コンパクトに高品質高出力を持ち運ぼう。ミニマム・ハイエンドの最適解『ONIX Tocata XM2』

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伝統の “ブリティッシュサウンド” をポータブルの分野にも継承するブランド「ONIX」から、ピュアプレーヤー第2弾としてリリースされた「Tocata XM2」。

ポータブルとしての理想的なサイズ感と、独自のインターフェース設計でユーザビリティを追求した「ミニマム・ハイエンド」な一台。今回は代理店のMUSIN様よりお声がけいただきサンプルを送ってもらったので、実機を使って使用感や音質をレポートしていきます。

ONIX Tocata XM2の外観

2024年発売の同社初DAP「Overture XM5」をよりコンパクトに凝縮したようなTocata XM2。縦横比1:1のディスプレイに、操作ボタンはディスプレイと並べて前面に、ボリュームダイヤルと出力端子は底面に配置されています。

ディスプレイは、スクエア比を活かしてどの向きにも回転させての表示できるようになっています。「やっぱりケーブルは上に伸びてくれた方が扱いやすい」という場合は、画面回転でサクッと取り回しを変更することもできます。

4方向に画面の向きを変えられる。机の上に立てたり、ポーチやケースにしまったまま音楽を聴く際に取り回ししやすい

その際に再生ボタンの刻印の向きこそ反転しますが、スキップボタンの向き(早送り/戻し)は画面の向きに合わせて自動で入れ替わる仕様になっています。

前面に配置された4つのボタンのうち右端の「Fnボタン」には、以下の用意されている中から好きな機能を選択して割り当てることができます。

  • Return To Main Menu(メインメニューに戻る)
  • スクリーン回転
  • ボタンロック
  • 画面をロック
  • ゲイン(ハイ/ロー切り替え)
  • Favorite(再生中の楽曲を「お気に入り」に登録)

例えば「ヘッドホンとイヤホンを頻繁に行き来してリスニングするからゲイン設定をサクッと変えられたら便利」など、ユーザーの使い方に合わせて最適化が可能です。XM5から継承される機能ですが、「小型で持ちやすい」というもともとの強みも相まってXM2はハンドリングの優秀さが際立っています。

また、本機はAndroidベースではない、音楽再生に特化した自社開発のシステムを採用しているのも特徴。これにより、OSのバックグラウンド処理によるノイズをカット。さらに、3,000mAhの大容量バッテリーを搭載し、スマートフォンの電力を消費せずに最大8.5時間の安定したリスニングが可能です。

単体でのSDカード再生はもちろん、Wi-FiによるDLNAやAirPlay、さらには双方向Bluetooth 5.2(LDAC対応)に対応。「高品位なUSB-DAC」として使うもよし、逆に本機をトランスポートとして外部DACに繋ぐもよし。この小さな一台が、デスクトップから移動中まで、あらゆるオーディオ環境のハブとして機能します。

マグネットを内蔵する別売の「マグネティックケース」を装着すれば、MagSafe対応スマホの背にピッタリと添わせることも可能です。こちらは早期購入特典のブラックカラーですが、通常購入ではグリーン、パープル、オレンジのカラバリから選択できます。

これまでのポタアンや小型DAPのように、シリコンバンドでスマホを縛り付けたり、手の中でバラバラになったりする煩わしさから解放されます。(Androidでも使えるよう、金属製プレートも付属)

フレッシュで高解像度なサウンド

DAC回路にはCirrus Logic社のフラグシップチップ「CS4308P」を搭載、独自I/V変換段にはTI社「OPA1612」、アンプ回路にはSG Micro社「SGM8262-2」を採用するONIX Tocata XM2。

一聴して感じたのは、ノイズ感の少なさと音の描写力の高さ。スペックからも表れている通りのノイズの少なさで、音像のブレのようなものがとても少ない印象。A級アンプのような温かみのある音ではなく、音の描写をクッキリハッキリ硬質に鳴らすような感覚を受けました。

音の粒子まで感じられるような解像度感の高さと、分離感で同価格帯のDAPの中では音の輪郭がとてもクッキリとしている印象です。モニター系のようにカチッとしすぎず、高域ラインが少しウェットな余韻を感じるんですよね。高解像度なのにリスニングライクといったイメージ。

そのウェットさがボーカルにいい感じに反映されていて、バンド系の楽曲ならボーカルを軸に高解像度かつフレッシュに聴かせてくれます。最新チャート曲全般はとくに相性が良いと感じますね。

ジャズの定番曲もいくつか聴いてみましたが、ピアノ、ウッドベース、ドラム、それぞれの音がとても鮮明で、昔の楽曲なのに「最近録音されたばかりなのかな?」と感じたほど。アナログ感や昔懐かしの温かみのようなものは少なめですが、とても現代的な音でフレッシュかつ高解像度で鳴らしてくれます。

また、スペック上では4.4mmバランス接続時で最大800mWなので出力もかなり高いんですよね。イヤホンはもちろんのこと、ある程度の鳴らしにくい有線ヘッドホンでもバランス接続であれば鳴らし切れるのもTocata XM2の強みです。

ただ、弱点はやはりApple MusicやAmazon MusicといったAndroidアプリを直接インストールできないという点でしょうか。Tidal(オンライン)やスマホからのAirPlay接続が必要になります。

もしくは、Tocata XM2はBluetoothレシーバーとしても使えるので、スマホの音源をTocata XM2側に飛ばして楽しむこともできます。この場合、Bluetooth接続になるので音質の劣化はあります。ただ、高音質コーデックのLDACでのBluetooth受信に対応しているので、LDAC対応機種と接続した場合は、音質の劣化を極力なくした状態で聴くことができます。

とはいえTocata XM2の音質の良さをフルで楽しみたいなら、やはり直接音源を入れて聴くのがベストですね。

コンパクトに高品質高出力を持ち運ぼう。

このサウンド、そして前述の操作感。現在のDAPジャンルにおいて稀有な個性が光るモデルだと感じます。そしてAndroid非搭載だからこそ、起動が速く、余計な通知に邪魔されず「ただ音楽と向き合いたい」という欲求に、動作の軽快さと音質の両面で応えてくれるONIX Tocata XM2。

スペックに対して比較的手が届きやすい価格かつコンパクトでもあるので、ポータブル性に優れたサブ機として検討している人もいると思いますが、その場合にもメイン機と役割が被ることはないはず。

細かい部分をいうと、キーボードがフリック入力に対応していれば個人的には言うことなしだったなとは思いますが、それ以外の操作性、そして肝心な音、デザイン、全方位に120%応えてくれる名機です。スマホ再生を「オーディオ」に昇華させたい方、かつビルドクオリティも妥協したくない方はONIX Tocata XM2ぜひチェックしてみてください。

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