アリス配列の最高峰。Keychron『Q10 Max』レビュー

本ページ内には広告が含まれています。

暇さえあればインスタでデスクセットアップ系のアカウントを漁ってるんですが、ここのところずっと気になっていたキーボードがありました。

それがこちら。Keychronのフラッグシップモデル「Q10 Max」という「アリス配列」を採用したメカニカルキーボードです。

重厚感たっぷりのフルメタルボディに、使いやすい75%レイアウトかつ、キーが扇状に配置されたアリス配列と圧倒的な希少性を持っているこちらのキーボード。実際に2週間ほど使用してみたのですが、やっぱり素晴らしいキーボードだったのでレビューしたいと思います。

Keychron Q10 Max

最大の特徴は、なんといってもこの左右に分割されたアリス配列。

手の大きさや指の長さを考慮して左右それぞれ扇状にキーを配置されており、打鍵時の指や手首の稼働が最小限で済むというアリスレイアウト。ぼく自身Mistel MD600 Alphaで半年ほどアリス配列を愛用してきましたが、長時間のテキストワークではこの配列本当にラクで、一度試すと元の配列に戻れない良さがあるんですよね。

そしてフルメタルボディであることも特徴のQ10 Max。同シリーズのフラッグシップ機というだけあり上質感や重厚感って意味でも圧倒的です。

天面には有線/無線、Win/Macの切り替えスイッチ、USB-C端子を備えます。このあたりは一般的なつくりという感じ。もちろん技適認証済みなので、無線使用も問題ありません。

左上部にはロータリーエンコーダーノブをそなえ、デフォルトではボリューム調整ができるようになっています。

キースイッチは、Keychron独自の「Gateron Jupiterメカニカルスイッチ」を採用。赤軸・茶軸・バナナ軸の3種類から選択可能です。ちなみに今回は押下圧55g±15gの茶軸を選択。

ホットスワップにも対応しているので、3ピン及び5ピンMXスタイルのメカニカルスイッチ(Cherry、Gateron、Kailh、Pandaを含む)などと互換性があります。

キーキャップは、耐油性・耐摩耗性に優れるダブルショットPBT(JIS配列はOSAダブルショットPBT)を採用。

2週間、作業キーボードとして使ってみて

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすい75%レイアウトかつ、疲れ知らずのアリス配列、そしてこの見た目ということで、間違いなく一軍キーボードです。

ダブルガスケットマウント構造に加えて多層の吸音フォームが仕込まれているKeychron Q10 Max。軽快な打鍵感なんだけど、決してスカスカというわけではなく程よい反発があって打鍵感も心地いいです。以下は実際に打鍵した様子(茶軸を使用)ですが、一度体験すると他のキーボードに戻れなくなる「やみつき感」がたしかにあります。。

反響を限りなく小さくしたいわゆる“Thocky”な音といった印象ですが、コトコトと軽快に響く打鍵音がたまらないですね。底打ちの残響がカチャカチャ響くみたいなこともないですし、硬すぎず柔らかすぎない絶妙なフィードバックでしっかり腰を据えて安定した文字入力ができます。

HHKBなど静電容量無接点方式のようにブニュっと潰れるような感触ともまた違い、底打ち時にしっかり引っかかりが感じられるうえ、フレームとキーキャップが接触する感覚まで得られるので「打鍵してる感」がしっかり味わえます。カラッと乾いた軽快な打鍵感がたまらない…。

機能面に目を向けると、QMK/VIA(キーマップ変更)に対応しているのも重大トピック。

オリジナルのソフトウェアではなく、ブラウザ上で、かつドラッグ&ドロップで直感的にリマッピングが行えます。ぼく自身「長押し」に別の役割を持たせられるQMKのMod-Tap機能を使いたいためにKeychronを使っているまでありますが、リマッピングありきでキーボードを選ぶ私のような人間にはQMK/VIA対応というだけで乗り換える口実としては充分ですね。

左端に5つの「Mキー」を備えるのも一般的な75%レイアウトキーボードとは異なる部分で、ここに任意のマクロ操作を割り当てることもできます。

打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いKeychron Q10 Maxですが、しいて難点をあげるなら高さ調整ができないことですかね。

大半のキーボードに付いているような段階式のチルトレッグがこのキーボードには付いていないため、固定の高さで使用することになります。個人的には一段階でも高さを変えられたら嬉しかったんですが、フルメタルボディの本機の重量が2kgを超えてることを考えると重厚感とのトレードオフといった感じでしょうか。

チルトレッグがない代わりに本体自体の傾斜は十分

本体は傾斜がついてるので軽快にタイピングができますが、角度調整があったらさらに快適だったかもしれません。

アリスレイアウトの最高峰

数あるKeychronキーボードの最上位に位置するQ Maxシリーズのアリス配列ということで、これ以上のアリス配列は探し求めても出会えないのではないでしょうか。

また、こんなに希少性の高いキーボードなのにちゃんとJISまで用意されている点も嬉しいポイント。

キーボードは人によって好みがわかれる部分が多いものではありますが、アリス配列、メカニカル、打鍵感、フルメタルボディの重厚感、これらのキーワードが全部刺さったという人はぜひ買ってください。約4万円と高価ではありますが、その価値は感じられるはずです。

すでに日本国内で購入できるようになっていますので、上記に該当する以外の人ももし気になったらぜひチェックしてみてください。

SHARE ON