すっかり定着した「リモートワーク」。せっかく自宅の作業環境を整えても、モニターの選び方ひとつで作業性がまったく変わるもの。
ロピログではこれまでもいくつものモニターをレビューしていますが、今回新たに“MacBookユーザーのために作った“というグレアパネル搭載の32インチ4Kモデルが登場しました。それが「BenQ MA320UP」です。
外部ディスプレイで広大な作業スペースを手に入れたい、なおかつ、MacBookのRetinaディスプレイの色味と限りなく近い色であってほしい。さらに、より映像をくっきり描写できるグレアパネルモデルを探している。そんな人は必見です。今回はベンキュージャパンより1ヶ月間使用機会をいただいたので、使用感や機能面などレポートしていきます。
MacBookと親和性抜群のハードウェア
まずは本体外観から。装飾を廃したスタイリッシュなデザインは、MacBookと並べたときにこれでもかというくらいマッチしてくれます。

下部には「BenQ」のロゴが印字されていますが、同系統色なので主張は控えめ。

MA320UPのハードウェアの大きな特徴として、台座前部にはラバーパッドが施されています。クラムシェルモード時のMacBookをこのパッドに載せることで傷がつきにくく、デスクに直置きせず済むため汚れ防止になるのが嬉しいポイント。

ハードウェアのスペックは、31.5型インチ4K UHD解像度(3840×2160)ディスプレイで、可動域は上下へのかたむき(チルト)が-5〜20度、左右首ふり(スイーベル)が15度。くわえて90度のピボット回転も可能で、縦表示への切り替えにも対応します。
MacBookシリーズならではの設計として、最大115mmまで広げられる高さ調整にも対応。ディスプレイ真下にMacBookを配置しても、表示領域に干渉しないよう設計されているとのこと。(ただし13インチモデルに限る)
もちろん同社のスクリーンバーとの併用も問題ありません。

MacBookに限りなく近い色味と画質
「Mac向けモニター」と謳うだけあり、色味の一貫性は同社他モデルと比較しても一線を画します。くわえて、BenQモニターお馴染みの「M-bookモード」という独自のカラーモードに設定してしまえば、これだけMacBookの発色に限りなく近い色味がだせます。(いじったのは輝度だけ)

コスパモデルには「Mac推奨モデルと謳っているのにいざ繋いでみると全然色味がちがう・・」なんてこともざらにありますが、デフォルトの発色がMacBookそのものである上に、ちゃんと標準でそれ専用のモードが付いてるMA320UPに限ってはそんな心配は皆無なわけです。
さらに、Appleが策定したDisplay P3カバー率は97%(sRGBは99%カバー)、コントラスト比は1300:1、最大輝度(HDR)は600 cd/㎡を誇っていますので、色合いや発色の精度に関してもかなり信用できます。

これより上の正確さを追求するとなると一気に「数十万円の業務用カラーマネジメントモニター(同社PDシリーズなど)」に選択肢が絞られるので、費用対効果という意味ではMA320UPの右に出る者はないといっていいでしょう。しかも32インチで解像度が4Kですから、DaVinci ResolveやLightroomのような画面を大きく使うソフトでの視認性も抜群。たいていの作業はこのモニター1台で完結しちゃいます。
極め付けは、光沢仕上げのグレアパネル搭載モデルであること。「Nano Glossコーティング」を採用し、黒はより深みがあり、ハイライトはより鮮やかに、コントラストもより美しく感じられるのが魅力です。

色彩の表現力に優れているので、写真や動画の鑑賞など、映像の美しさを重視するなら断然グレアパネルモデルがおすすめ。また、斜めから見た際の画面も、自然かつ鮮明さを維持。どの角度から見ても色味などが変わらず美しく見え、作業の支障になりにくい印象でした。
USB-C1本でMacとつながるシンプルさと拡張性
ディスプレイ背面、底面には各種インターフェース。

Type-Cケーブル1本でMacBookと連携可能で、付属のType-Cケーブルを使えば最大90Wの電源供給もまかなえます。出力65W止まりのモデルが主流の中、90Wで給電できるのは16インチMacBook Proユーザーにとってもありがたいポイント。

他のUSB端子に外付けSSDやスマホの充電ケーブルを繋げば、USBハブなしでワークスペースをゆったりと確保できます。ちなみにHDMI端子も2つそなえており、コンソールゲームやWindowsのデスクトップPCなども接続可能です。これだけ発色がいいモニターですから、Mac以外のデバイスでも活用したいですよね。
操作は専用ソフト「Display Pilot 2」でより簡単に
そして何といってもBenQ専用のソフトウェア「Display Pilot 2」。これがまた便利なんですよ。解像度や明るさ、HDRや自動ピボットの有無といったディスプレイのあらゆる設定を、画面上でコントロールできるというもの。

従来はモニター本体に手を伸ばして物理ボタンでカチカチ操作して色味をいじってましたが、MA320UPはカラーモードやコントラストなどふくめ全て画面上で直接操作できるようになっています。
その他、MacBookのキーボード操作での輝度や音量変更にMA320UPを連動させられる「iKeyboard Control」や、周囲の明るさを自動検知し、モニターの輝度を自動調節するVisual Optimizer機能にMacBookが連動する「Brightness Sync」、MacBookの集中モード変更時にブルーライトやオーディオ調整など丸ごと変えられる「FocuSync」など・・これでもかというくらいMacBookとの連動性に拘り抜かれています。
内蔵スピーカーの音質は・・
MA320UPはスピーカーを内蔵しているため、PC側の音声を出力させることができます。
とはいえスピーカー性能は一般的な3W × 2のステレオスピーカー。2.1chスピーカー内蔵のEWシリーズなどと比べても音はお世辞にも良いとはいえません。
MacBookの内蔵スピーカーの方がふつうに音質は上なので、MacBookの外部ディスプレイとしてMA320UPを使う際はスピーカーの出力先だけMacに戻しておくのが賢明かなと。

そもそもこれだけMacBookとの連動性に優れ、発色も申し分なしのモデルですから、「音も鳴る」時点で優秀には違いないですが…「音質にもしっかりこだわりたい」という人は3.5mmオーディオジャックでスピーカーやヘッドホンを挿して音を取るのが間違いないでしょう。
Macユーザー向けグレアパネルモニターの最適解

この領域のディスプレイを検討している人のほとんどがクリエイターだと思いますが、MacBookとの親和性や広色域と色精度が求められる場面において、右に出る者のない、そんなモニターです。
実売価格108,909円(Amazon)と値段は確かに高いですが、これ以上のスペックを求めるとそこはもうApple純正のStudio Display、もしくは数十万円のプロ向けモニターの世界ですからね。機能に対して現実的にまだ手が届く範囲の「MA320UP」は、プロアマかかわらずクリエイターにとって、最善でないにしろ最良の選択肢になり得る一台じゃないでしょうか。
インターフェイスや機能面も不足はないですし、クリエイティブ用途において八面六臂の働きが期待できるMA320UP。「MacBook用にハイスペックなモニターを一台そなえたい」そんな方はこの機会に狙ってみてはいかがでしょうか。




