先日『オンオフ兼用バッグの最適解。Able Carryの無重力バッグ「Max EDC」レビュー』でも記事にしましたが、以前から愛用している“無重力バッグ”ことAble Carryのバックパック。
なんと今回フラッグシップの位置付けになる大容量モデル「Max Backpack」が2025年バージョンに進化したとのことで、メーカーさんが送ってくださりさっそく使ってみています。
というわけで今回は、そんな新しくなったMax Backpackをレビューしていきます。「大容量、だけど疲れない。」そんなオンオフ兼用リュックを探している方は必見ですよ。
寛容な収納力を感じさせないミニマルボディ
まずAble Carryのバックパック全般にいえることですが、背負ったときのシルエットがとにかく美しいんですよね。「30L(拡張時32L)」と寛容な収納力であるこちらの新作Max Backpackも、一見その容量を感じさせないスタイリッシュな造形が特徴です。


メーカーロゴや目立つ装飾のない、シンプルを極めたデザインもまた歴代シリーズから継承しています。
耐久性に優れる「X-Pacモデル」と、より軽量で着用感の軽い「Cordura Ripstop」の2種類の展開があり、今回はより丈夫なX-Pacモデルを送っていただきました。

ダイヤ状の格子模様が特徴的なX-PAC、登山やハイキング用のザックなどでよく用いられる堅牢素材です。多層構造になるので“10kg超え”みたいな極端に重たい物の持ち歩きには向きませんが、従来のナイロン生地に比べて、耐久性・防水性・軽量性いずれも優れます。Max Backpackはその上にさらにDWR加工が施されてるので、雨の日の撥水性も大丈夫。
2、3泊分の荷物の収納が想定された大容量モデルなので、こうして机にボンと置いて見るとそれなりに存在感ありますが、H52×W32×D22→26 cmということで30Lクラスのごく標準的なサイズ感といった感じ。

ちなみに重量に関しては定番モデルのDaily Plusが「1210g」のに対して、Max Backpackは「1870g」となかなかの重量級。まあ10リットルもの容量差があるので、+ペットボトル1本分くらいの重さがトレードオフといった感じですね。
各オーガナイザーがアップデート
そんなMax Backpackの最大の特徴は、バックパック内の収納が前面と背面でそれぞれ独立し、仕事とプライベート、つまり「ON・OFF」で収納を区分できる点でしょう。
まず、メインポケット(前面)の「OFFゾーン」は最大25Lの大容量。見た目以上にしっかりマチが確保されていて、2泊3日の衣類、一眼カメラ、旅先で持ち歩くショートバッグ、細々した電子機器をまとめたガジェットポーチ、洗面グッズなど収納しても、まだゆとりがあります。

メインポケット内は小物用のオーガナイザーが充実しているほか、内タイプのボトルポケットも。加えて、開口部は90%までガバッと開くクラムシェルタイプなので、パッキング時や使用中のアイテムの出し入れも非常にしやすいです。
また、今モデルから30L→32Lに拡張できるようになったのも重大トピック。2Lというスペックだけをみると大した差がないように感じるかもしれませんが、機内持ち込みの制約上や、着用感を損なわずにパッキングの自由度を高められることからも、この「2L」が実は絶妙な拡張幅なんですよね。

そして背面の「ONゾーン」には、さまざまな仕事道具が収納できます。17インチのラップトップの収納を想定したゆとり充分のPCスロットにくわえて、タブレットや筆記具の収納のために間仕切りされた伸縮ポケット。

PC・タブレットポケットともクッション性も十分あり、内側生地も柔らかい素材なのでガサッと雑に放り込んでも安心。ラップトップとタブレットをそれぞれ干渉させずに裸のまま持ち出せるのというのは、二台持ちユーザーにとっては使いやすいことこの上ないですよね
また、PCスロット対面のオーガナイザーも刷新され、より丈夫かつ広くとられています。前モデルではひとつひとつのポケット自体の幅が狭すぎるあまり持て余していた部分なのですが、ここに大きめのモバイルバッテリーやワイヤレスイヤホン、充電器、SSDなど…出番の多い細々したガジェットを一元管理できるようになったのがありがたい。個人的に一番うれしいアップデート。

