PCやスマホ内で増え続ける写真や動画、大切なデータをどこに保存するか問題は皆さんあると思います。
外付けHDDやクラウドサービスも便利ですが、自分だけの安全で自由なデータ保管、そして家族等と共有ストレージとしてNAS(ネットワーク接続ストレージ)を導入するのも手です。
ということで、今回はSNSでも話題になっていたUGREENの「NASync DXP2800」を導入してみたので、レビューしていきます。
UGREEN NASync DXP2800の概要

NASyncシリーズはネットワークで接続できるストレージ(NAS)です。簡単に言えば自分専用のクラウドストレージのようなものですね。
日本では2/4/8ベイの製品が投入されていますが、NASync DXP2800は一番エントリー向け、2つのHDDを搭載できるモデルです。エントリーモデルとはいえ最大64TBまで拡張可能ですし、家族の写真や動画をまとめたり小規模なオフィスでの使用には十分な容量です。
HDDだけでなくM.2 NVMe 2280 SSDも2つ搭載でき、RAMは8GBで16GBまで拡張可能。DDR5 RAMを採用しており、これは2ベイのNASでは初めてなのだそう。
ネットワークは2.5G LANポートを1つ搭載し、高速なデータ通信を実現。さらに、4K/60Hz対応のHDMI 2.0ポートや複数のUSBポートを備えており、単体でPCのように使用することも可能です。
また、セキュリティ面についてはアメリカの「TRUSTe認証」およびヨーロッパの「ETSI EN 303 645認証」といった国際的な認証を取得しています。
UGREEN NASync DXP2800の外観
こちらがUGREEN NASync DXP2800の本体。同社充電器やモバイルバッテリーなどと同様にシンプルな外観でとてもスタイリッシュな印象です。

サイズはL231 × W109 × H177mmで重量は約2.5kgです。それなりにずっしりきますが頻繁に持ち運ぶものでもありませんし、室内での移動くらいは問題ありません。
前面はシンプルで、「01」と「02」の数字がインダストリアルなデザインがいいですね。下部には電源ボタンの他にLEDランプとUSB-C、USB-Aをそなえます。

背面側はHDMIとUSB-A(USB3.2×1、USB 2.0×2)、LANポート、リセットボタン、電源ポートです。HDMIでテレビ等に接続するとNASの中の画像や動画をテレビの大画面で楽しむこともできます。

側面はシンプルで隅にUGREENロゴがあるのみです。

工具いらずでHDDを簡単設置
続いてNASync DXP2800の使用手順ですが、まずはNASのロックを外してスロットを取り外します。

スロットを取り外したら別途用意したハードディスクをセット。ツールレスでサクッと設置できるのが手軽でいいですね。

NAS本体を電源を確保し、ルーターとLANケーブルで接続したら電源をONにします。これでハードウェア側のセットアップは完了です。

続いて、以下のApp Downlpadへアクセスして、Mac・windows・iOS・AndroidなどのOSに合わせて専用アプリをインストール。
最後にアプリの案内に従ってRAIDの設定やHDDのフォーマット化などの初期設定を済ませればセットアップ完了です。
UGREEN NASync DXP2800の使用感
セットアップ→アプリ使用までとにかく簡単
筆者はこれまでSynologyのNASを使っていたのですが、それに比べると遥かに簡単にセットアップできました。細かい設定はそれなりに知識がないとできないかもしれませんが、とりあえずファイルサーバーとして使うぶんには、アプリの指示に従って進めるだけなので初心者でも簡単に構築できます。

それに加えて、専用アプリが非常に使いやすいというのもNASync DXP2800の特徴。UGOS ProというLinuxベースのオリジナルのOSですが、デスクPCのような使いやすいUIを備えており、海外製品ながら日本語にもきちんと対応しています。

スマホやタブレットからのアクセスも簡単

UGREEN NASyncシリーズはPC、スマホ、タブレットなどそれぞれに対応アプリが用意されていて、複数の端末からファイルを参照することができます。
クラウドストレージなら当たり前にできることですが、これがプライベートストレージでも実行できてしまうのはちょっと感動ですね…。スマホ版のアプリUIも洗練されていて、PCと同様に直感的に操作できます。
AIによる画像の分類・整理の自動化も

画像認識技術による写真の分類機能を搭載しているのも重大トピック。写真の内容をAIが自動で判別し、人物・文字・場所ごとにジャンル分けしてくれるので、目当ての写真をテキストや人物で絞り込んで検索するってことができます。
そのほか類似または重複している写真を自動で削除する機能なんかも備えているので、データの整理整頓を自動化できるのも魅力。AI機能により、NAS内のデータ整理も捗ります。
駆動音はそれなりに気になる

初心者ライクな使用感、全方位に完成度の高いUGREEN NASync DXP2800ですが、しいて難点をあげるならば駆動音がそれなりに大きいこと。特にハードディスクの読み書きが行われている最中はそれなりの騒音になります。
これはNAS製品全般にいえることですし、ファイルの転送などを終えてしばらくすると駆動音は小さくなるので、購入検討する上でそこまで神経質になる必要はないかなとは思いますが…。ただまあ静音性に長けているとは言い難いですね。
高機能ながら初心者にもわかりやすいGoodなNAS
やはり特筆すべきは初期設定のわかりやすさ。この手のネットワークの設定がとにかく苦手な僕でも開封から20分たらずでスムーズにファイル転送できるような環境が整いました。
スマホやタブレットのアプリから簡単にセットアッできる点も魅力ですね。NASってなんだか難しそう、と構えている人でもあっさりと使えるかと思います。(初めてNASを使った時に最初のセットアップでいろいろ躓きましたので…。)
また、速度的にもかなり速く、普通にPC内蔵のHDDと体感変わらずにNAS内のファイルを扱えます。小規模なオフィスでも使えると思いますし、僕の場合は家の中に複数のPCと作業場所を用意してあり、仕事に必要なファイルはクラウドやNASに入れてあります。これまではNASのファイルは若干のラグがあって使うの躊躇っていたこともあったのですが、NASync DXP2800ならそういう事を気にせずに使えそうです。
ちなみに今回紹介したDXP2800は基本的に個人向けのNASになるので、扱うファイルの大きさやRAIDの構成をもっとこだわりたい方は上位モデルも合わせて検討してみてください。