先日『置くだけ、100インチ。4K超短焦点プロジェクター「Aladdin Marca Max」』でも記事にしたとおり、我が家は映画にテレビ番組、ゲーム、音楽…まとめてAladdin Marca Maxで楽しんでます。
今回は、そんなAladdin Marca Maxの下位モデルにあたる「Aladdin Marca」をAladdin Xよりお借りできたので、手元にある Marca Maxとも投影性能を比較しつつ使用感をレビューしていきます。
短焦点プロジェクターの導入にあたってAladdin Xの両機器で悩んでいる方の参考になれば幸いです!
「Aladdin Marca」と「Aladdin Marca Max」何が違う?

まずは「Aladdin Marca」と「Aladdin Marca Max」それぞれの投影性能などをざっと比較してみます。
Aladdin Marca | Aladdin Marca Max | |
---|---|---|
投影方式 | DLP | DLP |
光源 | レーザー+LED | フルレーザー |
解像度 | フルHD | 4K |
輝度 | 1000 ANSIルーメン | 2500 ANSIルーメン |
Dolby Vision | × | ◯ |
IMAX Enhanced | × | ◯ |
100インチ投影距離 | 約24cm | 約18cm |
スピーカー出力 | 最大31W | 最大80W |
価格 | 149,800円 | 379,800円 |
投影性能における両機器の大きな違いは、まず採用している光源にあります。より鮮やかかつ明瞭に投影できるフルレーザーを採用するMarca Maxに対して、MarcaはLEDとレーザーのハイブリッド構造を採用。標準解像度も4Kに対応するMarca Maxに対して、MarcaはフルHD止まりとなっています。
視認性に直結する投影輝度の値も2500 ANSIルーメンとハイエンド相当のMarca Maxに対して、Marcaは1000 ANSIルーメンと標準クラス。一般的に2000〜3000ANSIルーメンあれば日中の明るい環境でもコンテンツ視聴に支障がでないとされているため、昼夜問わず腰を据えて映画やゲームを楽しみたいといった場合はMarca Maxを選んでおくのが吉でしょう。
また、Marca MaxのみDolby Visionに対応しており、Netflixなどの対応コンテンツがよりシャープかつ色彩豊かに描写できます。Marcaは非対応なのでNetflixヘビーユーザーの方は特に注意ポイント。
100インチ投影までの壁からの距離は、Marca Maxが約18cmなのに対して、Marcaは約24cmとなっています。ただ本体自体の奥行きを含めると双方に大差はなく、本体幅込みで45〜50cmほどの距離が確保できればどちらも100インチ投影が可能です。
Aladdin Marcaの外観と基本性能
内容物は、紙類を除いてプロジェクター本体、電源ケーブル、リモコンと必要最小限。Marca Maxのように電源内蔵式ではないため、電源コードに巨大なACアダプタが付く仕様なので配線周りは少し工夫が必要。

こちらがAladdin Marca本体。ファブリック面から金属部分まで色、質感、すべて高級感が溢れていてカッコいい。ガジェット感より、インテリアとしての美しさを感じます。

横幅427×高さ119×奥行263mmというサイズで、小型なテレビラックでも問題なく設置できるサイズ感です。Marca Maxと並べると横幅中心に一回り小さいサイズであることがわかります。

天面にレンズを搭載し、電源を入れるとこの部分から真上に向かって映像が投影される仕組みです。ちなみにMarca Maxはこの部分が開閉式ですが、Marcaはレンズ部分が常に露出する形になります。

スピーカーはMarca Max同様Harman/Kardon製のもので、デュアル仕様の中高音スピーカー8Wと低音スピーカー15Wの計31W出力となっています(音質については後述します)。

背面には各種インターフェースがまとまっています。

- HDMI 2.1×2(HDMI2対応eARC)
- USB 2.0×2
- DC×1
- LAN×1
- 出力ポート
- 3.5mmAUDIO ×1
- OPTICAL ×1
接続ポートは非常に豊富で、レコーダーやゲーム機など複数の機器を接続することができます。また、2つあるHDMIのうち一つはeARCに対応しているので、対応のサウンドバーなどがHDMI接続のみで音声出力可能です。ちなみに、Marca MaxはHDMIとUSB-Aがさらに各一つずつ多く付いています。
Aladdin Marcaを使ってみる

というわけで、6畳書斎の白壁にドカーンと投影してみました。2週間ほどAladdin Marcaを堪能してみたので、Marca Maxと比較しつつ使用感などまとめていきます。
約24cmの投射距離で100インチの大画面投影

まず目玉である焦点距離ですが、「超短焦点」の触れ込みどおり、壁の前約24cmの投射距離でおよそ100インチの大画面投影ができました。

投射距離が近ければ近いほど光量が稼げるわけで、長焦点モデルに比べて輝度の面で有利です。ちなみにメーカーの推奨投影サイズは80インチ〜120インチとなっています。
「24cm」から距離を離すと、その距離に応じて画面サイズが大きくなる反面、少しずつ輝度が落ちていくイメージ。なので確保できるスペースにかかわらず、100インチ程度の投影がベストバランスだと感じました。
オートフォーカス・自動縦横台形補正も搭載し、ともに補正時のラグや誤認識はなくきっちり補正してくれます。なので画面まわりの調整はほぼMarcaまかせでOK。

