MorkBladeから発売された80%レイアウトのラピトリキーボード「MorkBlade Bold TKL」をレビューしていきます。
アクチュエーションポイント & ラピッドトリガー 最小値0.005mm、レイテンシー最短0.03ms、ポーリングレート8,000Hz スキャンレート32,000Hz、Gateron Jade Proスイッチを標準の注目モデル。
他のゲーミングキーボードとの性能差がハッキリと体感できる唯一無二のキーボードなので、ゲーミングキーボードのアップデートを検討中の方はぜひチェックしてみてください。
MorkBlade Bold TKLの外観
MorkBlade Bold TKLは、磁気式キースイッチを採用した80%レイアウトのメカニカルキーボードです。

ブラック一色のアルミ合金筐体が映えるBold TKL本体。横から見た時に素材が途中から切り替わっているのですが、これがミラーウェイトになっていてかなり高級感があります。

天面中央には有線接続様のUSB-C端子。同梱のケーブルを接続することで使用できます。

キーキャップは、耐油性・耐摩耗性に優れるDye-sub PBTを採用。長期間使ってもテカリや黄ばみが起きにくく、キレイな状態を保つことができます。

キースイッチは、Gateron Jade Pronoを採用。磁気キーボードということで、アクチュエーション・ポイント(キーを押した際に、キーが反応する深さ)を 最短0.005mmmまで調整できます。

タイピング角度は約7度と一般的な角度。チルトレッグなどは備えておらず角度は固定になります。

MorkBlade Bold TKLを使ってみる
まずMorkBlade Bold TKLの打鍵感ですが、ガスケットマウント構造ということで非常に良好です。打鍵の感触は、途中まで軽いクリック感があり、その後ストンと抜けて底打ちするような感覚で心地よく、腰を据えて安定した入力ができます。
スイッチが軽めなのと、キーキャップがポリカーボネート製ということもあり「カコカコっ」とやや高めに響く打鍵音といった感じ。とはいえガスケットマウント構造なので、大袈裟に底打ち音が響くみたいなことはなくしっかり衝撃吸収してくれています。
キーの押し始めに必要な重さ(アクチュエーションフォース)と一番深くまで押下する際に必要な重さ(ボトムアウトフォース)の差が最小限であることが理由ですが、キーをホールドしたり連打するときに余分な力を必要とせず、ゲームを一日中プレイした際に指の疲れがずいぶんと軽減しました。
かといってゲームのためだけに引っ張り出すキーボードというわけではなく、テキストワークなど日常使いでもずっと使っていたくなる、そんな打鍵感です。高級キーボードの部類に入る本機ですが、やみつきになる打鍵感という意味ではゲーム用、作業用どちらでもキーボード選びの旅が一区切りしてしまうのではないかと感じるほどの完成度だと感じますね。

専用のWEBドライバ−を使ったカスタマイズ性が優れるのも本機の大きな特徴。

ソフトウェアは日本語対応で、ドライバー操作に慣れていない人でもつまずきポイントなどなくサクッと各種設定ができる非常にわかりやすいUIです。キーのレイアウト変更やバックライト調整、キーのキャリブレーションのほか、マクロ設定、ファームウェアアップデートもこのドライバー内で行えます。一方で、ファンクションキー(レイヤーキー)の再配置、IMEのオンオフには対応していないのは注意点。
また、プロファイルを4種類登録でき、ファンクションキーと数字の1〜4の同時押しでそれぞれ切り替えることができます。

ラピットトリガーはリセットポイントが最短0.005mmから無段階で調整可能。アクチュエーションポイントも0.005mm〜で変更できます。トップデッドゾーンとボトムデッドゾーンも調整でき、値を「0」にすることも可能です。

くわえてポーリングレートは8000Hz(固定)、スキャンレートは32KHz。1秒間に3万2千回キーボード内に情報をスキャンして、8000回PC側へ情報を送るということで、高精度かつ低遅延を実現しています。
ラピトリの精度に関しては全キーボードのフラッグシップ級。キーを離したり連打するのが高速になるので、例えば「VALORANT」などでキーから指を離す方法でストッピング(銃を撃つ際、まっすぐ弾丸を飛ばすために操作キャラクターを静止させる状態)を行う際に止まるまでの速度が劇的に向上します。Switcが上下するガスケットマウント構造でありつつ、最短入力できるというのがBold TKLの強みですね。
価格に対して、打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いBold TKLですが、しいて難点をあげるなら高さ調整ができないことですかね。
大半のキーボードに付いているような段階式のチルトレッグがこのキーボードには付いていないため、固定の高さで使用することになります。個人的には一段階でも高さを変えられたら嬉しかったんですが、フルメタルボディの本機の重量が約1.9kgということを考えると重厚感とのトレードオフといった感じでしょうか。

あとは、現状海外の公式HP経由でしか購入できない点も人によっては購入の手が止まってしまう要因になりそうです。製品自体はすばらしいので、今後はAmazonなど販路を広げてもらえさえすれば手間や不安なく注文ができて国内ユーザーが爆増するだろうなと感じますね。
テンキーレスラピッドトリガーの決定版

MorkBlade Bold TKLは、80%レイアウトでコンパクトながらファンクションキー(F1~F12)とショートカットキー(Home, PageUp, PageDown, End)、分離した矢印キーをそなえた万能キーボード。ソフトウェアが取っ付きやすいというのも魅力です。
さらに、ガスケットマウンと独自のスプリング構造による至高の打鍵感や、フルアルミ合金による上質感あふれる筐体、最小値0.005ミリのラピッドトリガー、アクチュエーションポイントなど価格に対してのコスパという意味でも非常に優れていると感じます。
ゲーミングはもちろん永く使っていく仕事道具として選んで損しないキーボードだと思います。MorkBladeファンはもちろん、逆にこれまでMorkBladeに馴染みがなかった人にも素直におすすめしたい逸品です。
今後もさまざまなキーボードに触れていくという趣味は変わらないと思いますが、「機能全振りキーボード」については当面MorkBlade Bold TKLが筆者のリファレンス製品になることは間違いなし。今回レビューしたブラックモデルの他カラバリもあるので、ぜひチェクしてみてください。