PC等のデバイスとの接続も無線、分割キーボードの左右間の接続も無線。そんな夢のキーボードが「Cornix LP」です。
2025年の5月頃に遊舎工房でGBが行われた左右分割40%カラムスタッガードレイアウトのロープロファイルメカニカルキーボードですが、実際にメイン機として使い始めて2週間ほど経過したので使用感などレポートしていきます。
Cornix LPの外観
縦ずれの間隔は本家Corneと同様ですが、中央部のキースイッチがオミットされ、ロータリーエンコーダーが左右に一つずつ搭載。加えて最下段に3つキースイッチが追加された片手24キー構成となっています。

キーキャップはLAKプロファイル。素材は耐油性・耐摩耗性に優れるPBTで、キートップの印字はUV印刷となっています。

キースイッチはKailh choc v2 Spring Mini(総トラベル:2.8±0.25mm /作動トラベル:1.2±0.30mm /作動フォース: 40±10gf)を採用しています。

キーボード側面は、背面部分にType C接続口とBluetooth接続のオンオフスイッチが備わっています。

ちなみに、こういった海外製のメカニカルキーボードは日本に入ってくる際に技適を取得していないケースも多い中、Cornix LPはしっかり技適を取得しているため安心して利用できます。
LEDインジケーター部分とマイコンカバー部分は射出成形パーツを採用しており、かなり高級感があります。アルミニウムボティはやはり美しいですね。

底面にはテンティングレッグをそなえ、0度、6度、12度、18度、24度の5段階で調整可能です。大きく角度をつけても、サイドの滑り止めがしっかり効いてくれるため位置ズレの心配はありません。

Cornix LPを使ってみる
Cornix LPは、VialというWEBアプリを用いてキーマップを自身の好きなように変更することが可能です。通常はキーボードとPCをケーブル接続する必要がありますが、それを「無線接続のまま」できるというのがまず大きな特徴。

見てのとおり、Cornixはいわゆる「特殊配列」に分類されるジャンルのキーボードです。つまり、通常の「横ズレ(ロウスタッガード」ではなく、縦ズレ(カラムスタッガード)レイアウトとなっているため、使い始めこそややとっつきづらい仕様であることは間違いありません。
キーマップを自身の使いやすいように煮詰める作業が必要であることに加えて、縦ズレの運指にも慣れる必要があるため、手に馴染むまである程度の鍛錬が必要。僕の場合は、通常スピードでタイピングができるまで1日6時間ほど触って1週間かかりました。
打鍵音については、アルミボディの密度が高いためかカチャカチャと軽く響くということはなく、上品なコトコト感があってやみつきになる打鍵音といった感じ。
押し込み可能なツマミが左右両方に付いているのも大きな特徴。PCの音量調整、画面のスクロールなんかをこのツマミに割り振ることが可能です。押し込み可能なので、ミュートを割り当てるなど直感的に操作できます。

個人的には、ホームポジションから手が離れてしまうのでスクロールとして使うことはないですが、音量や画面の輝度など調整操作に使うには非常に便利だと感じました。
Cornix LPには、あらかじめアルミニウム製のテンティングレッグが付いているというのも大きなメリット。角度を付けることで、より手首や肩が内に巻き込まないような自然な姿勢でタイピングできます。

通常はパーツを自作して取り付ける必要がある部分ですが、外付けではなく最初から内蔵しているのは嬉しい。角度は6度ずつ調整でき、最大で24度まで広げることが可能です。テンティング好きの人だと90度に近い傾斜を付ける人もいると思いますが、分割キーボードのデビュー機としてはこれぐらいの傾斜が付いてくれたら必要十分かなと思いますね。
仕事柄これまで数十台のキーボードを試してきましたが、アルミニウム削り出しケースを用いた完成品、しかも完全無線接続に対応した商品というのは今回が初めてです。

こういったニッチ寄りの商品は自作キーボード界隈では比較的多いのですが、やはり小ロット製造のため高額になりやすいです。そこを3万円に満たない価格で迎えられるのはシンプルにコスパの面でも優秀ですよね。今後Cornix LPが呼び水になってより分割キーボードブームが活性化していく予感…。
2万円台で買える無線分割キーボード「Cornix」

自作キーボードキットで組み立てが必要だったり、キーキャップやキースイッチを自分で用意しなければいけなかったり、何かと導入ハードルが高いカラムスタッガードレイアウトキーボード。
加えて、「普通の」キーボードではあたり前にできる「無線接続」に対応していないモデルがほとんどで、対応していたとしても、ファームウェアのインストールや設定が煩雑なものが多いことから、導入を躊躇している人も多いはず。
これらのハードルをすべて乗り越えてくれるのがCornix LPです。開封して左右キーボードのBluetoothスイッチをオンにしてペアリング設定を行うだけですぐに無線接続利用ができるのは本当に革新的だと感じます。
技適も取得しており、手の届く適性価格で購入できるかなり貴重な選択肢です。金属筐体とテンティングスタンドの剛性はさることながら、スイッチの滑らかさとキーキャップの見た目、触り心地も至高のCornix LP。ポインティングデバイス一体型にこだわらないという人はぜひ一度体験してみてほしいです。以下のショップで購入可能なので、売り切れの場合は入荷通知などをチェックしてぜひ入手しましょう!



