自宅を一瞬にしてミニシアターに変えてしまうプロジェクター。最近では、大きくて重いプロジェクターの概念を覆すコンパクト軽量なスマートプロジェクターが人気を集めています。
それに伴い、どんどん小型化が進むスマートプロジェクターですが、今回HP(ヒューレッドパッカード)からハンディサイズで高性能な新モデル「HP MP250」が登場。
片手でラクラク持ち運べる缶ジュースサイズに、Android、画面ミラーリング、オートフォーカス、自動台形補正とプロジェクターとして今欲しい機能が詰まったスマートプロジェクター。
今回は、メーカー様より先行で1ヶ月間お試しさせて頂いたので、そんなHP MP250を使った感想、メリット・デメリットなどを詳しくレビューしていこうと思います。
HP MP250の概要
「MP250」は、3月1日にHP(ヒューレット・パッカード)から発売されたAndroid TV内蔵のスマートプロジェクターです。
製品名 | HP MP250 |
---|---|
明るさ | 250ANSIルーメン |
解像度 | 854×480(WVGA) |
サイズ | 直径80 x 高さ140mm |
重量 | 約440g |
内蔵バッテリー | 無し |
スピーカー | 6W(3W×2) |
最大投影サイズ | 80インチ(投射距離:2.1m) |
オートフォーカス | 対応 |
台形補正 | 縦方向(自動調整)、横方向(手動調整) |
OS | Android TV 8.1 |
スピーカーモード | 対応 |
価格 | 69,300円(税込) |
このプロジェクターの最大の特徴は、数あるスマートタイプの中でも随一の小型軽量サイズであること。それでいて、台形補正やミラーリングなどプロジェクターとして最低限欲しい機能をしっかり抑えたバランス型モデルとなっています。
また、一般的なレーザー光源ではなく、有害なブルーライトを発さないLED光源を採用しており、長時間視聴でも目が疲れにくいのも本製品の特徴です。では、さっそく開封して外観や付属品、基本性能などをチェックしていきます。
HP MP250の外観・付属品
こちらがHP MP250本体。箱から取り出した第一印象は、とにかく小さい。そして軽い…!
表面は滑らかなアルミボディで、コンパクトながら剛性もしっかりあります。
サイズは直径80 x 高さ140mmと、ちょうど350ml缶と500ml缶の中間くらいの大きさです。高さはiPhone 13 Proとほぼ同じくらい。
重さも450gを切っており、同タイプのスマートプロジェクターの中では最軽量クラス。
握りやすい筒状であることもあり、手に持った感覚はほとんど缶ジュース。これだけ軽ければ室内で設置場所を変えるときはもちろん、外に持ち出すのも楽ちん。
本機はリモコン操作に対応していますが、本体天面のタッチパネルからも操作できます。
下部には、電源ボタンと各種インターフェース。このサイズでHDMI、USB-Aの両方ついてるのは嬉しいですね。電源供給はHDMI横のDCポートから行います。
Wi-Fiはもちろん、Bluetoothにも対応しているので、ヘッドホンやスピーカーに飛ばすことも可能。本体のBluetoothオーディオモードをONにすれば、これ自体がBluetoothスピーカー(6W)になります。
そして底面には嬉しい三脚穴。高さが必要だったり、不安定な場所でも三脚を使うことで安定した投影が楽しめます。
プロジェクター以外の内容物は、電源コード、専用リモコン、取扱説明書の3点と必要最小限。説明書は日本語に対応しています。
ひとつ注意点として、電源プラグは3Pタイプのものが付属します。
一般的な2Pに比べてノイズを防げるという理由でHP製品は3Pプラグを採用していますが、PCモニター用のコンセントタップなどがない場合は、↓のような変換アダプタを別途用意しておくと安心です。
付属のリモコンは操作性が良く、ラグもほとんどなくサクサク操作できます。ただし音声アシスタントには対応していません。
HP MP250の使用感レビュー
1ヶ月間HP MP250で動画視聴してみたので、実際に使用して期待以上だったこと、期待を上回らなかったことなど率直に感想をまとめていきたいと思います。
高精細な映像投影、目に優しいLED光源
小型化全フリともいえるHP MP250は、明るさ250ANSIルーメン、解像度854×480ピクセル(WVGA)と投影性能はあくまでスマートプロジェクターの平均的な値ではあります。
