あらかじめUSB-Cケーブルを内蔵するものが増えている近年のモバイルバッテリー。
別途ケーブルを用意する必要がない便利なケーブル付きモデルですが、ケーブルの長さが一定で短いため、デバイスとモバイルバッテリーの距離を取りたいときにやや不便だったりするわけです。
そんなときに重宝するのが巻取り式ケーブルタイプ。以前紹介したAnker Power Bank (25000mAh, Built-In & 巻取り式USB-Cケーブル)を皮切りに、モバイルバッテリーでもこのタイプが増えつつあります。
そんな中、ふだんよく使う10,000mAhでもついに巻取り式が出ました。それが「Anker Nano Power Bank (10000mAh, 45W, 巻取り式 USB-Cケーブル)」。実際に1週間ほど使ってみたので、使用感などレビューしていきます。
Anker Nano Power Bank (10000mAh, 45W, 巻取り式 USB-Cケーブル)
こちらがモバイルバッテリー本体。ガンメタ塗装のマットな質感で、手触りが良く指紋がつきにくいのがまずうれしいポイント。カラーはブラックのみですが、ブルーグレーのような色合い。ホワイトもそのうち出そう。

右側面のボタンを押すと、バッテリー残量をディスプレイ表示してくれます。見る環境や角度によっては若干見づらいときもあるので、明るさの調整ができればなおよかったかもしれません。

バッテリー残量のほかにも、ポートごとの入出力ワット数、バッテリー状態・温度まで確認できます。
そして最大の特徴が、内蔵する巻取り式ケーブル。引っ張り出すことで約6〜70cmまでフレキシブルに使えます。ナイロン調の素材で、メジャーのように巻き取るギミックが使っていて心地いいです。

巻取り式ケーブルとは別に、USB-Cポートがひとつ、そしてUSB-Aポートもひとつの実質3ポート構成となっています。

最近はUSB-Cのみのモデルが主流の中、USB-A付きなのも個人的に嬉しいポイント。出張先でケーブルを忘れて借りる際など、USB-Aが必要なシーンもちょいちょいあるので地味に助かるんですよね。
サイズは約82 × 51 × 36mmで、重量は約223g。巻取り機構を内包するだけに、同社のケーブル内蔵型よりやや重めとなっています。

実際に使ってみる
本機は、巻取り式ケーブル / USB-Cポートともに最大45W出力に対応し、スマホやタブレットはもちろんMacBook AirなどのノートPCまで急速充電できます。電源ボタンを2回押すとスマホ・イヤホンの充電に適した「低電流モード」に移行し、この場合は同じMacBook Airでも15W前後に抑制されます。

この「最大45W」というのが絶妙な出力で、じつはiPhone 17シリーズの高速充電(20分で50%充電)には40Wアダプタが必要という触れ込みなので、本機はこの規格に対応しています。

また、超急速充電の次世代規格「PPS(Programmable Power Supply)」にも対応。Appleユーザーには関係のない話ですが、PPS対応の一部のAndoroidデバイス(Galaxy、Xperiaシリーズなど)が従来のPDをしのぐスピードで充電が可能です。
さらに本気の強みが、パススルー充電対応であること。モバイルバッテリー本体の充電と端末の充電を同時に行えるパススルーですが、これがあるのと無いのとでは使い勝手がまったく変わってきますからね。モバイルバッテリー側のバッテリー残量がないときや、自宅の特定の場所で充電器として使うときなど何かと重宝するんですよ。

出力は抑えられますが、モバイルバッテリー本体を充電しつつ、複数台の端末を充電、といったこともできちゃいます。
ちなみに2〜3ポート接続時は合計最大24Wに制限されるため、PC充電はちょっと厳しい。スマホ x 2や、+ イヤホンとの同時充電くらいが限界ですね。

なお、モバイルバッテリー本体自体の充電時のワット数は最大30Wと十分であり、満充電までに要する時間もディスプレイ表示してくれるのが親切。ただし充電アダプタは付属しないので、別途30W以上の出力が可能な充電器が必要になります。
使い勝手と容量と価格のバランスが絶妙
約70cmの巻取り式ケーブルにくわえ、ディスプレイの機能性も高く、持ち歩きに適した10,000mAhながらコンパクトにまとまったAnker Nano Power Bank (10000mAh, 45W, 巻取り式 USB-Cケーブル)。
出力も最大45Wと、MacBook AirやiPhone 17シリーズの急速充電にも適したちょうどいいパワーとなっています。欲をいえばACプラグ搭載だとなお良かったですが、それは今後のモデルに期待しましょう。
他の同クラスのものと比べても価格がリーズナブルである点もふくめ、「ノートPCもカバーできる、ケーブル内蔵の大容量モバイルバッテリーがほしい」そんな人におすすめの一台です。