そして、背負ったままアクセスできる便利なサイド(前面)ポケット。

ここは頻繁に出し入れするmont-bellの極薄財布とiPad miniの定位置になっています。旅行の際は、Kindleタブレットなど機内で暇つぶしに使うアイテムや、モバイルバッテリー、パスポートなどの収納にも最適でしょう。
そして反対側には折り畳み傘を収納できるポケット。ここも伸縮生地かつ前モデルからサイズアップし、よりスムーズに傘を取り出すことができます。

たくさん入る。だけど疲れない。
Able Carryといえば肉厚のショルダーハーネスも特徴のひとつですが、最上位モデルのMax Backpackは中でもクッション性と反発性の高い幅広ハーネスを採用しています。ハーネス同士を繋ぐチェストベルトも手伝って、肩に重さを感じにくく非常に快適。

身体にかかる重量が分散するよう独自開発されたというA-Frame構造のため、物量にかかわらずビタっと吸い付くように背中にフィットするんですよ。歩いてる最中ほとんど横揺れしないので、丸一日PCやカメラを詰め込んで歩いた日の負担感もずいぶんと軽減しました。

約1週間使用した感想を一言で表すなら、着ているような背負い心地。Daily Backpack時代から“無重力バッグ”と形容される同シリーズですが、容量拡張と同時にクッション性、荷重分散ともにたしかなアップデートが感じらます。また、背面パッドは通気加工されているので、炎天下に重い荷物を背負った日でも背中が蒸れないというのが非常に快適です。

また、長期旅行時に便利なスーツケースに固定できる「リアストラップ」付きである点も大容量モデルのMax Backpackならでは。

横向きでの固定にはなってしまいすが、旅行中のバスや電車移動はこのリアストラップが本当に助かるんですよね。混んでいる時のバックパックは本当に邪魔になってしまうので…
やっぱりうれしい自立
X-PacのMax Backpackの良さがもうひとつ、それはバッグ単体で自立してくれること。

Able Carryのバックパックに共通してることですが、型くずれとは無縁といっていいくらいフレームが堅牢なんですよね。カラの状態であろうと荷物パンパンであろうとビシッと自立してくれます。公園のベンチに立てかけたり、カフェの椅子なんかに置いた時にへちゃっとならないのがうれしい。
ちなみに、軽量性に重きをおいたCordura Ripstopモデルは、収納する荷物で安定させないと自立がむずかしい設計なので、自立に重きを置くということならX-Pacモデルをおすすめします。
デイパックとスーツケースのいいとこ取り

日常で使うデイパックと大きなスーツケースを所持している人はきっと多いけれど、1〜2泊のちょっとした遠出でも使える(機内持ち込みできる)バックパックを持っている人は意外と少ないんじゃないでしょうか。
このMax Backpackは、相変わらず仕事でもプライベートでも使えるという絶妙なライン上にあり、拡張性・機動力の双方が絶妙なバランスに仕上がっているなあと。。
そうですね、あえて難点をあげるとしたら、価格。49,500円(Cordura Ripstopモデルは46,200円)と、財布からバックパックに出せる資金と考えると躊躇する金額ではあります。とはいえ、こうして実際に試してみると背負い心地はすばらしいですし、このバッグでしか味わえない体験価値を考えると個人的にはこの価格にも納得感がありますね。それこそ、この投資で少しでも体の負担が軽減されるのであれば、むしろ4万円は安い。と考えることも。
ON・OFFともに大荷物をスマートに持ち運ぶAble Carry Max Backpack。ひとつでデイユースからビジネスシーン、ショートトリップすべてまかなえる万能バックを探しているという方はぜひ検討してみてください。