ただ、ドットの粗が目立つ一般的な3LCD方式ではなく、より鮮明な投影が可能な単板DLP方式を採用しているため、環境に左右されず高精細な投影が可能です。
明るさ250ANSIルーメンという値がやや不安でしたが、夕方以降の暗い環境であれば500ANSIルーメンを有するBenQ GS2と比べてもそこまで差を感じませんでした。明るい日中でも、カーテンを閉めきってしまえば問題なく視認できます。
欲をいうとフルHD解像度が欲しいところですが、その分筐体を小型軽量化できているわけなのでここは機動性とのトレードオフですね。
もう一つMP250の大きな特徴として、一般的なレーザー光源ではなく目に優しいLED光源が採用されています。有害なブルーライトを発さない他、省エネ駆動のため高耐久で動作音が静かといった点がLED光源のメリット。
動作音に関してはメーカーで公称値が表記されていませんが、投影中の騒音レベルを測定するとだいたい常に40〜50dBA(室内のエアコンの音くらい)と表示されます。
ファンが回っている音自体ははっきり聞こえますが、スピーカーが高出力なのもあって、いざ動画を見始めてしまえば本体の動作音はほとんど気になりませんでした。
プロジェクターとしての基本性能も充実
手のひらサイズのMP250ですが、投影サイズは最大80インチまで対応。焦点距離約2mで80インチ投影が可能なので、7畳の部屋でも壁一面にほぼ最大サイズで投影できました。
もちろんオートフォーカス機能も搭載。投影時にちょっとボケてるな〜と感じたら、リモコンのボタン操作一発でピント調整できます。
自動台形補正は、垂直(タテ)方向のみ対応。ややタイムラグがありますが、誤認識などなく綺麗に16:9のアスペクト比でサイズ調整されました。ちなみに水平(横方向)も手動での補正が可能。凹凸があったり、水平でないような場所でもある程度自由が効くのが嬉しいですね。
Fire TV Stickなどの映像出力機器は必須?
HP MP250は、OSにAndroid 8.1を搭載しています。
UI自体はスマホライクで操作しやすいのですが、肝心なアプリストアは純正のGoogle Playではなくサードパーティ製の「AptoideTV」なので、正直アプリ数や使い勝手の面はいまひとつ。
Prime Video、YouTube、Netflix、TVer、GYAO!、U-NEXT、DAZN、Disney+、FOD、Apple TV+など王道アプリは一通り揃っていますが、アプリ起動時のエラーが多かったり、Google Playに比べると全体的に動作がもっさりしてて、どうもイマイチ。
なので個人的には、動画配信サービスで映画やアニメを視聴する場合は、別途Fire TVやChromecastを使う方が良いと思います。
その点MP25は、HDMIやUSB-Aなどインターフェースが充実しているので、Fire TV Stickなど外部デバイスをいろいろ接続できる点で応用が効きます。
もちろんPS4/PS5、Nintendo SwitchなどのコンソールゲームもHDMIから接続可能。大画面投影でもラグはなく、スマブラなどの動きの早いゲームも遅延なく快適に遊べました。
サイズの割に音も重厚
どれだけ大画面・高精細に投影ができても音がチープだと臨場感は半減してしまいますが、360°全方向に音を出せるMP250はスピーカー性能も優秀。
この手の小型プロジェクターは、スピーカーユニットが3Wを切るモデルも多い中、本機は3W×2の6Wとなかなかの高出力。低域から高域までしっかり臨場感のある音を鳴らしてくれます。
スピーカーモード対応なので、一応Bluetoothスピーカーとしても使えます。ただ、2.1chのようなサブウーファーとかはないので、音楽再生機としてメイン使いするにはさすがに物足りないですね。BGM的な使い方であれば特に気にならないかなと思います。
HP MP250レビュー|まとめ
今回は、HP(ヒューレット・パッカード)から発売されたスマートプロジェクター「HP MP250」を使った感想でした。改めてレビューをまとめるとこんな感じ。
解像度が低めなことや、音声アシスタントに対応していない点など弱点はあるものの、Android搭載、LED光源採用、6Wスピーカーなどハンディサイズのプロジェクターとしては非常に完成度の高い一台となっています。
気軽に持ち運びできてオールマイティに活用できるプロジェクターをお探しの方はぜひチェックしてみてください。