音楽をできるだけ良い音で持ち歩きたい。電車やカフェ、旅行先など、出かけた先でも好きなタイミングで聴きたい。こんなニーズを満たしてくれるのがポータブルオーディオ。そして「音質」を詰めると行き着くのが、デジタルオーディオプレーヤー(DAP)。
中でも、Shanlingの大人気エントリーDAP「M3」シリーズの最新機種が「M3 Plus」です。今回はShanling代理店のMUSINさんから紹介用に提供いただいたので、実機を使って使用感や音質をレポートしていきます。
SHANLING M3 Plusの外観
航空機グレードのアルミニウム合金から成形された、堅牢性の高いメインシャーシを採用したM3 Plus本体。といっても重量は約205gと一般的なスマートフォンに近く、手のひらに無理なく収まるサイズ感もあって非常に手馴染みがいいです。

画面も4.7型と比較的コンパクトなので、曲の選択を片手で行う際も親指で隅々までリーチしやすく、スクロールの頻度も少なくすみます。

カラーバリエーションは、モカ・ブラック・グレーの3色展開で、今回はグレーモデルを使用。サイド部分の独創的なウェーブデザインと相まってかなり高級感があります。

上部には3.5mmの一般的なイヤホンジャックと、4.4mmバランス端子。

底面は充電兼データ転送用のUSB-C端子と、microSDカード。

左サイドには再生・停止、曲送りボタン。M3Ultraでは丸型ボタンでしたが、細長い形状の高級感のあるデザインが特徴的です。

右サイドには、ボリュームノブ。「コリコリ」とした挙クリック感があり、回し心地はやや軽め。

そして嬉しいのが、あらかじめディスプレイに保護フィルムが貼ってある点。僕はこの手のフィルムを貼る時必ずと言っていいほど気泡が入ってしまうので、かなりありがたい…!

上質なボディには上質なケースをということで、別売のPUレザーケースをセット。内部はマイクロファイバー製なので、本体表面に傷をつけることなく優しく包んでくれます。

コンパクトな見た目を裏切る、圧倒的な音の密度

DACチップはCirrus Logic社の「CS43198」を4基搭載したQuad DAC構成で、コンパクトサイズながら音楽の細部まで表現できるよう追求したM3 Plus。アンプはTI社のOPA1612とSGM8262の組み合わせによるフルバランス構成。高音質かつ高出力が期待できる、いわば「ハイエンドDAPの王道的設計」。

一聴して感じたのは、ナチュラルさと繊細さがありつつ、全体的にバランスの取れたサウンドに感じました。小スタジオで聴いているかのようなまとまりのある落ち着いた音質といった印象で、スペックからも表れている通りのノイズの少なさ、そして音像のブレのようなものがとても少ない印象。
一音一音の音の粒子まで感じ取れそうなほどの解像度感の高さと分離感で、同価格帯のDAPの中では音の輪郭がとてもクッキリとしている印象。それでいて曲の雰囲気を包み込むようなアナログ感溢れるサウンドといった感じで、長時間聴いていても疲れにくいチューニングなのでゆったり音楽に浸りたいときに取り出したくなりますね。相性も、ロックやポップス、クラシック・ジャズなど、イヤホンの特性に合わせてさまざまなジャンルに対応できます。
それこそ最新チャート曲全般はとくに相性が良いと感じますね。この価格+Android搭載機としては十分すぎるくらい音が良い。

ジャズの定番曲もいくつか聴いてみましたが、ピアノ、ウッドベース、ドラム、それぞれの音がとても鮮明で、昔の楽曲なのに「最近録音されたばかりなのかな?」と感じるようなフレッシュさも持ち合わせています。

また、スペック上では4.4mmバランス接続時で最大800mWなので出力もかなり高いんですよね。イヤホンはもちろんのこと、ある程度の鳴らしにくい有線ヘッドホンでもバランス接続であれば鳴らし切れるのもM3 Plusの強みです。
ストリーミング再生は、Apple Music、Amazon Music、Spotifyいずれも対応。Amazon Musicでも192kHz/24bitの音源も問題なく再生できました。

システムレベルでSRC回避ができているため、Amazon Music HDなどサードパーティーアプリでも192kHz / 24bitで再生できましたね。ただメーカー側はあくまで「サードパーティー製のアプリの動作を保証するものではない」と謳っているので注意が必要(稀にバージョン変更で使用不可になる場合もあるので)。
操作性は”DAPとしては”という前提ではありますけど、とても良い方だと思います。
強いて言えばAmazon Music起動時のジャケットが読み込まれた瞬間はやや重くなりますが、その後は引っかかりなくサクサクスクロールできます。
ゲイン設定やフィルターの設定を変更したいときは、画面上部から下にスライドするとメニューバーが表示されて、ワンタップで設定の変更ができるなど、全体的にかなり直感的に操作が完結します。特にゲインやフィルターは頻繁にいじる部分なのでメニューバーへのアクセスが良いのはありがたいですね。

あとは細かいところですが、オートシャットダウン機能が便利。任意に選んだ時間が経てば自動的に電源をオフにしてくれるという機能です。

DAPは電源を切り忘れることが多くて、いざ使おうと思った時にバッテリー切れ…みたいなことも多いので、この仕様は助かります。個人的にはDAPで必須の機能。
全体的にDAPとして完成度の高いM3 Plusですが、強いて気になる点をあげるなら、純正再生アプリだと「ギャップレス再生」ができないという点でしょうか。

トラック間をシームレスに繋ぐ機能ですが、対応していないと次のトラックに映った瞬間に一度ブツっと途切れるような挙動になるんですよね。ただまあ純正再生アプリに限ったことなので、僕みたいにストリーミングメインで使っている人であれば大きなデメリットにはならないかなと思います。
最初のDAPにおすすめなミドルクラスの本命

操作性、音質、デザイン全方位に120%応えてくれる名機「SHANLING M3 Plus」。
クアッド構成のDACを搭載したモデルはこれまで10万円を超えるものが主流でした。しかしM3 Plusは6万円台でクアッド構成のDACを搭載し、よりハイレベルな音質を手に取りやすくなっています。個人的にはこのM3シリーズ全般ハズレがないと思っているので、エントリークラスでDAPを探している方におすすめです。
最初の一台としてSHANLING M3 Plusを選べば長く使えますし、今ハイエンド機を持っていても、コンパクトなモバイルリスニングのサブ機として選んで損はしないと思います。同クラスの他モデルは基本的にスリープタイマー機能がついていないので、自動で電源が切れておいて欲しいという方もM3 Plusがおすすめですよ。




