Keychronから発売された80% テンキーレス (TKL)の磁気スイッチキーボード「Keychron K8 HE」をレビューしていきます。
天然木をあしらった唯一無二の筐体デザインに、0.1mm単位で調整可能なアクチュエーションポイント&ラピッドトリガー、ポーリングレート1000Hz、Gateron ダブルレール磁気スイッチ搭載の注目モデル。
デスクワーク、ゲーミングの両方で他モデルとの性能差がハッキリと体感できる唯一無二のキーボードなので、キーボードのアップデートを検討中の方はぜひチェックしてみてください。
Keychron K8 HEの外観
Keychron K8 HEは、80%レイアウト(TKL) を採用した磁気キーボードです。75%レイアウトの人気モデル「K2 HE」の姉妹機にあたる新機種で、性能はK2 HEを踏襲しつつ矢印キーを独立させたのが今作のK8 HEとなります。

筐体デザインで一番注目なのは、やはり両端の天然木を採用したサイドパネル。キーボードにウッド素材が使われるモデルは希少ですし、デスクを構成するギアとして存在感抜群です。カッコいい。

この天然木パネルは木の持つ自然な色味をそのまま生かしており、一つ一つ全て異なるというのがまた所有欲を満たしてくれます。

左側面には、木材がくり抜かれる形でUSB Type-Cポート、Windows/Macの切り替えスイッチ、接続方式の切り替えスイッチをそなえます。

接続方式はBluetooth 5.2および2.4GHzワイヤレス、USB Type-C有線接続の3種類に対応。最大3台までのデバイスとマルチペアリングでき、「Fn」+「1、2、3」のキーで簡単に行き来できます。PC同士はもちろん、PCとiPadとかそういった組み合わせもOK。
キーキャップは、耐油性・耐摩耗性に優れるダブルショットPBTを採用。長期間使ってもテカリや黄ばみが起きにくく、キレイな状態を保つことができます。

キースイッチはGateron ダブルレール磁気スイッチを採用。

磁気キーボードということで、アクチュエーション・ポイント(キーを押した際に、キーが反応する深さ)を0.1mm単位で0.2mm ~ 3.8mm間で調整できます。なお、Gateron磁気スイッチ間でのホットスワップにも対応。
底面には、二段階式のチルトレッグを内蔵。下部の滑り止めが丈夫なので、最大までチルトレッグを起こした状態でも位置ズレなどなく安定してタイピングができます。

Keychron K8 HEの使用感

まずKeychron K8 HEの打鍵感ですが、基板とプレートをボトムケースに直接固定するトレイマウント構造ということで非常に良好です。打鍵の感触は、途中まで軽いクリック感があり、その後ストンと抜けて底打ちするような感覚で心地よく、腰を据えて安定した入力ができます。
スイッチが重めなのと、プレート素材がアルミ製ということもあり「コトコト」とやや低めに響く打鍵音といった感じ。強めに打鍵しても大袈裟に底打ち音が響くみたいなことはなく、しっかり衝撃吸収してくれています。
HHKBやREALFORCEなどと比べるとカチャカチャ感が控えめというか、より低くポコポコと響く印象。まるで鍵盤を叩いているような、軽快で流れるようにタイピングできるこの感覚はやみつきになります。
かっこよくて打鍵音の良いキーボードというだけなら選択肢はほかにもありますが、底打ち音が大きくオフィスやカフェなどでは使用に躊躇してしまうモデルも多いです。その点、周囲に気を配る必要がある環境で特段気を張らずに使えるのもK8 HEならではの良さですね。
また、磁気センサーということもあってかなり大きな”ばね”が入っています。一応、種類としては静音性の高いリニア軸(赤軸)となっていて、潤滑油も塗布済みなので滑らかにスイッチが沈んでくれます。押下圧は押し始めが40g、押し込んだ部分が60gで、感覚では結構重めなので、長時間タイピング時の疲れを考慮して今回はあえてガスケットマウントを省いているものと思います。

また、ゲーミング用途でも、キーの押し始めに必要な重さ(アクチュエーションフォース)と一番深くまで押下する際に必要な重さ(ボトムアウトフォース)の差が最小限なため、キーをホールドしたり連打するときに余分な力を必要とせず、ゲームを一日中プレイした際に指の疲れがずいぶんと軽減しました。
もちろんゲームのためだけに引っ張り出すキーボードというわけではなく、テキストワークなど日常使いでもずっと使っていたくなる、そんな打鍵感です。高級キーボードの部類に入る本機ですが、やみつきになる打鍵感という意味ではゲーム用、作業用どちらでもキーボード選びの旅が一区切りしてしまうのではないかと感じる完成度です。

「Keychron Launcher」という専用のWEBドライバ−を使ったカスタマイズ性が優れるのも本機の大きな特徴。

ソフトウェアは日本語対応で、ドライバー操作に慣れていない人でもつまずきポイントなどなくサクッと各種設定ができる非常にわかりやすいUIです。キーのレイアウト変更やアクチュエーションポイント、ラピッドトリガーの調整、マクロ設定のほか、バックライト変更やファームウェアアップデートもこのドライバー内で行えます。
また、「Mac用」「Windows用」それぞれ2つのレイヤー、計4つのレイヤー設定を登録できるのでカスタマイズの自由度は申し分ありません。

ラピットトリガーはリセットポイントが最短0.1mmから無段階で調整可能。アクチュエーションポイントも0.2mmから3.8mmの間で、0.1mm単位で変更できます。くわえてポーリングレート、スキャンレートともに1000Hz(固定)。1秒間に1000回キーボード内に情報をスキャンして、1000回PC側へ情報を送るということで、高精度かつ低遅延を実現しています。

メカニカルの良さを残しつつも優秀なラピトリ性能を誇るK8 HE。キーを離したり連打するのが高速になるので、例えば「VALORANT」などでキーから指を離す方法でストッピング(銃を撃つとき、まっすぐ弾丸を飛ばすために操作キャラクターを静止させる状態)を行う際に止まるまでの速度が格段に向上します。
あとは何といってもこの見た目、佇まいですよね。ガジェット×ウッドの組み合わせはそもそも人気が高いですが、まさに理想のど真ん中を突いてくるようなキーボードが出てきたなと…。

磁気スイッチながらワイヤレスで使える利便性、そのほか性能面やカスタマイズ性を含めて、3万円以下で手に入るというのはお買い得だな…と思います。デスク環境にウッドを取り入れてたいと思っている方には相当刺さるキーボードではないでしょうか。実際、筆者も一目惚れしてしまいました。
メカニカルキーボードとゲーミングキーボードの良さを凝縮したKeychron K8 HE。ゲーミングはもちろん、永く使っていく仕事道具として選んで損しないキーボードだと思います。Keychronファンはもちろん、逆にこれまでKeychronに馴染みがなかった人にも素直におすすめしたい逸品です。



