こんにちは、ロピログ(@LOPYLOG)です。
3D技術がますます進化するこの時代、プロダクト設計、VR・AR、デザイン、ゲームなど、いまや個人が趣味やDIYで使う身近なものになりつつある3Dスキャナー。
しかし、「趣味で使うには高価すぎる…」「そもそも専門知識とかないし扱える自信がない…」といった理由で、興味はあれどなかなか手が出せずにいるといった人も多いはず。
そんな中、従来モデルに比べて安価かつ、スマホと連携して手軽に高精細な3Dスキャンを体験できるのが、Revopointからリリースされた新型3Dスキャナー「POP 2」です。
何といっても、アンダー10万円と他にないリーズナブルな価格が特徴。さらに、高精度な10fpsのスキャンスピードに測定精度0.05mmと、国内外のクラウドファンディングで記録的な支援額を達成した話題の3Dスキャナー。
今回は、Revopointさんより特別にサンプル品を送っていただき、さっそく1週間ほどじっくり触ってみました。というわけで、そんなPOP 2の特徴や使用感、3DCG初心者の筆者が実際に使ってみてわかったメリット・デメリットなどまとめていきます。
Revopoint POP 2の概要
2020年に欧米のクラウドファンディング「Kickstarter」で3億円を突破し世界的に人気を博したRevopoint POPシリーズ。新たに操作性と色彩精度が大幅にアップデートされ、”第二世代モデル”としてリリースされたのが「Revopoint POP 2」。
スペックは次のとおりです。前作のRevopoint POPと、今作のRevopoint POP 2の比較表を出してみました。
製品名 | Revopoint POP 2 | Revopoint POP |
---|---|---|
精度 [mm] | 0.05 | 0.3 |
撮影領域(1ショット) | 210mm × 130mm | 210mm × 130mm |
動作距離 | 150mm〜400mm | 175mm〜375mm |
最大スキャンスピード [fps] | 10 | 8 |
照準 | 特徴調整、マーカーポイント調整、色調整 | 特徴調整、マーカーポイント調整 |
出力フォーマット | PLY, OBJ, STL | PLY, OBJ, STL |
Wi-Fi 接続 | ◯ | ◯ |
重量 | 195g | 225g |
寸法 | 154.6mm × 38.2mm × 25.6mm | 154.6mm × 38.2mm × 25.6mm |
価格 | 95,900円(税込) | 85,800円(税込) |
先代機POPからの変更点をまとめると、主にこの4点になります。
- 測定精度が大幅に改善
- 動作距離のレンジが拡大
- スキャンスピードが10fpsに向上
- サイズ据え置きで軽量化
加えて、シングルフレーム最大0.1mmの精度と0.15mm間隔の3D点群データに、滑らかなスキャンを可能にする6軸ジャイロセンサーまで追加搭載された今モデル。
これら特徴を踏まえつつ、実際にRevopoint POP 2を使って3Dスキャンしてみた所感をまとめていきます。まずは本体外観や付属品から見ていきましょう。
Revopoint POP 2の外観と付属品
Revopoint POP 2には、「スタンダードセット(95,900円)」と「プレミアムセット(110,000円)」の2種類があり、それぞれ以下のように付属内容が異なります。
プレミアムセットは、スタンダードセットのパッケージに以下3点を追加した内容となっています。
- オリジナルバッグ
- パワーバンク(モバイルバッテリー)
- ポータブル回転テーブル
ちなみに今回は上記を含めたプレミアムセットを送っていただきました。後述しますが、スマホと連携して扱う際に専用モバイルバッテリーと回転テーブルは必須レベルで役に立つので、差額1.5万円と考えると個人的にはプレミアムセットが断然おすすめです。
開封すると、Revopointのロゴが入ったコンパクトなキャリーケースがでてきました。
スキャナー本体、三脚含め、アクセサリーはすべてこのケース内に収納できる仕様です。このままカメラ感覚で外に持ち出すこともできます。
こちらがPOP 2本体。三脚との設置はネジ式ではなくスライドタイプなので、簡単に装着できます。
背面には、PCやスマホと接続するためのポート。付属ののUSBケーブルでPCと接続するとすぐに起動できます。
Revopoint POP 2でスキャンしてみた
スキャンには、Revopoint POP 2の他にPCとスマホのどちらかが必要になりますが、今回はMacBook ProとiPhoneの両方で連携してそれぞれの動作を見ていきます。
MacBook Proと有線接続してスキャン!
