最近、ちょっとRazerのアイテムにハマっていて。マウスやキーボードを立て続けに試しているうちに、気づけば机の上がスネークロゴだらけに……。
そんな流れで気になっていたのが、無線ヘッドセットのフラッグシップモデル「BlackShark V3Pro」。
「ワイヤレスなのにマイクがちゃんと使える」と評判のシリーズだと聞いていたので、これは一度試すしかないだろうと。新版になってANCも搭載されたとのことで、期待半分、実際どうなんだろうという好奇心半分で手に取ってみました。実際に1週間ほどじっくり使ってみたので、ファーストインプレッションをお届けします。
装着感はかなりいい
まず本体まわりから。側面のヒンジ部分は可動式で、頭の形に合わせて自然にフィットします。以前BlackSharkを試した際はほぼ固定に近い作りだったので、この時点で印象がかなり変わりますね。関節部分には金属パーツが使われていて、触った感触からも耐久性への配慮がうかがえます。

イヤーカップが回転式になっているのも地味に嬉しいポイント。首にかけた時にしっかり収まってくれるので、ちょっとした所作でもストレスがないんですよね。

ちなみにフェイスプレートはマグネットで着脱可能で、外すと重量を15gほど軽くできます。見た目的にもプレートなし状態のパンク感が好みなので、僕は常時外しちゃってますね。ちなみに別売のデザインプレートに交換もでき、このあたりの作り込みはRazerらしいなと。

プレート込みの重量は380g近くあり、決して軽い部類ではありません。ANCユニットが入ってるので仕方ない部分ではあるのですが……。イヤーパッドはクッション厚がしっかりあり、密閉性重視といった設計です。側圧はそこそこありつつも、フィット感がちょうどいい。心音しか聴こえないレベルの極端な圧迫感がないのもいいです。没頭してると4、5時間つけっぱなしみたいな日もざらですが、そうした長時間の装着も不快感の類はゼロでした。

そして、ボタン類の配置が分かりやすい。トグルを押し込むと物理的にミュートボタンが飛び出す仕組みなので、暗い部屋でも指先だけでミュート状態がわかるのが地味に便利。ドングルはNaga V3 Proにも同梱したコンパクト仕様なので、ポート挿しっぱなしでも存在感が薄いのは嬉しい。ケーブル類も総じて質感がよく、開封した瞬間から「ちゃんと作ってあるな」という安心感があります。
音とマイク
ドライバーにはバイオセルロース素材が新採用されています。中低音の再生能力が自然で、ハーマンカーブに近いバランスの取れたチューニング。高音がキンキン刺さることもなく、聴いていて気持ちいい音でした。Windows向けの7.1chバーチャルサラウンド「THX Spatial Audio」を使うと音の定位感がぐっと広がり、さらに没入感が増します。ただしFPSでは逆に音がぼやけて感じるシーンもあり、ここは用途ごとに使い分けたいところです。

ちなみにTHX Spatial Audioを使う場合は、Windows側の「立体音響」機能はオフにしておく必要があるようです(両方オンにしていると音が干渉し合うらしい)。
で、無線なのにまったく遅延を感じない。ゲームだろうが映像コンテンツだろうが本当に遅延がない。無線である以上(たとえaptX LLであっても)多少のリップシンクに遅延が起きるものですが、本機はコンマの遅れも感じない。さすが「最速ヘッドセット」を謳うだけあるなと感動しちゃいました。
そして新搭載されたノイズキャンセリング。PCのファンノイズや空調音はガッツリ消してくれます。ただし高音域のノイズ処理は、過去に使用したソニー製のヘッドセットに一日の長がありそうだなと。たとえば、Synapse上で4段階のMAX強度にしても、自分のタイピング音や女性の話し声なんかはちょっと聞こえるかな。密閉カップのパッシブの遮音性がそもそも高いので、ANCはあくまでその補助的なイメージです。
もう一つ本機の目玉が、カプセルが12mmに大型化されフルバンド対応になったマイク性能。

正直かなり期待していたんですが、自分の声を録って聞き返したところ思いの外こもって聞こえたんですよね。ただ、マイク位置を口元から数センチ離して再集音したところ、ちゃんとパキパキの明瞭な声になりました。EQをブロードキャスト寄りに切り替えて低音を削ってあげると、さらにクリアで聞きやすい音質になり大満足。マイク出力の処理傾向まで調整が効くあたり、プロユース想定モデルおそるべし。。

ちなみにFPS向けのプロゲーマー監修EQも目玉のひとつなんですが、これは正直評価が分かれると思います。足抜けや接近音の聞き取りやすさと、低音の強調による不快感のトレードオフだなと。ゲームやプリセットとの相性次第ですかね。
Synapse上の拡張性の高さは、もう言わずもがなですよ。ゲームごとにイコライザーを自動で切り替えてくれるプロファイル機能もそうですが、個人的には本体のダイヤルにゲームチャットバランスや足音強調を割り当てられるのが最高。細かい設定をあれこれいじるのが好きな人には、この上なく凝り甲斐のある一台ではないでしょうか。
前モデルからの価格アップも納得?

一通り触ってみて感じたのは、ハードウェア・ソフトウェア両方の完成度が総じて高い。ドライバーの進化やマイクのカスタマイズ、ANC搭載は評価したいところですし、装着感だって良い。ただ、FPS用EQが目当てならやはり購入前に自分の環境で試せるなら試しておきたいところですね。
価格は約4万円。財布からヘッドセットに出せる金額と考えると確かに高級品に違いないですが、THX Spatial AudioやANC対応、ヒンジの可動などで個人的には十分相殺されるなと。バッテリー持ちも公称70時間とかなり余裕があるので充電の手間を最小限。
EQやアプリ側の調整でさらに追い込める余地はあるはずなので、当面はSynapseに張り付くことになりそうです。
ちなみに今回筆者が使用したのはRazerを象徴する“802Cグリーン”を全面にカラーリングした「Esports Green Editionモデル」ですが、ベーシックなブラックやホワイトモデルも展開されているのでチェックしてみてください。

