バラエティー豊かで用途にピッタリ合うオーディオ製品を、低予算で選べるメーカーといえばファーウェイ。中でも「激戦区」ともいえる1万円半ばの完全ワイヤレスイヤホンの新モデルとして登場した「HUAWEI FreeBuds 6i」。
前モデルFreeBuds 5iから遮音性能を100%引き上げ「フラッグシップクラスのNCを実現した」という話題のノイズキャンセルイヤホン。電車内やカフェなど公共空間で1週間じっくり使ってみたので使用感をレビューしていきます。
HUAWEI FreeBuds 6i
シャツの胸ポケットやデニムのサイドポケットにもすっぽり収まるコンパクトサイズのHUAWEI FreeBuds 6i本体。手に持った時の収まり感がバツグンに良い卵形状はもはやFreeBudsシリーズの代名詞。
カラーバリエーションは「ホワイト」と「ブラック」の2種類用意されています。手元にあるホワイトはツヤありのグロス調仕上げの質感ですが、ブラックはツヤ消しのマット調とのこと。
底面には充電用のUSB Type-Cポートを搭載し、10分の充電で4時間再生可能な急速充電にも対応。TWSで重視されるバッテリー性能ですが、イヤホン単体で最大8時間、ケースをふくめ最大35時間(ともにANCオフ時、前モデルは最大28時間)と、実は上位モデルを上回る電池持ちを実現しています。
ただし、ワイヤレス充電には対応していないので、ふだん無線充電ありきでイヤホンを選ぶ人はこの点だけ注意が必要。
一方で、最大2台のデバイスに同時接続できるマルチポイントは対応しているので、PCで動画鑑賞しながらスマホの着信に出るといった使い方ができます。また、この価格帯のイヤホンではマルチポイント有効時にLDACが使えないことが主流の中、前モデルから引き続き併用が効くのも大きな利点。Android複数台持ちユーザーにはうれしい仕様ですね。
小ぶりながらも、14Hz – 40kHzというワイドレンジな周波数をカバーする11mmのクアッドマグネット・ダイナミックドライバー内蔵するイヤホン本体。
実際にHUAWEI FreeBuds 6i(LDAC接続)で楽曲を聴いてみたところ、価格に対して全体的に解像感は高く、特にベースやキックドラムのハリがある深い重低音が特徴的だと感じました。EDMやラウドロックをノリ良く聞くにはうってつけといった印象。それでいて中域は引っ込みすぎず、しっかりボーカル帯が埋もれないように前に出てくれますし、この価格帯ではありがちな高域の解像感の荒っぽさもほとんど気にならないですね。
そして、今回の目玉であるノイズキャンセリング。実際に数日屋外で使ってみたところ、ゴーっと低く響く電車の走行音や、日常のロードノイズは「ほぼ消えるレベル」。前モデルと比較して、風切り音やエアコンのような高域帯に対する遮音性も明らかに向上しています。
二代目AirPods Proを5点満点とすると、4点くらいの遮音性は見込めるので「前モデルFreeBuds 5iから遮音性能が100%向上」の触れ込みは伊達じゃないと感じますね。相当優秀なだけに、逆に公共空間では周りの状況に気を配る必要があると感じるほど。ただし、通学・通勤など決まった環境で習慣的に音楽を聴くという人には、この上なく音楽に没入できる本機はハイコスパイヤホンとして個人的にかなり推せます。
また、遮音性とのトレードオフになるケースも多いホワイトノイズはほとんどなく、限りなく不快感の少ないノイズキャンセリングといった印象。無音での装着時についてもサーーみたいな小さいノイズが乗ることはなく、作業時などの耳栓的な役割としても優秀。
例によって専用アプリ「HUAWEI AI Life」に対応するFreeBuds 6i。サウンドモードやイコライザー設定(10段階)、タッチ操作のカスタマイズなど…アプリ内でできることも多岐に渡ります。また、個々の装着状態に音質を最適化する「トリプル・リアルタイム・リスニング最適化アルゴリズム」やイヤーチップの適合度テストなど、テック企業ならではのアプリと連携したチューニング技術も充実。LDACへの切り替えもこのアプリから可能です。
HUAWEI AI Lifeからは10バンドでのイコライザー、操作のカスタマイズなどが可能
14,800円とミドルレンジの価格帯に抑えつつ、フラグシップ級のノイズキャンセリングを実現する「HUAWEI FreeBuds 6i」。同価格帯の中で突出しているからこそそこばかり目が行きがちですが、音よし、電池持ちよし、つけ心地よし、ワイヤレス充電を除けば全方位に完成度の高いTWSだなと感じました。家電量販店の店頭などで視聴可能なので、ぜひ機会があればチェックしてみてください。