1万円を出せば性能十分なワイヤレスイヤホンが手に入る昨今ですが、2〜3万円レンジのハイエンドモデルはやはりひと味違います。
当ブログでもSONYやゼンハイザーをはじめ、Jabra、ヤマハなどのフラッグシップ機を紹介してきましたが、それら名機に肩を並べるモデルがまたまた登場しました。
それがこの『NUARL NEXT1』です。
正直、音の解像度一点に絞ればこれ以外に選択肢は数多ありますが、”中高域の鮮やかさ”で本機に勝るものはないのでは?と感じるくらい、とにかく音が美しいんです。
前回のN10 Proから音質がパワーアップしただけでなく、いま完全ワイヤレスイヤホンに欲しい機能をすべて盛り込んだNUARLの最新フラッグシップ機。今回はそんなNUARL NEXT1の使用感をじっくりレポートしていきます。
NUARL渾身のフラグシップイヤホン『NEXT1』
イヤホン界隈で抜群の人気を誇る国産オーディオブランド「NUARL」から発売された、完全ワイヤレスイヤホン最上位モデル『NEXT1』。スペックは以下のとおりです。
製品名 | NUARL NEXT1 |
---|---|
Bluetooth | 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC |
ドライバー | 10mmダイナミック型 |
専用アプリ | ◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ |
外音取り込み | ◯ |
マルチポイント | ◯ |
自動装着検出 | ◯ |
最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体6時間/ ケース込み20時間 |
充電端子 | USB-C |
防水 | IPX4 |
ワイヤレス充電 | ◯ |
カラバリ | ブラック、ホワイト |
メーカー保証 | 1年 |
カラーは、発売時点でブラックエボニーとホワイトイグレットの2色展開となっています(今回はホワイトを使用)。
内容物は、イヤホン本体、USB-C to Aケーブル、イヤーピース4ペア、イヤーループ、説明書の5点です。
イヤーピースは、軸が浅めのシリコンタイプがXS/S/M/Lの4サイズ付属します。
充電用のUSBケーブルは短めのType Cケーブルが付属。
こちらがケース本体。マットな仕上げで高級感のある筐体にカッパーっぽいNUARLロゴの印字がカッコイイ。
ケースサイズはワイヤレスイヤホンの平均的なサイズですが、握りやすい楕円形状も相まって手の収まり感が良いですね。
AirPods Proと比べると、NUARL NEXT1の方が一回りくらい大きいサイズ感。
充電ポートは、汎用性の高いUSB Type-Cに対応しています。
そして、嬉しいワイヤレス充電対応。
再生時間はイヤホン単体で最大6時間(LDACは5時間)、ケース込みで最大20時間と、TWSのごく平均的なバッテリー性能といった感じです。
ケース内のマグネットの磁力はかなり強力。イヤホンを近づけるとカチっと吸い付くように収まります。それでいてイヤホンが摘みやすいため取り出しもスムーズ。
収納時はイヤーピース部分にゆとりがあるので、フランジ型を除いて大抵のイヤーピースへ付け替えが効く点も嬉しいですね。
イヤホン本体は、先代と同じく楕円デザインを採用。ワークアウトやジョギング時に安定して使えるようイヤーループもついてます(くわしい装着感は後述)。
また、イヤホン本体は生活防水(IPX4)に対応しているので、雨や汗にも強いです。
重量は、イヤホン左右合わせて約11g、ケース込みで約56gとハイエンドモデルとしては比較的軽めです。
NUARL NEXT1 を使ってみた
軽快で安定した装着感
楕円形状のイヤホン本体が耳奥にフィットし、安定した装着感であるNEXT1。ピタリと耳にハマるぶん側圧もやさしいので、作業時や移動中など数時間つけっぱなしでも快適です。
イヤーフィンが耳の形に沿うようにフィットするのでグリップ感も良好。強く首を振っても耳から落ちる気配はまったくないので、通勤や通学中はもちろんワークアウト用にも使いやすそう。
付属のイヤーピースも4サイズから選べるので、耳のサイズに合わせて隙間なく密閉できる点でも没入感を高めてくれます。耳の小さい筆者はMだと少し窮屈だったので、Sに付け替えたところしっくりきました。
マイルドなANCと自然な外音取り込み
筐体自体のパッシブの遮音性が高いNEXT1ですが、ノイズキャンセリングの遮音性能はやや控えめな印象です。
屋外で1週間ほど使用しましたが、車や電車の走行音といった低音はしっかりカットしてくれる反面、人の話し声や風切り音のような高めのノイズは打ち消しきれない印象でした。
