高性能なペンタブレットをラインアップする新興メーカーのHUIONから、Android内蔵タブレットの新作「kamvas slate 13」が登場しました。
付属するスタイラスペンを使ってイラストを描くことはもちろん、高いリフレッシュレートを活かしてゲームや動画も楽しめる、コストパフォーマンスにすぐれる一台です。今回はHUIONよりレビュー機会をいただいたので、そんな多機能タブレットの性能や使い勝手の良さなどレポートしていきます。
HUION kamvas slate 13
HUION kamvas slate 13は、12.7インチの4:3 QHD(2176×1600)ディスプレイを搭載したAndroidタブレットです。

本体には8コアのMediaTek Helio G99プロセッサを搭載しており、256GBのストレージを備えています(最大1TBまで拡張可能)。
あらかじめスタンド機能付きレザーケースがセットで付属。

フラップカバーを折り曲げて角度調整できるのが便利で、液タブとして使用したり、動画やゲームに適した角度に調整するなど、スタンドとしても非常に重宝します。

高コスパなエンタメタブレット
Androidタブレットとしての基本スペックですが、OSは最新のAndroid 14。プロセッサーには、MediaTek社のミドルクラスSoCである「Helio G99」を搭載し、メモリー容量は8GB。
近しい価格帯のAndroidタブレットと比較するとスペックは総じてワンランク高く、画面を分割してのマルチタスクや複数のレイヤーを扱ったイラスト作成など負荷のかかる作業もラグを抑えて円滑に操作が可能。前述のスタンドにもなる専用ケースや、筆圧感知機能を搭載するスタイラスペン「H-Pencil」などが付属することも含め、コストパフォーマンスにすぐれた一台となっています。

また、リフレッシュレートは90kHzと高水準なこともあり、画面の滑らかさはiPad Proと比較しても互角に感じました。動画視聴やゲームプレイ用途でも滑らかな映像で楽しめます。
試しにデバイス負荷の大きい「原神」をプレイしてみたところ、グラフィック設定を最高(フレームレートは60Hz)にしてもしっかり遊べました。3Dグラフィックのアクションゲームなど一部の負荷の高いゲームを除けば、kamvas slate 13で心許なく感じることはないでしょう。また、Google「Playストア」がプリインストールされているので、スムーズにインストールしてプレイできます。

どんな時でもお手軽スケッチ
ディスプレイにフルラミネーション加工が施されているのもkamvas slate 13の大きな特徴。カバーガラスと液晶ディスプレイを一体化することで、タッチ感度の向上、ラグの制御、映り込み防止といった、タッチ操作とペン操作の快適性を上げる工夫が施されています。
slateシリーズは、さらにナノエッチング加工で紙のような自然な描き心地と低反射を実現しているとのこと。このあたりは、液タブやペンタブを中心に取り扱っているHUIONならではの強みですね。

B5サイズのノートと変わらない携帯性と、フルラミネーションディスプレイ、4096段階の筆圧感知を搭載するスタイラスペンをを活用することで、シーンを限定せずあらゆる用途でクリエイティブ作業ができます。たとえば、講義やレポートの作成、メモを取ったり、出先でサクッと風景をスケッチするなど‥汎用性高く活用できます。

また、搭載されているノートアプリ「HiNote」は、kamvas slate 13に搭載されている13MPリアカメラと連動することで、写真を取り込んで視覚的なメモを作成するなんてことも可能です。

kamvas slate 13のここは気になる
描画ツールとしても、Android端末としても完成度の高いkamvas slate 13ですが、強いて気になる点を挙げるなら、パネルがアンチグレアであることでしょうか。iPadなどグレア液晶の鮮やかさに慣れている人は、物足りなさを感じるかもしれません。
あとは、付属のスタイラスペンに搭載されているサイドボタンのカスタマイズ(ラジアルメニュー、ブラシ/消しゴム切り替え、パレット表示、取り消し、やり直し、無効化など)が、「ibisPaint X」や「HiPaint」といった特定のプリインストール済みのソフトウェアでしか機能しないことでしょうか。使用するソフトウェアによってはサイドボタンが無効化されてしまうケースがあるので、その点のみ残念ポイント。
7万円台のオールインワンAndroidタブレット
きわめてコストパフォーマンスにすぐれるAndroidタブレット「kamvas slate 13」。同価格帯のタブレットの中でもスペックが優秀なうえ、スタンドを兼ねる専用ケース、筆圧感知機能付きのペンも同梱と至れり尽くせりな一台。また、プリインストールアプリが充実していたりと、購入後迷いなく使い始められる点もうれしいポイント。
日常的にデジ絵を描く人にとってはスペック不足なのかもしれませんが、イラスト初心者の筆者からすれば必要十分な機能、操作性で、快適にペン操作ができました。フレームレートも90Hzと滑らかなので「iPadみたいにお絵描きは単体で完結したい、かつiPadより滑らかな操作性を手に入れたい」という方はkamvas slate 13を狙ってみてはいかがでしょうか。
同8コアのMediaTek Helio G99プロセッサを搭載した11インチモデル(128GB)もあるので合わせてチェックしてみてください。
12.7インチモデル
11インチモデル