先日「XGIMI HORIZON S Proレビュー|2025年家庭用プロジェクターの大本命」でも記事にしたとおり、我が家では映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてプロジェクター一台で楽しんでいます。
そんなXGIMIから、最上位モデルの新機種「Horizon 20 Pro」が登場。今回はメーカーさんよりお声がけいただきサンプル機をお借りできたので、実際に1週間使用してみた感想、投影性能、音響面などレポートしていきます。
XGIMI Horizon 20 Proの外観と基本性能
XGIMIから発売されたホーム型プロジェクター「Horizon 20 Pro」。主な特徴は以下のとおりです。
- 解像度:4K UHD 3840×2160
- 輝度:4100 ISOルーメン
- Dolby Vision対応
- IMAX Enhanced対応
- 3色RGBレーザー光源採用で高精細な映像
- 1msの超低遅延(1080p@240Hz)
- インテリアに馴染むキューブ型デザイン
- 自動縦横回転補正付き
- ジンバル一体型で天井投影もOK
光源には RGBトリプルレーザーを採用し、最大 4100 ISOルーメン の高輝度と 20,000:1 のコントラスト比 を実現。色域は BT.2020比110%、さらに Dolby Vision/HDR10+/IMAX Enhanced に対応しており、暗所・明所問わず映画館クラスの映像を楽しめるという、フラッグシップに位置づけられるモデルです。
特筆すべきはゲーミング性能。1msの超低遅延(1080p@240Hz)に加え、VRR(可変リフレッシュレート) と ALLM(自動低遅延モード) に対応。PS5やSwitch、PC接続時でもほぼラグを感じない入力応答を実現しています。最大300インチまでの大画面投影にも対応しており、まさに“家庭用ゲーミングシアター”と呼ぶにふさわしい一台です。
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、リモコン、電源アダプタと必要最小限です。

さすがフラッグシップ機ということでメタリック基調の本体は高級感が凄まじい・・。全体的にリッチかつ主張控えめなデザインです。側面はフェイクレザーのような素材で手触りも良いです。キューブ形状も相まってインテリアに溶け込むデザインがいいですね。

同シリーズの特筆すべきは角度調整可能なスタンドを搭載しているところで、上下に135度、水平方向に360度回転するようになっており、天井投影も簡単です。

背面上部にはインターフェイスが並んでいて、左から有線LAN、USB2.0とUSB3.0、HDMI1/eARC、HDMI、オーディオジャック、電源ボタンとなっています。eARCに対応しているので、対応のサウンドバーなどがHDMI接続のみで音声出力可能です。

スピーカーはHarman Kardon製のもので、12Wスピーカーを二基搭載しています。Dolby AudioやDTS HDといったサラウンド規格に対応していますので、映画館に近いような迫力のある音で楽しめます。(音質については後述)

XGIMI Horizon 20 Proを使ってみる

というわけで、6畳書斎の白壁にドカーンと投影してみました。1週間ほどXGIMI Horizon 20 Proを堪能してみたので、使用感などまとめていきます。
業界最高クラスの明るさと高精細な映像
RGBトリプルレーザー光源に最大4100 ISOルーメンの高輝度、3840 × 2160の4K UHD(ウルトラHD)の高画質と、現行の家庭用プロジェクターとしては最高クラスの投影性能をほこるHorizon 20 Pro。

日中の一番陽光が差し込む時間帯でも、カーテンを閉めれば映画や動画視聴なら全然問題ないですし、それこそ夕方以降に投影するともはや液晶テレビ以上では?と言いたくなるくらい鮮明で明るいです。

明かりを落とした環境下ではむしろギラギラ眩しいくらい明るいので、わが家では時間帯にかかわらずあえて輝度を落として視聴するほどです。段階的な明るさ調整、自動輝度調整のほか、映像モードの設定など自分好みに細かくカスタマイズできます。

少し寄ってみました。さすがHDR10+対応というだけあって、動画再生中でもディテールの輪郭をこれだけはっきり描写できます(感動…!)。


DCI-P3カバー率の公称値は明記されていませんが、コントラスト比は20,000:1と桁違いに高く、全体的に白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、メリハリの効いた発色になっています。輪郭の色にじみや、斜めの線がギザギザになるジャギーも肉眼でふつうに視聴する分にはまったく気になりません。
まあ価格を考えれば当然ですが、そんじゃそこらの家庭用プロジェクターとは違って「本気の一台」って感じがひしひしと伝わってきます。
6畳部屋でも100インチの大画面投影
映像の美しさだけでなく、基本となる投影性能も抜かりないHorizon 20 Pro。
最大投影サイズは300インチ対応であり、今回は6畳の書斎の壁から壁、2.5mほどの投射距離で約100インチの投影ができました。

