映画館気分を味わいたいときにはプロジェクターの出番。
短焦点で高性能なモデルが増えたここ数年、一家に一台のエンタメデバイスとして一気に浸透した感がありますよね。かくいう我が家も、映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてプロジェクター一台で楽しんでいます。
中でも、シーリング型プロジェクターの草分け的存在、Aladdin Xからリリースされた話題の最新モデルが「Aladdin Marca Max」。
4K対応でありながら、壁際10cmちょっとの位置に設置して大画面投影ができる超短焦点プロジェクター。実際に3週間使用してみた感想、投影性能、音響面などレポートしていきます。
Aladdin Marca Maxの外観と基本性能
Aladdin Xから今年1月27日に発売された超短焦点プロジェクター「Aladdin Marca Max」。主な特徴は以下のとおりです。
- 解像度:4K UHD 3840×2160
- 光源:フルレーザー
- 輝度:2500 ANSI ルーメン
- 色域:DCI-P3 99%
- 推奨投影サイズ:90インチ〜150インチ
- 17.8cmの距離から約100インチ投影が可能な超短焦点
- Google TVスティックが購入特典で同梱
- 自動台形補正・オートフォーカス対応
- 価格 379,800円(執筆時Amazon価格)
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、電源ケーブル、リモコンと必要最小限。電源内蔵で巨大なACアダプタが付かないのは配線周りがスッキリして嬉しいですね。

本製品は独自のOS「Aladdin OS」を採用しており、単体だとNetflixやU-NEXTなどのアプリを起動できないのですが、Aladdin Marca Maxの購入特典としてGoogle TVのストリーミングデバイスが無料でもらえます。Netflixはもちろん4Kにも対応しているので、高画質でコンテンツを楽しむことができます。

こちらがAladdin Marca Max本体。ファブリック面から金属部分まで色、質感、すべて高級感が溢れていてカッコいい。ガジェット感より、インテリアとしての美しさを感じます。

ちなみにサイズは横510mm、奥行き270mm、高さ144mmで、例えるならホテルのまくらぐらいのサイズ感。横幅はあるものの、壁際などに据え置きする上では邪魔にならない程度のサイズにまとまっています。
天面中央のAladdinのロゴが入ってる部分がカバーになっていて、電源を入れると自動で開き真上に映像を投影する仕組みです。

スピーカーはHarman/Kardon製のもので、ツイーター20W×2・中低音20W×2の合計80W。(音質については後述)

背面には各種インターフェースがまとまっています。

- AC ×1
- USB Type-A 2.0 ×3
- HDMI(eARC) × 1
- HDMI ×2
- LAN x1
- 3.5mm AUDIO ×1
- OPTICAL ×1
接続ポートは非常に豊富で、レコーダーやゲーム機など複数の機器を接続することができます。また、3つあるHDMIのうち一つはeARCに対応しているので、対応のサウンドバーなどがHDMI接続のみで音声出力可能です。
Aladdin Marca Maxを使ってみる

というわけで、6畳書斎の白壁にドカーンと投影してみました。3週間ほどAladdin Marca Maxを堪能してみたので、使用感などまとめていきます。
約18cmの投射距離で100インチの大画面投影

まず目玉である焦点距離ですが、「超短焦点」の触れ込みどおり、壁の前約18cmの投射距離でおよそ100インチの大画面投影ができました。

投射距離が近ければ近いほど光量が稼げるわけで、長焦点モデルに比べて輝度の面で有利です。ちなみにメーカーの推奨投影サイズは90インチ〜150インチとなっています。
「18cm」から距離を離すと、その距離に応じて画面サイズが大きくなる反面、少しずつ輝度が落ちていくイメージ。なので確保できるスペースにかかわらず、100インチ程度の投影がベストバランスだと感じました。
オートフォーカス・自動縦横台形補正も搭載し、ともに補正時のラグや誤認識はなくきっちり補正してくれます。なので画面まわりの調整はほぼAladdin Marca MaxまかせでOK。

どこまでも明るく、高精細な映像
DLP方式のレーザー光源、輝度2500 ANSIルーメン、3840 × 2160の4K UHD(ウルトラHD)の高画質と、現行の家庭用プロジェクターとしては最高クラスの投影性能をほこるAladdin Marca Max。

