合計29ユニット。11.1.4ch対応のJBL全部入りサウンドバー「BAR 1300MK2」レビュー

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自分の部屋が映画館に。

大画面で見る映画やライブ映像、スポーツって迫力があっていいですよね。そこにもうひとつ加えると、さらに迫力が増します。そのアイテムが、サウンドバーです。

両サイドにスピーカーを設置するよりも省スペースかつ手軽に設置ができて、大迫力の音響が楽しめるサウンドバー。今回、老舗オーディオメーカーのJBLから、フラッグシップモデル「JBL BAR 1300MK2」が登場しました。

リアスピーカーが分離し、最大11.1.4chの再生が可能という脅威のスペックを誇る一台。実際に1週間ほど堪能してみてわかった良い点、注意点などまとめていきます。自宅リビングの最小限スペースで最高級の音を生み出したい!という方必見ですよ。

本記事はメーカー様より商品をご貸与いただき作成しています。

JBL BAR 1300MK2の外観と基本性能

一般的なサウンドバーは前方のみに設置し、バーチャルサラウンドによって広がりのある音を作るわけですが、BAR 1300MK2は後方のスピーカーからも音が鳴るリアルなサラウンド体験ができるのが最大の特徴。

サブウーファーとリアスピーカーはワイヤレス接続なので設置も簡単です。また、バースピーカー一本として使いたい場合は、リアスピーカーを本体の側面に合体させることでシンプルな一体型スピーカーとしても使用できるというのが画期的。なお、この状態でリアスピーカーのバッテリー充電も進みます。

取り外せるリアスピーカーというコンセプト自体は、前モデルの「BAR 1000」から継承されるギミックですが、本機はさまざまなフィードバックを盛り込んでおり、より完成度が高まっています。

最大の改善点は、分離の構造。上からシャコンとはめ込むマグネットスタイルに刷新されたことで、前モデルでは難しかった片手での脱着ができるようになりました。これぞJBL式のJoy-Con。

そしてもう一つ、なんと左右のリアスピーカーはそれぞれが単独のBluetoothスピーカーとしても併用できます。スマホなどと接続でき、再生時間は最大約10時間で、Type-Cで充電しながら使うこともOK。Auracastにも対応してるから、対応するワイヤレススピーカーと連携させることもできます。

つまりはBAR 1300MK2一台で、ホームシアターもワイヤレススピーカーも任せられるわけです。これだけでも見どころの尽きないサウンドバーなのですが、スピーカー構成がまた凄まじい。

本体に内蔵するスピーカーの数は、サブウーファー(200cm径デュアルウーファー)を合わせて29基。そのうちの7基は高域再生用のツィーター。さらに8基がミッドレンジとなっています。50×75cmのレーストラック型の振動板をそなえたスピーカーで、さらに上部に向けて6基のハイトスピーカーもそなえます。

また、1スピーカー/1アンプの独立マルチスピーカー構成になっているのもBAR 1300MK2の特徴。ウーファーとツィーターを駆動するアンプが独立していることの良さは、音の方向に関わらず低音をフル出力で出せるということ。たとえば、左右に大きく音が動くアクション映画などで、音の動きを指向性の高いツィーターでまかない、より大きい破裂音などは50W×8基=合計400Wの出力すべてを使った低域で鳴らすってことが可能です。

インターフェースはHDMI入力端子が3つ、HDMI出力は1つ(eARC対応)。光デジタル入力、Bluetooth、Ethernet端子などそなえます。

本体サイズは幅1030×奥行き136×高さ58mm、重量は6.0kg(サウンドバー本体)。リアスピーカーは1個あたり202×136×58mm/1.3kg、サブウーファーは315×275×277mm/12kg。