ただ、キツすぎると耳が疲れて長時間使いづらいのと、移動中など完全に環境音が遮断されると都合が悪ことも多いので個人的には”ちょうどいい量感”かなとは思います。反面「遮音性が超大事!」という人にはちょっと勧めづらいですね。
アプリからもノイズキャンセリングの強度を調整できます。
ぼくはHIGHをマックスにしてますが、それでも他社のハイエンドに比べてやさしい印象なので大抵の人はマックスでいいと思います。
一方で、外音取り込み性能はこれまで試した50台以上のTWSの中でもトップクラスに優秀だと感じました。
自分の声がモゴモゴこもることなく自然に聞こえますし、買い物時の店員さんとの会話や、電車に乗ってるときのアナウンスの聞き取りもかなりスムーズにできます。
外音取り込みもアプリから集音の強弱、周波数帯など細かくアレンジ可能。こちらも基本はHIGHをマックスにしておいて大丈夫です。
TWS最高クラスの美音系サウンド
高域から低域まで特定の帯域が突出したり不足せず、原音忠実なサウンドが特徴のNUARL NEXT1。
先代のあの鮮やかなサウンドそのままに、解像度がパワーアップしてさらに美音系サウンドに拍車がかかった印象ですね。中高音の響きが美しく、聞こえてくる音すべてがキラキラしていて特にボーカルの表現力はピカイチ。それでいてキンキン刺さる感じもなく長時間でもサラッと聞きやすいです。
女性ボーカルや楽器系の音がとにかく鮮やか。最新チャート系はもちろん、ジャズやクラシックなどアコースティック編成の楽曲、チル系や弾き語りなんかはめちゃくちゃ没入感に浸れます。この辺との相性は完全ワイヤレスの中では最強クラスなんじゃないかなと思いますね。
あとはハイトーン系のアニソンなんかとも相性いいです。
先代に比べて低音の量感も底上げされた印象で、広い音場も相まって迫力もあります。もし低域が弱いと感じたら、専用アプリ「ピュアダイレクトイコライザー」から細かく自分好みの量感に増強できます。
タッチ操作は快適ではあるけど…
NUARL NEXT1の操作は、イヤホン本体のタッチパネルから行います。
操作方法一覧はこちらのとおりです。
項目 | 操作方法 |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を長押し |
曲戻し | L側を長押し |
音量アップ | L側を1回タップ |
音量ダウン | R側を1回タップ |
ノイズキャンセリングON | L側を3回タップ |
外音取り込みON | R側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 接続元のBluetooth接続を解除 |
音量調整がワンタップ、ノイズキャンセリングと外音取り込みが三回タップと操作方法はわかりやすいのですが、複数回タップ時の感度が少し鈍いのが気になった点。
タップの感度がイマイチであっても、操作方法自体をアプリから変えられれば解決するのですが、NEXT1は2パターンの初期プリセットから選ぶことしかできず、操作ごとに細かく設定できないんですよね。
メーカーさん曰く今後のソフトウェアアップデートで調整予定とのことなので、操作項目のカスタマイズができるようになると嬉しい!
2台同時接続にも対応
NUARL NEXT1は、2台の機器に同時接続できる”マルチポイント”にも対応しています。
最近のワイヤレスイヤホンは対応機種がかなり増えてきましたが、このマルチポイント機能が本当に便利。
例えば、iPhoneとiPadでペアリングしておきます。
iPhoneで音楽を聴いていて、iPadでNetflixを見たいとなったら、そのままiPad側で再生ボタンを押せば自動的に切り替わってくれます。
一つの端末でゴリゴリ使う人には関係のない話ですが、複数デバイスと接続して使いたい人には必須の機能だと思いますね。
まとめ
今回は、NUARLから発売されたフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホン『NEXT1』を紹介しました。まとめると以下のとおりです。
音質にもともと定評のあるNUARLの集大成ということで完成度は凄まじいですね。ものによっては4万円を超えてくる近年のハイエンドTWSですが、アンダー3万円でこの超美音サウンドとイコライザーが手に入るなら個人的には買いだと思います。
冒頭でもいいましたが、中高音の鮮やかさでNEXT1に勝るTWSはないのでは…?それほどまでに音いいです。百見は一聴に如かずということで、少しでも気になる方はぜひ一度NUARL NEXT1を試してみてはいかがでしょうか。