映画館気分を味わいたいときにはプロジェクターの出番。
短焦点で高性能なモデルが増えたここ数年、一家に一台のエンタメデバイスとして一気に浸透した感がありますよね。かくいう我が家も、映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてプロジェクター一台で楽しんでいます。
中でも、Dolby Vision対応モデルの草分け的存在、XGIMIからリリースされた話題の最新モデルが「HORIZON S Pro」。実際に1週間使用してみた感想、投影性能、音響面などレポートしていきます。
XGIMI HORIZON S Proの外観と基本性能
XGIMIから発売されたホーム型4Kプロジェクター「HORIZON S Pro」。主な特徴は以下のとおりです。
- 解像度:4K UHD 3840×2160
- 輝度:1800 ISOルーメン
- Dolby Vision対応
- 3色レーザー+LEDのDual Light2.0光源を搭載
- インテリアに馴染むキューブ型デザイン
- 自動縦横回転補正付き
- ジンバル一体型で天井投影もOK
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、リモコン、電源アダプタと必要最小限です。

XGIMIといえば当初はメタリック基調のデザインが特等的でしたが、XGIMI HORIZON Sシリーズでは、昨年発売したHORIZON Ultraのデザインを引き継ぐようなゴールドミストカラーに仕上がっています。キューブ形状も相まってインテリアに溶け込むデザインがいいですね。

特筆すべきは角度調整可能なスタンドを搭載しているところで、上下に135度、水平方向に360度回転するようになっており、天井投影も簡単です。

フロントのレンズカバーは、電源ON/OFで開閉し、未使用時の埃を防いでくれます。先日レビューしたAladdin Marca Maxと同様のギミックですが、この開閉仕様がまたカッコいいんですよね。

入力端子はeARC対応のHDMIが一つ、USB2.0が二つ、DCが一つ(スタンド部)と、最小限構成ながら必要な端子をひととおりそなえています。eARCに対応しているので、対応のサウンドバーなどがHDMI接続のみで音声出力可能です。

スピーカーはHarman Kardon製のもので、12Wスピーカーを二基搭載しています。Dolby AudioやDTS HDといったサラウンド規格に対応していますので、映画館に近いような迫力のある音で楽しめます。(音質については後述)

XGIMI HORIZON S Proを使ってみる

というわけで、6畳書斎の白壁にドカーンと投影してみました。1週間ほどXGIMI HORIZON S Proを堪能してみたので、使用感などまとめていきます。
どこまでも明るく、高精細な映像
3色レーザーシステムとLED光源のハイブリッドかつ、明るさ1800ISOルーメン、3840 × 2160の4K UHD(ウルトラHD)の高画質と、現行の家庭用プロジェクターとしては最高クラスの投影性能をほこるHORIZON S Pro。

日中の一番陽光が差し込む時間帯でも、カーテンを閉めれば映画や動画視聴なら全然問題ないですし、それこそ夕方以降に投影するともはや液晶テレビ以上では?と言いたくなるくらい鮮明で明るいです。

明かりを落とした環境下ではむしろギラギラ眩しいくらい明るいので、わが家では時間帯にかかわらずあえて輝度を落として視聴するほどです。段階的な明るさ調整、自動輝度調整のほか、映像モードの設定など自分好みに細かくカスタマイズできます。

少し寄ってみました。さすがHDR10対応というだけあって、動画再生中でもディテールの輪郭をこれだけはっきり描写できます(感動…!)。


DCI-P3カバー率の公称値は明記されていませんが、ネイティブコントラスト比は約800:1と下位機種のHorizon Pro(約600:1)から進化していることで、全体的に白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、メリハリの効いた発色になっています。輪郭の色にじみや、斜めの線がギザギザになるジャギーも肉眼でふつうに視聴する分にはまったく気になりません。
まあ価格を考えれば当然ですが、そんじゃそこらの家庭用プロジェクターとは違って「本気の一台」って感じがひしひしと伝わってきます。
6畳部屋でも100インチの大画面投影
映像の美しさだけでなく、基本となる投影性能も抜かりないHORIZON S Pro。
最大投影サイズは200インチ対応であり、今回は6畳の書斎の壁から壁、2.5mほどの投射距離で約100インチの投影ができました。

「2.5m」から距離を離すと、その距離に応じて画面サイズが大きくなる反面、少しずつ輝度が落ちていくイメージ。なので確保できるスペースにかかわらず、100インチ程度の投影がベストバランスといった感じ。
オートフォーカス・自動縦横回転も搭載し、ともに補正時のラグや誤認識はなくきっちり補正してくれます。なので画面まわりの調整はほぼHORIZON S ProまかせでOK。

Android TV 11搭載で豊富なアプリ収録
OSにAndroid TV 11.0を搭載するHORIZON S Pro。各種操作はもちろん、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。Netflixには残念ながら公式対応していないのですが、U-NEXTやAmazonプライムビデオなど人気のVODをドングル無しで楽しめます。

ちなみにNetflixを視聴する方法として、サードパーティのDesktop Launcher(もしくはDesktop Manager)からNetflixアプリをダウンロードする、もしくはHDMIにGoogleTVドングル、Fire TV StickやAppleTV、PS5などを接続するといった方法(こっちがおすすめ)があります。

もう一つ気になっていた「利用可能なストレージ容量」についてですが、初期におすすめされる主要アプリを全てダウンロードした状態でも、20GBの空き容量がありました。Amazonプライムビデオやディズニープラスなどの主要な動画配信アプリもインストール済みです。基本的にWi-Fi環境で使用するホームプロジェクターなので、スマホやポータブルプロジェクターのようにコンテンツをダウンロードする必要もないので、ストレージ周りは問題ないかなといった感じ。
また、Googleアシスタントが使えるのも本機の強みです。

リモコンのGoogleアシスタントボタンを押してマイクに話しかけるだけで各種操作ができます。たとえば、「明日の大阪の天気を教えて」と話すと即表示してくれますし、動画を検索する際も「YouTubeで焚き火の動画を流して」と話すだけで、焚き火の動画の一覧を表示してくれるなど、慣れるとかなり有用に使えます。
オーディオ周りも妥協なし

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点HORIZON S Proは、Harman Kardon製のデュアルスピーカー(計24W)なので、そんじゃそこらの低価格帯のプロジェクターと比べて「音圧」「空間表現」ともに雲泥の差です。
それこそテレビと比較しても、部屋全体に音が広がる感じというか「シアターチックな立体感」みたいなものも断然得られるので、相当音質にこだわりがあるとかでなければ別途外部スピーカーやサウンドバーは不要かなと思いますね。
音質のカスタマイズ性も充実しており、「標準」「映画」「スポーツ」「ゲーム」と既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化することもできます。この中では「映画」がもっとも広がり感が豊かで、低温の安定感があると感じます。

2025年、コスパで選ぶホームプロジェクターの大本命
自宅で使うエンタメデバイスとして249,800円は決して安くないですが、このサイズ、シャープで明るい映像を実際に体感するとこの価格にも納得感があります…。それこそ、現在20万円前後の機種を検討中という人、ハイエンド機種への乗り換えを考えている人には、コスパモデルとして十分おすすめできる一台だと感じました。
また、目の負担が少ないことがSGSで認証されているため、長時間使いたい方や、子供がいる家庭でも選びやすい機種だと思います。下位機種のHorizon Proでも十分映像は綺麗だと思いましたが、やはり上位モデルは一段格が違いますね…。新しいプロジェクターライフを模索しているという人は、ぜひXGIMI HORIZON S Proを検討してみてはいかがでしょうか。