「2.5m」から距離を離すと、その距離に応じて画面サイズが大きくなる反面、少しずつ輝度が落ちていくイメージ。なので確保できるスペースにかかわらず、100インチ程度の投影がベストバランスといった感じ。
オートフォーカス・自動縦横回転も搭載し、ともに補正時のラグや誤認識はなくきっちり補正してくれます。なので画面まわりの調整はほぼHorizon 20 ProまかせでOK。
OSに最新のGoogle TVを搭載するHorizon 20 Pro。各種操作はもちろん、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。YouTubeやNetflix、Prime Videoなど主要ストリーミングアプリをネイティブに利用可能です。

「利用可能なストレージ容量」についてですが、初期設定時におすすめされる主要アプリを全てダウンロードした状態でも、50GBの空き容量がありました。Amazonプライムビデオやディズニープラスなどの主要な動画配信アプリもインストール済みです。基本的にWi-Fi環境で使用するホームプロジェクターなので、スマホやポータブルプロジェクターのようにコンテンツをダウンロードする必要もないので、ストレージ周りは問題ないかなといった感じ。
また、Googleアシスタントが使えるのも本機の強みです。

リモコンのGoogleアシスタントボタンを押してマイクに話しかけるだけで各種操作ができます。たとえば、「明日の大阪の天気を教えて」と話すと即表示してくれますし、動画を検索する際も「YouTubeで焚き火の動画を流して」と話すだけで、焚き火の動画の一覧を表示してくれるなど、慣れるとかなり有用に使えます。
1080pで240Hz、応答速度1ms
モニターと違って内部でさまざまな映像処理が必要になるプロジェクターは、本来ゲーム機からの信号を映像として出力するまでにラグが生じてしまいます。ゆえに、モニターのようなリフレッシュレートや応答速度を実現するのは難しいわけです。
ところがHorizon 20 Proなら、4K/60Hzや1080/240Hzの高リフレッシュレートに対応し、一般的なハイエンドプロジェクターの2倍以上の応答速度を実現しています。
瞬時の操作性が求められるVALORANTを実際にフルHD・高速モードで起動したところ、十分な応答速度かつ低遅延で快適にプレイできました。やはり240Hzだとかなり滑らかで、カクつきや残像感の類はまったく感じないですね。

それこそ僕みたいなライトユーザーがカジュアルに遊ぶ分には、モニター時と比べて何ら遜色なくプレイできる印象(視線移動の限界はさておき…)。まあ対人プレイよりバイオハザードみたいな対CPUのゲームにこそ適しているのは間違いないですが、いずれにしてもプロジェクターでここまで遊べる時代がきたってことに感動しちゃいますね。
で、極めつけはRPGモードでオープンワールドゲームをプレイしたときの没入感・・。

大画面はさることながら、息をのむほど映像がうつくしいんですよ。まるで自分がゲームの世界に飛び込んだような錯覚を覚えるというか、見慣れているはずのゲーム画面でも思わず見入っちゃいます。
時には雄大に広がる自然の景色を楽しみ、時には画面いっぱいの巨大なボスとの対戦に身を投じ。もう常時めちゃくちゃ楽しいです。
やはりオープンワールドゲームこそHorizon 20 Proの良さを最大限発揮できるなと・・。
空間表現豊かなオーディオ性能

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点Horizon 20 Proは、Harman Kardon製のデュアルスピーカー(計24W)なので、そんじゃそこらの低価格帯のプロジェクターと比べて「音圧」「空間表現」ともに雲泥の差です。
それこそテレビと比較しても、部屋全体に音が広がる感じというか「シアターチックな立体感」みたいなものも断然得られるので、相当音質にこだわりがあるとかでなければ別途外部スピーカーやサウンドバーは不要かなと思いますね。
音質のカスタマイズ性も充実しており、「標準」「映画」「スポーツ」「ゲーム」と既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化することもできます。この中では「映画」がもっとも広がり感が豊かで、低温の安定感があると感じました。帯域別のイコライザー設定で自分好みの音に調整することもできます。

たしかに価格は高いけど・・
自宅で使うエンタメデバイスとして約30万円は決して安くないですが、このサイズ、シャープで明るい映像を実際に体感するとこの価格にも納得感があります…。それこそ、一生モノとして高機能な機種を検討中という人、明るい日中でもノーストレスで使えるハイエンド機種への乗り換えを考えている人には、十分おすすめできる一台だと感じました。
また、目の負担が少ないことがSGSで認証されているため、長時間使いたい方や、子供がいる家庭でも選びやすい機種だと思います。下位機種のHorizon S Proでも十分映像は綺麗だと思いましたが、やはり上位モデルは色の鮮明さ、明るさがワンランク違いますね…。
定価349,900円(記事執筆時)のところ、今ならAmazonにて299,900円となる5万円OFFクーポン(11月12日まで)が使えます。新しいプロジェクターライフを模索しているという人は、この機会にHorizon 20 Proを検討してみてはいかがでしょうか。


