光学式ラピトリを初体験。【Razer Huntsman V3 Pro TKL 8KHz】8000Hzポーリングは体感できる?

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「ラピッドトリガー」という響きを聞くだけでつい財布の紐が緩んでしまう。そんな感じで、これまでもいくつかの“ラピトリキーボード”を試してきました。

ただ、そのほとんどが磁気式(ホールエフェクト)のスイッチを採用したモデルで、光学式のラピッドトリガーはあまり触れてこなかったんですよね。

「磁気式と何か違うんだろうか?」そんな疑問がずっと頭の片隅にあったところに、Razerの光学式スイッチモデル「Huntsman V3 Pro」がポーリングレート8000Hz対応の新型になったと知り、これは試すしかないなと。

というわけで今回は、テンキーレスモデルの「Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHz」をしばらく使ってみたので、使用感をまとめていきます。

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「Pro」を冠するだけの重厚感と打鍵感

まず手に取って感じたのは、テンキーレスなのにずっしりとした重量感。

公称約719gということで、数値だけ見ると「ただただ重そう」って感じなのですが、これが良い方向に効いていて、激しい操作をしても本体がズレにくく安定感があります。

トッププレートには航空機グレードのアルミニウム合金が使われていて、ヘアライン加工の質感も含めてかなり高級感があります(見た目の重厚感だけでテンションが上がる)。

キーキャップはダブルショットPBT製で、テクスチャー加工が施されているぶん指の乗りは良好です。指先が滑る感覚が少ないので、長時間タイピングしていて疲れにくいと感じます。

打鍵感ですが、まず第2世代のアナログオプティカルスイッチの恩恵は大きいなと。適度な重みを感じつつも、キビキビとしたフィードバックが返ってきます。押下圧は約40gとやや軽めで、浅めのアクチュエーションポイントと組み合わせると、軽く触れただけでスッと入力が通る感覚が最高なんですよ。多少斜めに力がかかった状態でも、しっかり反応してくれるブレの少なさも好印象です。

底打ち時の感触もカツンと硬すぎず、かといってフニャっと頼りないわけでもなく、ちょうどいいクッション感で、打っていて爽快感みたいなものもあります。

これは店頭で無印モデルと打ち比べたときも感じましたが、静音性のアップデートという意味ではやはりそこまで劇的な変化はないかなと。内部のフォーム構造が改善されたことで、金属的な“カンカン”という響きはそれなりに抑えられていますが、キー自体の“カチャカチャ”という残響自体はまあ、ありますね。

激しくタイピングすればそれなりに違いが感じられますが、ゲーミングでそこまでガチャガチャ叩く人はいないと思うので、静音性を求めて8KHzにアップデートするのは個人的にはおすすめしないかなぁと。

ちなみに専用のマルチファンクションダイヤルや操作ボタンは付いていません。フルサイズモデルとの差別化ポイントらしいのですが、メディア操作はFnキーとの組み合わせで代用できるので、個人的にはそこまで不便には感じませんでした。

ラピッドトリガーと光学式スイッチ

本題のラピッドトリガーですが、結論から言うと、磁気式で慣れていた感覚とほぼ変わらない精度で動作してくれました。

キーを離してアクチュエーションポイントまで戻らないと入力がオフにならない通常のキーボードと違って、ラピッドトリガーを有効にしておけば、キーを離した瞬間に入力がリセットされます。

このあたりの挙動自体は磁気式と同じ理屈なのですが、光学式は温度や磁石の影響を受けにくいぶん、長時間使っていても数値のブレを感じにくいのは個人的に評価したいポイントでした。実際に磁気スイッチの場合デスクにマグネットのアクセサリーを置いていたり、真夏に部屋が暑くなったりすると、微妙にアクチュエーションポイントがズレるみたいなことが起きますから。

周辺環境に左右されず、チャタリングの類とも無縁なのはやはり強みですね。もちろん磁気式にも磁気式の良さはあるので(低コスト、高耐久など)一概にどちらが良いとは言えませんが、少なくとも「入力のブレを徹底的に消したい」という競技志向のユーザーには、光学式のこの安定感は刺さる部分だと思います。

アクチュエーションポイントは0.1〜4.0mmの範囲でキーごとに個別調整できるので、WASDだけ浅めに、逆に誤爆しやすいキーは深めに、といった細かいチューニングができるのも相変わらず嬉しいポイント。

同時押し時の挙動を制御する「スナップタップ」も搭載していて、AとDのようなキーを離す前に次のキーを押しても、ちゃんと切り替わって入力される仕様です(レレレ撃ちみたいな左右の細かい動きを多用するときにありがたいやつ)。

一方で8000Hzポーリングについては、正直なところ体感できるレベルの差は期待しない方がいいです。レイテンシーは1000Hz比で約11%向上、実効遅延は0.58ms前後とされていますが、あくまで理論値ですよ。ぶっちゃけコンマ何ミリ秒みたいな話なので、よほどシビアな環境でない限り基本は「速くなった気がする」留まりだと思います。

ともあれ理論値として遅延が減っているのは事実なので、少しでも有利な環境を整えたい人は無印モデルからの乗り換えもアリだと思います。それこそこれからV3 Proを買うということなら、そもそもフォームが刷新されている8KHzの方を推したいですね。

ソフトウェアのやり込み要素も

基本的な設定はコンフィギュレーションソフト「Razer Synapse」から行う仕様ですが、本体だけでもアクチュエーションポイントやラピッドトリガーの調整ができるのも個人的にありがたいポイント。矢印キー上部のLEDアレイから数値を確認できるので、アプリを開けない環境でも同じ設定を一瞬で呼び出せます。

それこそ大会会場やLANパーティーみたいな、ソフト導入できない環境でも設定を持ち込めるのは、さすがプロ向けモデル。

ちなみにSynapse側では、スナップタップの詳細設定のほかに、WASDキーを左スティックに見立てるゲームパッドエミュレーションも搭載されていて、ここまで来るとやり込み要素的な、ガジェット的な面白さもあります(触っているだけで時間が溶ける)。

直販価格は3万円台とけっして安くはありませんが、ラピッドトリガーと高いビルドクオリティを両方求めるなら、選択肢の一つとして候補に入ってくる一台。ストッピング精度をもう一段階上げたい、あるいはキーボード沼にそろそろ片足を突っ込んでみたいという人は「Razer Huntsman V3 Pro Tenkeyless 8KHz」チェックしてみてはいかがでしょうか。

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