BenQのクリエイター特化モニター「PDシリーズ」から、新製品「PD2506Q」が登場しました。
以前、同シリーズの4Kモデル「PD2725U」を紹介しましたが、そのWQHD(2560×1440)モデルとして発売されたのが、今回紹介するPD2506Qです。
外部特許を取得しているPDシリーズお馴染みの正確な色再現に、作業用途に適したWQHD解像度が特徴の25型ハイスペックモニター。
USB-Cケーブル1本での給電+映像出力はもちろん、色味含めMacBookとも非常に相性の良いディスプレイとなっています。
今回は、ベンキュージャパンより1週間ほど実機をお試しさせていただいたので、実際に使ってみてわかったメリット・デメリットなどじっくりレポートしていきます。
BenQ PD2506Qのスペックと外観
2022年9月7日にベンキュージャパンから発売された、25型WQHDモニター「PD2506Q」。主なスペックは以下のとおりです。
製品名 | BenQ PD2506Q |
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画面 | 25 インチ、IPS (2560×1440)、HDR10 |
視野角 | 178°/178° |
応答速度 | 5 ms、60Hz |
色域、表示色 | Rec.709 100% ,sRGB 100% ,P3 95%,1670 万色 |
アスペクト比 | 16:9 |
接続 | HDMI 2.0 x1 DisplayPort 1.4×1 DP出力:◯ USB Type-C (65W給電)x1 デイジーチェーンテクノロジー:DP out(MST) USB Type-B ×1 USB Type-C (Downstream) x1 USB 3.2 ×1 All-in-One Connection:USB Type-C DP out (MST) |
オーディオ | ・スピーカー2.5W×2 ・ヘッドフォンジャック |
寸法(HxWxD) | 外形寸法(mm)(ベースあり):550.1-440.1×570.0×256.9 外形寸法(mm)(ベースなし):335.2×570.0×83.3 |
重量 | ベースあり:7.6kg ベースなし:4.4kg |
VESAマウント | 100×100 mm |
メーカー保証 | 3年 |
定価 | 54,364円(税込) |
内容物は以下のとおりです。主ケーブル1本しかつかないモニターも多い中、ちゃんとUSB3.0、DisplayPort、USB Type-Cの3本揃ってます。
パッケージ内容
- モニター本体
- 電源ケーブル(約1.8m)
- USB3.0ケーブル(約1.8m)
- DP1.2ケーブル(約1.8m)
- USB Type-Cケーブル(約1m)
- QSガイド
- 保証書
- キャリブレーションレポート
続いてモニター本体。シンプルな4辺フレームレスで、ロゴも一切ないスタイリッシュな外観。
ベゼル(画面のふち)は約6mmと極薄で、2画面並べての行き来も快適。また、パネルの表面加工は目が疲れにくいノングレアとなっています。
スタンドは、首振り、前後チルト、高さ調整、回転すべてに対応。
首振り:左右15°
前後チルト:+20 ~ -5°
リフト:110 mm
90度のピボットにも対応しているので、縦画面として使うこともできます。縦の情報量が必要なときも↓のように柔軟に切り替えられるのが良いところ。
それぞれの可動域もそれなりに広く、モニターアームでの設置を前提としていない人にとっても嬉しい設計ですね。もちろん100×100mmのVESA規格にも対応しています。
モニター底面には各種インターフェイス。
入出力端子
- HDMI 2.0
- DisplayPort 1.4
- USB Type-C(65W 給電)
- USB Type-C (Downstream) x 1
- USB3.2 Gen1(Downstream) x 3
- USB3.0 (Upstream) x1
この内USB Type-C端子は、65Wの給電にくわえ、映像・音声・データ転送をまとめてケーブル1本で行えるので、Macユーザーにとって嬉しい仕様。
背面右側には各種操作ボタン。左から「電源ボタン・ジョイスティック・入力変更ボタン・カラーモード変更ボタン」となっています。
パネル左右下部には、2.5W×2のステレオスピーカーを搭載。
出力の割に量感のあるパワフルな音が出ますが、2.1 chのような立体感とかはなく、あくまでモニターの標準的な音質といった感じですね。
普段から外部スピーカーを使ってる人は物足りなく感じるかもしれませんが、そもそもスピーカー非搭載モデルも多い中ちゃんと聞ける音が鳴るだけでも御の字といったところでしょうか。
BenQ PD2506Qの使用レビュー