明るく、高精細な映像
DLP方式のレーザー+LED光源、輝度1000 ANSIルーメン、標準解像度1920×1080のフルHDと、超短焦点モデル屈指の投影性能をほこるAladdin Marca。


輝度2500 ANSIルーメン、4K対応のMarca Maxほどではないにしろ、日中の一番陽光が差し込む時間帯でも、カーテンを閉めれば映画や動画視聴なら全然問題ないですし、夕方以降の暗い環境下では液晶テレビとも遜色なくコンテンツを楽しむことができます。


明かりを落とした環境下ではむしろ少し明るいくらいなので、わが家ではあえて輝度を落として視聴するほどです。もちろん段階的な明るさ調整、色域のほか、映像モードの設定など自分好みに細かくカスタマイズできます。
少し寄ってみました。HDR10対応というだけあって、4KのMarca Maxにはさすがに劣るものの動画再生中でもディテールの輪郭まで十分描写できます。


コントラスト比の公称値は明記されていませんが、色域カバー率DCI-P3 82%ということで全体的に白がきちんと白く、黒がしっかり黒い、メリハリの効いた発色になっています。輪郭の色にじみや、斜めの線がギザギザになるジャギーも肉眼でふつうに視聴する分にはまったく気になりません。
色域カバー率DCI-P3 99%をほこるMarca Maxと比べてしまうと発色にやや物足りなさを感じるものの、価格に対しての色精度という観点では十分満足できるレベルだと感じます。
Netflixを起動するには・・
Marca Max同様、OSにAndroid 9.0ベースの「Aladdin OS」を搭載するMarca。各種操作、ストリーミングサービスで映像作品を楽しむ際に非常に使いやすいUIになっています。

一方で、Marca Max、Marcaともに純正のNetflixが非対応(マウスポインタ式のアプリには対応)である点は注意ポイント。上位機種のMarca MaxにはNetflixに対応するGoogle TVのスティック型端末が購入特典としてあらかじめ同梱されますが、Marcaには非同梱となっています。

つまり、Marcaで純正のNetflixを楽しむためには、Google TV StreamerやFire TVスティックなどのメディアストリーミング端末を別途用意する必要があります。
Aladdin OS内のマウスポインタ式のアプリでも、一度コンテンツを再生してしまえば純正アプリと同様に視聴自体はできますが、リモコン操作に最適化されていない(Bluetoothマウスが必須)ためやはり日常使いは現実的じゃないですね。個人的には最初からストリーミング端末で視聴環境を整えてしまうのがベストかなと思います。(Netflixの正式対応に向けて社内開発が進められているとのことで、今後正式対応される可能性もあります)

別途スピーカー要らずの立体サウンド

どれだけ大画面、高精細に投影ができても、プロジェクター本体から鳴る音がチープだとしたらそれだけで臨場感は半減してしまいますよね。
その点Aladdin Marcaは、スピーカーがHarman/Kardon製で、中高音8W×2、低音15Wの合計31Wと非常に高い出力なので、そんじゃそこらの低価格帯のプロジェクターと比べて「音質」「空間表現」ともに雲泥の差です。
80W出力のMarca Maxと比べるとさすがに音圧という点で劣りますが、テレビとの比較なら部屋全体に音が広がる感じというか「シアターチックな立体感」みたいなものも十分得られると感じました。相当音質にこだわりがあるとかでなければ別途外部スピーカーやサウンドバーは不要かなと思いますね。
音質のカスタマイズ性も充実しており、「ミュージック」「シネマ」「カラオケ」「スポーツ」と既存プリセットから視聴するコンテンツに合わせて音響を最適化することもできます。Marca Maxと同様、この中では「シネマ」がもっとも広がり感が豊かで、低温の安定感があると感じます。

カジュアルとシネマチックの良いとこどり

上位機種のMarca Maxと比べてしまうとどうしても解像感や明るさの差を感じてしまいますが、15万円クラスの家庭用プロジェクターと考えるとMarcaも価格に相応しい視聴体験がしっかり得られる印象です。
シーリングライト一体型モデルとは異なるニーズに超短焦点モデルという形で応えつつ、映像コンテンツはもちろん、アプリからゲームまで、多種多様なコンテンツの魅力を損ねることなく届けてくれるAladdin Marca。
4Kほどの解像度は必要なく、もう少しカジュアルに、でもシアターチックな上質感はほしい。そんな方にはピッタリな一台ではないでしょうか。
6月4日〜6月11日の期間中、楽天市場にてスーパーセールが実施され、Aladdin Marcaは最大25,290円OFF、Aladdin Marca Maxは最大59,790円OFFとお得に購入できるのでぜひチェックしてみてください。