イギリスの老舗オーディオメーカー「KEF」から、新型アクティブスピーカー「LSX II」が発売されました。
2019年発売の「LSX」の第2世代モデルとして登場した今作。前モデル同様の第11世代Uni-Qドライバーが最新設計にアップデートされ、コンパクトな筐体から想像もつかないようなパワフルかつ高解像なサウンドが特徴。
部屋のサイズや空間密度に合わせて最適な音質をつくる「Roomイコライザー」といった”KEFならでは”の機能も搭載。また、今作から外部接続にHDMポート、USB Type-Cも追加搭載されています。
今回は、KEFより1ヶ月間実機をお借りできたので、そんなLSX IIをメインのPCスピーカーとしてしばらく使った感想、音質など詳しくレビューしていきます!
KEF LSX IIの概要と外観
「LSX II」は、イギリスのオーディオメーカー「KEF」から、2022年7月に発売された新型ワイヤレススピーカーです。
製品名 | KEF LSX II |
---|---|
ドライバー ユニット | 11世代Uni-Q® ドライバー |
内蔵アンプ出力 | 200W |
最大ソース解像度 | 最大24bit/384kHzまで対応 MQA^ DSD |
ワイヤレスプラットフォーム | W2ワイヤレスプラットフォーム |
入力 | HDMI ARC TOSLINK光入力 USB Type C アナログ3.5mm AUX RJ45 イーサネット(ネットワーク) RJ45 イーサネット (左右スピーカー間) |
出力 | RCA サブウーファー出力 x1 |
Bluetooth接続 | 対応 |
対応ワイヤレス ストリーミング | AirPlay 2 Google Chromecast Roon Ready* UPnP Compatible Bluetooth 4.2 |
対応ストリーミングサービス | Spotify Tidal Amazon Music Qobuz Deezer QQ Music Internet Radio Podcast |
寸法 | 155×180×240mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 1セット7.2kg |
対応アプリ | KEF Connect |
茶色のダンボール風なパッケージに厳重梱包されて届きました。
内容物として、スピーカー本体、電源コード、左右スピーカー接続ケーブル、赤外線リモコン、リモコン用電池、取扱説明書が入っていました。付属物は至ってシンプル。
各種操作や設定は専用アプリ「KEF Connect」から可能ですが、親切に専用リモコンまで付属します。入力切り替えやボリューム調整が手元でサッと操作できるのが嬉しい。(全スピーカー標準装備にしてほしい…!)
カラバリは、全面マットサテン加工のミネラルホワイト、光沢のあるラヴァレッド、ファブリック地を使用したカーボンブラック、コバルトブルー、サウンドウェーブ・バイ・テレンス・コンランエディションの全5色展開。今回はカーボンブラックをお借りしたのでそちらを使ってレビューしていきます。
イギリスを代表するデザイナーのマイケル・ヤング氏が監修する本体デザイン。サテン仕上げのマット加工のフロントに、周りはファブリック地という珍しい組み合わせ。スピーカー特有のゴツゴツ感がなく、インテリアに溶け込むモダンなデザインがたまらないですね。(前述のとおりカラーによって表面加工は異なります)
筐体サイズは155W×240H×180Dmmと、小型の定番モデルAudioengine A2+ Wirelessと比べると二回りくらい大きいサイズ感。ごく一般的なスピーカーサイズといった感じですが、200Wのアンプを内蔵していることを考えると非常にコンパクト。
とにかく端子類が豊富なLSX II。前モデルにはなかったHDMI、USB Type-Cも追加され、テレビやノートPCとも気軽に接続することができます。これだけ端子が揃えば接続で困ることはまずなさそう。
インターフェース
- HDMI ARC
- TOSLINK光入力
- USB Type C
- アナログ3.5mm AUX
- RJ45 イーサネット(ネットワーク)
- RJ45 イーサネット (左右スピーカー間)
ドライバーユニットは、同社スピーカーでおなじみのUni-Qドライバー。高域用に19mmのアルミニウムドーム、中低域用に115mmマグネシウム/アルミニウム合金製振動板を採用。
スタンドは付属しませんが、別売の専用スタンドと組み合わせることで床置き、卓上、壁掛けに対応可能。ネジが外から見えない構造も底面デザインまで拘りを感じます。
1ヶ月ほどメインスピーカーとして使ってみて
まず音質ですが、約20万円という実売価格が示すように、KEF LSX IIはテレビやPCと接続する”アクティブスピーカー”としても、Bluetooth接続の”ワイヤレススピーカー”としても、これまで筆者がレビューしてきたスピーカーと一線を画するポジションにあります。これまで聴いてきた音と別次元すぎて感動のあまりリアルに泣きそうになりました・・。
組み合わせるデバイスや設置環境によっても多様に化けるLSX IIですが、とりあえずPCにUSB-Cケーブルを挿してデスクにボンと置いて再生すれば、小さい筐体から想像もつかないようなエネルギッシュで開放的なサウンドが部屋中響き渡ります。
特に音の分離感や空間表現といった部分に、”真の高級オーディオ機器”のヤバさを感じました。ロックやポップスはライブ音源のごとく響き、クラシックだとホールのような抜け感が味わえるのがたまらないですね。
価格差を考慮すれば当然っちゃ当然ですが、これまで使ってきたAudioengineやBOSEでは拾いきれない音が全帯域からバンバン聞こえてきて衝撃を受けました…。同じ楽曲を鳴らしても全く別の曲に変貌するので、一度この音に慣れるとなかなか元のセットには戻れなくなっちゃいます。
最近のアクティブスピーカーはワイヤレス接続対応がマストになり「いかに手軽に高音質再生できるか」も肝ですが、LSX IIはネットワーク接続でハイレゾ音源(事実上96kHz/24bitが上限ですが)の再生にも対応。じっくり良い音で楽しみたいときは腰を据えてネットワーク接続で、ライトに聴きたいときはBluetooth接続でスマホの音源から再生といった具合に楽しみ方も様々。
また、内蔵アンプが200Wと高出力ながら高音から低音までバランス自体がよく、特定の帯域が突出したり不足したりしないのも非常に聞きやすいです。また、アプリから設置環境に合わせて細かく音を補正することも可能。
アプリ「KEF Connect」は以下よりダウンロードできます。
KEF Connect
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解像度が高い分ある程度ボリュームを絞っても立体表現や音の分離感を損なわず、大音量が出せない環境でも映画やゲームを高音質で楽しめる点も LSX IIの強み。
ちなみに、スピーカー左右を無線でつないだ場合は最大48kHz/24bitに留まりますが、付属のLANケーブルで有線接続した場合は最大96kHz/24bitで伝送可能。より高音質で楽しみたい場合は、有線LAN接続がおすすめです。
デスクトップユースに限らずどんな環境でも気軽に設置ができ、スピーカーだけでなくアンプ、ネットワーク再生、多彩なデジタル音声入力にも対応する汎用性の高さを踏まえると、この価格設定も納得感はあります。多用途で長く使えて、音質がよく、かつデザインも妥協したくないという方にぜひLSX IIを体験してみてほしいです。
KEF LSX IIレビュー|まとめ
今回は、KEFの新型ワイヤレススピーカー「LSX II」の紹介でした。
誰でも気軽に手に取れるものではないにせよ、歴史と伝統と確固たる技術を持つ音響メーカーが本気で手がけたスピーカーということでやはり「音質」は圧倒的。LSX IIの音を一聴して以来、本格的にオーディオ沼にハマってしまいました・・。
テレビやPCと接続する本格的なアクティブスピーカーとしてはもちろん、高音質な無線スピーカーを検討している方もぜひ検討してみてほしい一台です。