各メディア界隈で話題となっている左手用のコントローラデバイス「TourBox」。
有線接続でしか使えなかった従来モデルでしたが、ついにBluetooth接続に対応した第3世代モデル「TourBox Elite」が登場しました。
主な機能は前モデルの「TourBox Neo」から大きく変わっていませんが、ワイヤレスで使えるようになったほか、操作性の面でいくつかのアップデートがあります。
今回は、メーカー様より先行で1ヶ月間お試しさせていただいたので、そんなTourBoxの最新モデルを使った感想、メリット・デメリットなどを詳しく紹介していきます。
⬇︎第2世代(TourBox NEO)のレビュー記事
TourBox Eliteの概要
「TourBox Elite」は、TourBox社から発売されたクリエイター向けの左手デバイス。初代、2代目と続き、3代目となる今モデル。
片方の手にマウスやペン、逆の手でTourBoxを使うことであらゆるクリエイティブ作業を快適に進めることができる、”汎用型コントローラー”。
そんなTourBoxは、ダイヤルやスクロール含む11種類もの操作ボタンを搭載。写真や動画、音楽の編集をはじめ、あらゆるパラメーター調整やツールの切替え、ショートカットなど直感的に操作できます。
まず専用ソフトから各ボタンに操作を割り当てるのですが、このコンソールソフトの使い勝手がまた秀逸なんですよね(詳しくは後述します)。
どのボタンにどの操作を割り当てるかってことを考えながら、画面上の本体イラストを見つつサクサク登録できます。筆者は根っからの効率厨なんで、カスタマイズしてるこの時間が一番楽しい。
一度キーを割り当ててしまえば、あとはボタン一つでいつでもガイド表示できるので、その都度ガイドを見ながら少しずつ手に馴染ませられるのもポイントです。
Neo と Elite の違い
前モデルのTourBox NEOから変わったポイントは主にこの3つ。
- Bluetoothの無線接続に対応
- 回転系ボタンが触覚フィードバックに
- カラバリの登場
Bluetoothの無線接続に対応
なんと言っても、これまで有線接続でしか使えなかったTourBoxがワイヤレスで動くようになったのが最大の変更点。
見栄えがスッキリするのはもちろん、用途に応じて自由に配置を変えられるのが大きなメリットですね。
また、無線になったことで使用時以外は引き出しにしまってもいいし、なんならバッグに入れて出先でも使えちゃいます。
回転系ボタンが触覚フィードバックに
内部に振動モーターを搭載したTourBox Elite。ノブ、スクロール、ダイヤルの駆動が感覚的にわかるので、カチカチと目盛りをいじってるような感覚が得られます。この振動強度も微調整が可能。
さらに、ノブ、スクロール、ダイヤルはすべて調整スピードのカスタマイズに対応。↓のように、回転速度自体は同じでも、速度に緩急をつけられます。
カラバリの登場
これまではブラック一色だったTourBoxシリーズ。今回から、クリアブラック(モダンスモークブラック、白(アイボリーホワイト)の2色を加えた全3カラーから選ぶことができます。
デスク周りを白系アイテムでまとめている僕としては待望のホワイト…!ゲームボーイを彷彿とさせるようなスケルトンのブラックもかっこいいんですが、悩んだ結果やはりホワイトを注文しました。
ちなみに今回は先行でクリアブラックを送っていただいたので、そちらを使ってレビューしていきます。
TourBox Eliteの外観やデザイン
開封すると、TourBox Elite本体、USB-Cケーブル、単三電池2本、取扱説明書の4点が入っていました。
本体、付属品ともにポーチに入っているのが良心的。生地もしっかりしてるので、そのまま持ち運び用に使えます。
こちらがTourBox Elite本体。中身が透けて見えるクリアブラックは、従来のマットブラックとはまた違ったカッコよさがありますね。
サイズはW11.6×D10.1×H4.0cmで、だいたい手のひらに収まるくらい。ちなみにサイズ形状は従来モデルから変わっていません。
基本は据え置きで使うものなので重さはあまり関係ありませんが、実測427g(電池込)とそれなりにずっしりきます。
底面四角には位置ずれ防止のラバー。本体自体が重いこともありしっかり安定して使えます。
全面に大量のボタンがついていて、それぞれにショートカットキーやビルトインの動作を割り当てられます。
「どこにどのキーを割り当てるか…?」
悩ましいところですが、あらかじめ使用ソフトごとにプリセットが多数用意されているのがTourBoxの良心的なポイント。
慣れるまでは用意されたプリセットを使いつつ、少しずつ自分好みにカスタマイズしていくといった使い方がおすすめ。最初から画面とにらめっこしながら手動登録していくと疲れちゃいますしね。