先日レビューした4Kハイエンドモデル「BenQ X300G」は2000ANSIルーメンなのでさらにその上の値ですが、さすがに2500ANSIルーメンまでくると段違いに明るいですね。
日中の一番陽光が差し込む時間帯でも、カーテンを閉めれば映画や動画視聴なら全然問題ないですし、それこそ夕方以降に投影するともはや液晶テレビ以上では?と言いたくなるくらい鮮明で明るいです。

明かりを落とした環境下ではむしろギラギラ眩しいくらい明るいので、わが家では時間帯にかかわらずあえて輝度を落として視聴するほどです。もちろん段階的な明るさ調整、色域のほか、映像モードの設定など自分好みに細かくカスタマイズできます。

少し寄ってみました。さすがHDR10対応というだけあって、動画再生中でもディテールの輪郭をこれだけはっきり描写できます(感動…!)。


コントラスト比の公称値は明記されていませんが、色域カバー率DCI-P3 99%ということで全体的に白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、メリハリの効いた発色になっています。輪郭の色にじみや、斜めの線がギザギザになるジャギーも肉眼でふつうに視聴する分にはまったく気になりません。
まあ価格を考えれば当然ですが、そんじゃそこらの家庭用プロジェクターとは違って「本気の一台」って感じがひしひしと伝わってきます。
Google TVを介せばNetflixも視聴可能
購入特典として、あらかじめGoogle TVのスティック型端末が同梱するAladdin Marca Max。各種操作はもちろん、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。

純正のAladdin OSの場合NetflixとU-NEXTが未収録となっていますが、Google TVを介すことでどちらも視聴することができます。

他社モデルの場合、サードパーティのアプリを介すか、別途Fire TV stickなどを用意する(もしくはミラーリング)必要があったNetflix。同梱のリモコンからダイレクトで視聴できる上、純正アプリ上で視聴が可能なため駆動もなめらか。僕自信はNetflixとU-NEXTヘビーユーザーなので、基本的にGoogle TVをメインで使用しています。

また、Netflix内のDolby Visionコンテンツなどがより高画質で楽しめるというのも、Dolby Vision対応の本製品ならでは。ちなみに、フルHDでもDolby Vision対応のコンテンツはありますが、4Kの対応作品を高画質で視聴するにはNetflixのプランを「プレミアム」にする必要があります。
そのほかAmazon Prime Video、Hulu、Disney+、AbemaTV、Apple TV、Spotifyなど主要なストリーミングサービスに対応するのはもちろん、リモコンボタンから音声入力の「Googleアシスタント」も使用可能です。
オーディオ周りも妥協なし

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点Aladdin Marca Maxは、スピーカーがHarman/Kardon製で、中低音20W×2、ツイーター20W×2の合計80Wと桁違いの出力なので、そんじゃそこらの低価格帯のプロジェクターと比べて「音圧」「空間表現」ともに雲泥の差です。
それこそテレビと比較しても、部屋全体に音が広がる感じというか「シアターチックな立体感」みたいなものも断然得られるので、相当音質にこだわりがあるとかでなければ別途外部スピーカーやサウンドバーは不要かなと思いますね。
音質のカスタマイズ性も充実しており、「ミュージック」「シネマ」「カラオケ」「スポーツ」と既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化することもできます。この中では「シネマ」がもっとも広がり感が豊かで、低温の安定感があると感じます。

2025年、短焦点プロジェクターの大本命

壁一面の大画面でオープンワールドゲームの世界に飛び込むもよし、ガッツリFPSやアクションゲームを遊ぶもよし、もちろん映画・音楽鑑賞もこれ以上ない高画質・高音質で楽しめる。そんなオールインワンプロジェクターAladdin Marca Max。
超短焦点でありながら待望の4K対応ということで、これからの動画コンテンツの視聴やゲームの遊び方に革命を起こすんじゃないかと感じますね。(自宅で使うエンタメデバイスとして約37万円という価格は決して安くないですが・・)
20cmも満たない投射距離で100インチの大画面投影ができることはもちろん、日中でも楽しめる高輝度かつ精細な映像、迫力のサウンド、さらにはNetflix公式収録のGoogle TV付きと、多様化するユーザーの要望をまとめてカバーする一台。新しいプロジェクターライフを模索しているという人は、ぜひAladdin Marca Maxを検討してみてはいかがでしょうか。