HHKB Professional Classic Type-Sレビュー|有線HHKB待望のType-Sモデル

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四半期に一回のペースでメインキーボードを買い替えたくなる病なのですが、理想のキーボードを見つけては実際に試してみる、というのがライフワークになりつつある今日このごろ。

これまでにいろんな特徴を持ったキーボードを試してきましたが、中でも「打鍵感」という観点で他と一線を画するのが、静電容量無接点方式を採用するHHKB。

今回、ミドルモデルのProfessional Classicから新機種「Professional Classic Type-S」が登場。実際に使い始めてから2週間ほど経過したので、打鍵感や機能性などレポートしていきます。

HHKB Professional Classic Type-Sの外観

こちらがProfessional Classic Type-S本体。カラーは今回使用する「雪」、「白」、「墨」の3色展開。それぞれのカラーに日本語配列と英語配列が用意されています。

まず、本機はどういう位置付けなのか?ってことですが、HHKBならではの良さは追求しつつも、ユーザーによっては過剰になる機能性を省いてコストを抑えたモデルといったイメージです。

具体的にいうと、フラッグシップモデル「HHKB Professional HYBRID Type-S」のBluetooth接続を省き、ついでに電池ボックスとかも省き、でもフラッグシップモデルと同じ高品質なType-Sキーを搭載しているHHKB、ということになります。

HYBRID Type-S(上) Classic Type-S(下)

定価約3.1万円なので高級キーボードの部類には違いないですが、「約3.6万円のフラッグシップHHKBと同じ打鍵感とサイズ的機能性などを、よりリーズナブルに活用できるモデル」といった立ち位置になります。

ともあれ、こういう「美味しいところだけモデル」が非常に好みな僕含め、キーボードはケーブル直結派って人は少なくないですし、エントリーモデル「HHKB Professional Classic」に対して「コレがType-Sキーだったらなー」と思っていた人には最適解になるモデルというわけです。

接続方式以外はフラッグシップモデルとほぼ同じ仕様となる新型「HHKB Professional Classic Type-S」。電池分の重量がカットされる上に、本体のみの重さが10g程度軽いということで、持ち運びに適しているのもポイント。

また、フラッグシップモデルは電池室の出っ張りがあり、この部分が10mmあります。ここがフラットになったことで、この時点で「より小さく軽く不要なBluetoothなしのフラッグシップHHKBが出た!」「おまけに5000円弱安い!」と歓喜している人も少なくないはず。

底面には、お馴染みの二段階式のチルトレッグを内蔵。下部の滑り止めが結構丈夫なので、最大までチルトレッグを起こした状態でも位置ズレなどなく安定してタイピングができます。

HHKB Professional Classic Type-Sを使ってみた

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。Classic Type-Sのキースイッチは静電容量無接点方式。一般的なメカニカルキーと違い、バネ(円錐スプリング)の縮み度合いにより入力が行われるため、クリック感や音などは最小。静かかつ滑らかに打鍵できます。

僕自信このHHKBの唯一無二の打鍵感に魅了されて以来、5年ほどメインキーボードとして愛用しています。仕事柄これまで数十台のキーボードに触れてきましたが、「打鍵感のよさ」においてHHKBの右に出るキーボードってないんじゃないですかね。「スコスコ、コトコト」とこのキーボードでしか味わえない独特のタイピング感。心地よすぎてずっと打っていたくなります。

メカニカルスイッチみたいに「カチカチと底打ち音が響く」みたいなこともないので、自宅用、オフィス用と比較的環境を選ばないのも無接点のメリットと言えますね。

ちなみに、HHKBのうち「Type-S」という名がある製品は、独自の「Type-S」キー構造を持っています。静電容量無接点方式キースイッチ細部にPFU独自のさまざまな技術を投入することで、より高いタイピング速度と静粛性を実現。ちなみに「Type-S」の「S」は、高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)を意味するのだそう。

そんなわけでClassic Type-Sなど「Type-S」キー搭載HHKBはサイコーに気持ちよく打鍵できるのですが、輪をかけて推せるのがやはりそのサイズ。すごくコンパクトなんです。具体的なClassic Type-Sの大きさは、幅294×奥行き110×高さ(キートップ上面まで)40mm。重さは英語配列版が530g(ケーブル除く)、日本語配列版が540g(ケーブル除く)。

ざっくりいうと、一般的なキーボードの「テンキーや矢印キーやファンクションキーをカットしたサイズ」になります。とはいえキーピッチが狭いとかキーがミニサイズとかいうことではないので、キーボードのサイズに合わせた打鍵をユーザーに無理強いすることなく快適に文字入力できるというわけですね。

そしてこのClassic Type-Sの場合、USB Type-C接続のみに対応なので、繰り返しになりますが本体がとにかく軽いです。印象としては「タイプ時の指の圧力に負けない最小限の重さ」という感じで、とりわけモバイルにも向くHHKB Type-Sなのです。

もちろん別途極短ケーブルを用意して、スマホやタブレットと気軽に接続することも可能。デバイスにつなぐだけのシンプルな使用感がありつつ、コンパクトかつ打鍵感も最高な作業環境が瞬時に整います。当然ですがキーボード自体の電源の問題もありません。充電し忘れとか電池切れとか。ついでに、Bluetooth接続だとたまーに起きたりする通信の切断とも無縁です。

また、フラッグシップ「HHKB Professional HYBRID Type-S」と同様に、非常に自由度の高いキーマップ変更、つまりキー機能・配列のカスタマイズに対応しているのも重大トピック。

Happy Hacking Keyboard キーマップ変更ツール

「このキーの機能はこっちのキーと入れ替えたい」みたいなコトがいとも簡単にできて、その変更はキーボード内に保存されるので、接続するデバイスが変わってもカスタマイズしたキーマップで入力できます。「Fnキーと同時押しで使える機能を、Fnキーを押さないで特定キーひと押しで使いたい」的な希望も叶います。

ちなみにこのアプリ、今後のアップデートで「複数のキーを同時押しするショートカットを1キーに割り当てる機能」などの追加も予定されているとのこと。新機軸モデル「HHKB Studio」で好評だったキーカスタマイズもできるようになる、というイメージですね。なお、このキーマップ変更機能は従来品「HHKB Professional Classic」では利用できません。

有線HHKBもしっとり&静音のType-S

価格的には相変わらず「高級キーボード」の域を脱さないProfessional Classic Type-Sですが、フラッグシップモデルと同じ打鍵感があり、サイズも非常にコンパクト。コストを抑えつつ最高レベルの打鍵感を味わえるコンパクトキーボードに仕上がっています。

下位モデルのClassicモデルになるとキーのタイプ感や静音性で雲泥の差がでますし、何よりキーマップ変更ツールも使えないので、個人的には本機が使用感とコストの両面で一番バランスの取れたモデルかなと思いますね。

至高の打鍵感に、たしかな静音性、長時間でも指疲れせず、そしてこの見た目。永く使っていく仕事道具として選んで損しないキーボードだと思います。HHKBファンはもちろん、逆にこれまでHHKBに馴染みがなかった人にも素直におすすめしたい逸品です。

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