Bluetoothのワイヤレス接続ができるTourBox Eliteですが、従来どおりケーブル接続で使用することも可能です。有線の場合、上部のUSB-C端子に付属のケーブルを繋いで使います。
バッテリーは内臓していないので、Bluetooth接続で使う場合は乾電池で駆動させます。バッテリー内臓型の場合どうしても劣化しますが、電池式なら半永久的に使えるので個人的には嬉しい仕様。
TourBox Eliteの使用感レビュー
初心者にも優しいコンソールソフト
TourBoxは、専用のコンソールソフト上でキーの割り当てを登録するのですが、この専用ソフトがとにかく使いやすいんです。
⬇︎ソフトダウンロード
左上にソフトごとの「プリセットリスト」が並んでおり、ここから好きなようにキー設定していくだけ。
プリセットは一から自作することもできますし、あらかじめ用意されているパッケージからダウンロードすることもできます。
各アプリの「ショートカット配列の最適解」がここに用意されているわけなので、最初はこれらの初期プリセットから試していくのがおすすめ。
で、気に入らない割り当てがあったら、そのボタンを入れ替える。といった具合に少しずつ自分好みにカスタマイズしていくのが効率的ですね。STREAM DECKみたいに全部自分で登録するようなデバイスに比べて断然とっつきやすい印象を受けました。
⬇︎プリセットダウンロード
また、一度キーを割り当ててしまえば、あとはボタン一つでいつでもガイド表示できるので、その都度ガイドを見ながら少しずつ手に馴染ませられる仕様も非常に便利です。
それから、使うアプリに応じてプリセットが自動で切り替わるオート切替の動作もスムーズ。たとえば、PhotoshopからLightroomに切り替えるときもラグ無くプリセットが切り替わってくれます。
ダイヤルやノブの操作感が秀逸
今モデルに限らずいえることですが、TourBoxのダイヤルやツマミの操作性が秀逸。なんならこの回転系ボタンのためだけに購入しても良いくらい。
ダイヤル付きの左手デバイス自体はこれ以外にもありますが、TourBoxは配置、形状、操作性すべての設計が”ちょうどいい”んですよね。
中でも秀逸なのが、左上の縦回転ダイヤル。マウスのホイールと同等の操作感で、LightroomやFinal Cut Pro等あらゆる編集ソフトの拡大縮小操作にめちゃくちゃ重宝してます。
これは従来モデルにはなかった機能ですが、ダイヤルをひねる度に「コツコツ」と音が鳴ってダイヤルが振動します。
このフィードバックのおかげで、細かい操作も目盛りを刻むように微調整できて便利。特に↓のようなパラメータのスライダー調整なんかは、一度この回転操作に慣れるとマウス操作に戻れなくなりますw
”目視確認”なしで直感的に操作できる
Stream Deckなどのボタンが並列に並ぶ左手デバイスは、そのボタンにどういう操作が割り当てられているかがアイコンを見ればわかります。
一覧性、手軽さという点では、それら一般的な左手デバイスの方が優れていますが、操作のたびに必ず”目視確認”が必要。
一方で、それぞれ異なる形のボタンが配置されたTourboxは、一度慣れれば手の感覚だけで直感的に操作できるのがメリット。2週間も触っていると、頭で考えるより先に手が動くようになります。
従来製品とはそもそもデバイスとしての方向性も違いますが、同じポジションの据え置きデバイスとして結構大きな違いですよね。
その分、新しいプリセットに触れるときは熟練コストがかかりますが、使い慣らしたあとの操作性を考えると断然Tourboxに軍配が上がります。クリエイティブワークに選ぶ左手デバイスなら、言わずもがなTourbox一択。
ワイヤレスで設置場所を選ばない
今モデルの大きな特徴の一つが、ワイヤレス接続で使えること。
見栄えがスッキリするのはもちろん、自由に配置を移動できるのがメリット。
Bluetooth接続の安定性だけ気になっていましたが、ペアリングはもちろん、操作時の遅延なども全く気にならないくらい安定しています。有線接続した時と変わらない使用感です。
また、ワイヤレスになったことで使わないときは引き出しにしまってもいいし、なんならバッグに入れて持ち出すこともできます。
Tourbox Eliteレビュー|まとめ
今回は、Tourboxのクリエイター向け左手デバイス「Tourbox Elite」を使った感想でした。改めてレビューをまとめるとこんな感じ。
総評すると、左手専用のコントローラーとしてこれ以上なく使いやすいデバイスといえます。ワイヤレス化したのはもちろん、各ボタン・ダイアルが直感的に操作でき、写真や動画編集をはじめあらゆるパラメーター調整やツールの切替え作業が快適になるアイテム。
すでに現行機を使っている人も、ワイヤレスやカラバリ、触覚フィードバックふくめアップデートする価値は十分にあるかなと思います。現在公式サイトからプレオーダーというかたちで購入可能なので、気になる方はぜひチェックしてみてください。