まずはMacBook Proで接続。
ケーブルを使ったUSB接続はもちろん、なんとWi-Fi接続にも対応する本機。余分な配線が不要なWi-Fiでの接続が断然手軽ですが、今回はMacBookで有線接続、スマホでWi-Fi接続してトライしてみます。
POP 2本体とPCを接続したら、専用ソフトウェア「Revo Scan」をインストールします。このソフト上で、スキャンしたデータを3Dファイル(obj,plyなど)にエクスポート可能。
あとはターンテーブルの電源を入れてオブジェクトをセットしたら準備完了!付属の背景紙を使うと対象物をよりスムーズに認識できますが、背景に障害物などなければこのままスキャンできます。
「新規」からスキャンを開始します。
一度スキャン開始したら放ったらかしではなく、ターンテーブル上で対象物の向きや角度を微調整しながら、穴ができないようにスキャンを進めていきます。この工程だけちょっと慣れが必要。
角度調整時、一度生成したモデリングから重なる場所を自動で判別してトラッキングしてくれるのがスゴイところ。一回で荒のない綺麗なモデリングができました。
この自動判別が上手くいっていない箇所は、画面上で赤くエラー表示されるのもわかりやすいです。万が一失敗してもワンアクションごとにやり直しが効くので、一気にスキャンしようとせずポーズしながらトライアンドエラーすることで綺麗にスキャンできます。
スキャンに要した時間は5分程度。前述のとおり3Dスキャン完全初心者の筆者ですが、想像していたより遥かに直感的にモデリングができて感動しました…。ただ、本機は赤外線の反射で対象物を読み取る仕組みなので、光を反射したり吸収するメタル系や、黒いプラスチック製のものに限っては難易度が一気に上がります。
メーカーさんにコツを聞いたところ、やはり専用のスキャニングスプレーが必須なのだそう。スプレーで対象物の表面を白くコーティングすることで、正常に3Dスキャンできるようになるようです。時間が経つと消える仕様で拭き取りも不要とのことなので、後日こちらのスプレーを使ってのスキャン結果も追記します。
ちょっと待ってください。諦める前に、AESUBブルースプレーをお試しください。
ガラス製品や…
iPhoneとWi-Fi接続してスキャン!
Revopoint POP 2のもう一つの大きな特徴が、スマホと連携してスキャンできる点。
手順はPC接続と同じなので割愛しますが、↓のように付属のスマホホルダーとモバイルバッテリーを取り付けることで、手持ちスキャンキットが完成。今回は、POP 2とiPhone 13 ProをWi-Fi接続してスキャンしてみました。
スマホを使うメリットは、やはり圧倒的な機動力。サクッと上記セットを作ったら、あとはスマホの画面でリアルタイムに進行状況を確認しながらスキャンを進めていくだけ。
6.1インチと大きめの画面に、そこそこスペックの高いスマホを使っていることもありPCでのスキャンとほとんど遜色なく高精度にスキャンできました。これはスゴイ。
端末によってはメモリが少なかったり、画面が小さすぎてモデリングの穴が見つけにくいなどの多少のストレスはあるかもしれませんが、基本的にはPCと同様の流れで扱えます。
ただ、POP 2本体とモバイルバッテリーの重さに加え、スマホ本体(iPhone 13 Proの場合約約200g)とホルダー分の重さも加わるので、それなりに重量は重くなります。
片手持ちで問題なくスキャンできる重さではありますが、一度に長時間スキャンする場合や、ターンテーブルに収まるオブジェクトであれば、PC時同様に三脚で立ててしまうのがやっぱり楽ちん。
反対に、ターンテーブルに収まらないオブジェクトや、人の顔、ペットなどのスキャン時は、角度調整やトラッキングがしやすい手持ちスタイルで…といった使い分けができるのもRevopoint POP 2の強みですね。
Revopoint POP 2レビュー|まとめ
今回は、3Dスキャナー初心者がRevopoint POP 2を使って3Dスキャンしてみた感想でした。
正直当初は「3Dスキャナーなんてプロだけが扱える工業用品でしょ」くらいに思ってましたが、Revopoint POP 2で3Dキャンを体験してからそんなイメージが180度変わりました。
趣味使いのカメラに近い感覚でサクッと展開できて、かつ専門知識なしで高精細なモデリングができてしまうRevopoint POP 2。趣味のモノ、思い出の3Dデータ保存はもちろん、プロダクト設計、VR・AR、DIYなどユーティリティも抜群のプロダクトなので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
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