視野角のチェック
まずは色ムラ、視野角の広さをチェックするために、デスクトップの背景を単色にして画面の角度を変えてみました。
さすがに斜めにして横から覗きこむと多少のグラデーション感はでますが、正面から見る分にはどんな角度にしても色ムラはほぼ感じません。広視野角、IPSを謳っていても実際は色味が均一でないものも多いですが、このモニターは少なくともそういった心配とは無縁ですね。加えて、パネルの表面処理は非光沢のノングレアなので、反射や映り込みにも強いです。
AQCOLORならではの正確な色表現
数あるBenQモニターの中でも、プロ仕様シリーズとして展開されている”AQCOLORモデル”のひとつである本製品。1個体ずつの手作業でによるキャリブレーション(色精度のチューニング)に加え、外部のCalMAN認証とPANTONEカラー認証を取得しています。
色域カバー率はsRGBとRec.709が100%、Appleが定めるDisplay P3とデジタルシネマ規格のDCI-P3が95%と、色精度に関しては有機ELの「AKRacing OL2701」などの”例外”を除けば、最高クラスと言って良い正確性。
実際にキャリブレーションツールを使って色域を測定してみたところ、sRGBは100%、DCI -P3P3は93%(2%の誤差あり)とほぼメーカー公称値通りの結果になりました。
色域計測定結果
- sRGB:100%
- NTSC:83%
- Adobe RGB:86%
- DCI -P3:93%
Spyder X Proでカラーマネジメントした後も、調整前と比べて大きな変化もなく、色味も至って自然。
動画・写真編集、デザイン制作など”色味の精度がとにかく大事”なクリエイターにとって欲しい要件を満たすものを探していくと、どうしても高価格帯のハイエンドモデルに選択肢が絞られるのが実情。そんな中で、リーズナブルな価格で正確な色表現ができる”バランス型”の本機はそんな落とし所にしっくりくるモニターなんじゃないでしょうか。
Macとの相性が抜群
MacBookのRetinaディスプレイに近い発色を出せる「M-Bookモード」が搭載されているPD2506Qですが、そもそもデフォルトの発色がMacに限りなく近い点も大きな特徴です。
箱から取り出してそのままMacBookに接続すれば、これだけ違和感のない色が出せます(初期設定からいじったのは輝度だけ)。
Mac推奨モデルでも「いざ繋いでみると全然色味が違う」なんてこともざらにある中、本機はそういった心配がないのも強みですね。
加えてUSB Type-C端子が65Wの給電に対応してるので、ケーブル1本繋げるだけで映像出力&PCへの給電が完結する点でもMacBookと相性がいいです。
モニターへ出力しながら、PC本体への給電まで同時にできるのはやっぱりスマート。ドックや配線で場所を取らない分、作業スペースを広々と使えるのが良いですね。
充実のアイケア機能
長時間の作業時に目の疲れを軽減してくれるのが、BenQ独自のアイケアテクノロジーによるブルーライトカットモード。
マルチメディア、ウェブサーフィン、オフィス、閲覧と、作業用途に応じて最適なモードを使い分けることができます。
加えてフリッカーフリー仕様なので、眼精疲労の原因となるフリッカー(画面のちらつき)も最小限に抑えてくれます。
アイケアに特化されたGWシリーズに搭載されているような輝度自動調整機能こそ非搭載ではありますが、ブルーライト&フリッカーレスのおかげで目へのダメージを過度に気にせず作業に打ち込めるのは心強いですね。
”ハブ機能”がやっぱり便利
PD2506Qは、モニター自体を”USBハブ”として機能させることができます。
つまり、PD2506QのUSBポートに接続したデバイスが、自動的にPCと接続された状態になるということ。このハブ機能がホントに便利。
特にMacBookにはUSB-Aポートが付いていないから、外部キーボードやマウスなどいろいろ外付けしたいシーンで重宝するんですよね。というか、メインモニターとして使うなら個人的には必須の機能かなと思います。”ケーブル1本”同様に、一度これに慣れるとわざわざハブ機能の無いモデルを使おうって気がなくなりますw
BenQ PD2506Qレビュー|まとめ
これまで20台くらいモニターを触ってきましたが、箱から出してすぐの状態でこれほど発色の良いモニターってほんとに希少なんですよね。さすがのPDシリーズ、外部の特許を取得しているだけあり色再現の正確さは言うことナシです。ハブ機能も付いて価格もリーズナブルで、良いディスプレイが登場したものだと思いました。
MacBookでのクリエイティブ用途はもちろん、日常的にPhotoshopやLightroomを使うよって方はぜひBenQ PD2506Qをチェックしてみてください。