JBL BAR 1300MK2を堪能してみる

最大7つのビームを生成して、壁に反射させることで実際にスピーカーが置かれているようなリアルなサラウンド再現する「MultiBeam 3.0」という技術を採用し、かつ11.1.4chというかつて聞いたことのないユニットで「サラウンドの包囲感」は圧巻の一言。「部屋の中でスピーカーを鳴らしている」という感覚ではなく、もはや「映画の世界へ空間ごとワープしたような聴こえ方」といった方が表現としてしっくりきます。

背後にまわった音像は、より深く、そして音像の移動も明瞭で、特筆すべきは背後にまわった音が、高域だけでなく、しっかりと中低域も厚みのある音として定位すること。部屋中が音で満たされる感覚、天井から音が降り注ぐような感覚など、タテヨコ双方の空間表現の豊かさはさすが老舗オーディオメーカーのフラッグシップモデル。これまで10数台のサウンドバーを体験してきましたが、やはり各帯域の音の粒立ち、解像感ふくめ完全に別次元という印象ですね。

4K UHD対応の「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」をはじめ、Netflixの実写版「ONE PEACE」、Amazonプライムビデオの「トゥモロー・ウォー」など配信サービス内のDolby Atmos対応コンテンツ含め複数視聴したところ、例外なく最適な組み合わせが見つかり、コンテンツの魅力を最大限引き出してくれました。

個人的には、地響きのように芯から震える厚みのある低音がたまらないですね。それでいて、高域が埋もれることもなくクリアかつ耳あたり優しく、各帯域が絶妙なバランスに仕上がっています。この辺りもさすがJBL製のサウンドバーといったところで、銃撃戦のようなカシャカシャと鳴り響くようなシーンなんかでは特にリアルさが感じられました。

また、中音域もしっかり前に出てくれるので、人の声やボーカル音もクリアかつ解像感高く聞き取ることができます。日常的な視聴コンテンツとして地上波放送のニュース番組でのアナウンサーの声や、サッカーや野球中継なんかでの実況解説もクリアに耳に届きますし、歓声や会場の臨場感みたいなものまでしっかり感じ取れます。

リアスピーカーを分離させない、いわゆる通常のサウンドバーとしての音質も非常に優秀。サラウンド感や効果音のディテールも(サラウンド状態ほどではないにしろ)十分に感じられました。平日は通常モードで使って、週末のガッツリ映画タイムは分離させてサラウンド環境を作る。みたいな使い分けができるのが嬉しい。

また、専用アプリからイコライザー設定も可能。7バンドで無段階調整でき、自由度高く自分好みの音をつくることができます。そのほか、キャリブレーションやナイトリスニングモード、Wi-Fiストリーミングなどアプリ内でできることは多岐にわたります。

ホームシアターに特化ということで、Dolby Atmosに加えてIMAX Enhancedの認証も取得しており、そのサウンド表現は映像業界のお墨付き。実際、サウンドだけでシアターの幻覚を見ましたからね。1,270W+1,200Wが生み出すエネルギーは伊達じゃない…。

サウンドバーの到達点「JBL BAR 1300MK2」

最近だとリアスピーカーの追加が可能なサウンドバーも増えつつありますが、7.1.4chのリアルサラウンドのサウンドバーでシステムを構築すると、4〜50万円近い予算になってしまうことも往々にあるわけです。その点BAR 1300MK2はその半分の価格で11.1.4chのサラウンド環境が構築できると考えれば断然リーズナブルに思えてきます。

サウンドバー+ワイヤレススピーカー+サブウーファーがひとつになってるわけですから、ここまでマルチなスピーカーはそうそうありません。ある意味でとてもガジェット的な発想ですし、かつサウンドにも一切の妥協がないときたらJBLの本気をひしひしと感じます…。

オーディオ環境をアップデートしたい人はもちろん、引越しなどを機にホームシアターの構築を検討中の方は、JBL BAR 1300MK2をぜひチェックしてみてください。生活動線やスペースの関係上で本格的なホームシアター環境づくりを諦めかけていた人にもオススメしたい一台です。

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