以上ない有力な選択肢になるのではないでしょうか。

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