待望のMistel AIRONEのワイヤレスモデルが手元に届きました。過去に有線モデルを愛用していたのですが、このキーボードめちゃくちゃいいんですよ。
とにかく薄いのに、しっかりメカニカルの打鍵感、さらにミニマルでカッコいいという、薄型キーボード好きのぼくの中では完璧に近いキーボードです。
そんなMistel AIRONE BTを実際に1週間ほど使ってみたので使用感をレビューしていきます。薄型、メカニカル、打鍵感、Magic Keyboardテンキーレスブラック、これらのキーワードにピンとくる人はぜひ最後までご覧ください。
Mistel AIRONE BTの外観
こちらがMistel AIRONE BT本体。カラー展開はブラックの一色のみで、明るいダークグレーのような黒ではなく、しっかり黒といった印象。

超薄型メカニカルスイッチ「Cherry MX ULP」を搭載した65%レイアウトのキーボードで、「薄型好きで打鍵感を求めたいならもうこれでしょ」って1台です。

前モデルも話題になったので気になっていた人も多いのではと思いますが、「無線非対応」であることがネックだったんですよね。ぼく自身前モデルを購入した際に「ワイヤレスだったらな・・」と思いながら買ったことをよく覚えてます。
そして、その「ワイヤレスだったらな」が実現したのが今回のアップデートモデル「AIRONE BT」。日本国内で販売するBluetoothモデルということで、もちろん技適にもしっかり対応しています。

前のモデルから何が変わったかといえば、ワイヤレスに対応した以外は基本同じ。と、思ってもらって大丈夫です。見た目、打鍵感は前モデル同様「最高」です。
キーキャップはABS製。Win / Mac対応ということで両方の刻印に対応してます。キーキャップの印字については、ライトが光ると透けるようになっているので、バックライト色にあわせて印字部分の色が変わります。

天面の両サイドにはUSB-Cのポートが1つずつ。どちらからでも有線接続可能なありがたい仕様。

底面にはDIPスイッチをそなえます。

- 1:Mac/WINの切り替え
- 2:左CtrlとCapsLockの入れ替え
- 3:左AltとWinの入れ替え
- 4:CapsLockとFnの入れ替え
上記の通りの挙動を調整可能。物理ボタンでこれらの項目を入れ替えられるのは便利で良いですね。またマルチデバイス接続も可能で、最大3台のデバイスとペアリングして任意で切り替え([FN]+[X]/[C]/[V]キーの押下)ながら運用できます。
重さは300gちょっと。サイズも重量も含め、ワイヤレス化してバッテリー積んでこの程度のボリュームアップなら非常によろしいのではないでしょうかね。

横幅自体はMacBookの13インチサイズとほぼ同じなので、はみ出さずに置いて、尊師スタイルで使うこともできるでしょう。しかし、背面のゴム足はキーに干渉してしまったので、ラップトップの上に置く場合はタイプスティックなどのアイテムの併用は必須になります。

Mistel AIRONE BTを使ってみる
というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。前モデル同様心地よい打鍵感、そしてこの見た目ということで、間違いなく一軍キーボードです。

キースイッチは「クリッキー」と「タクタイル」を選べます。通常のメカニカルキーボードというか、ロープロファイルのキーボードならスイッチの種類を選べるのも主流になりつつありますが、これだけコンパクトに振り切ったキーボードで選択肢があること自体めずらしいですよね。ちなみにぼくはクリッキー(いわゆる青軸)を選択。以下、実際に打鍵した様子です。
薄型のキースイッチCHERRY MX ULPということでストロークは浅めですが、メカニカルらしいしっかりとした打鍵感。どっしり目のメカニカルキーボードなどと比較すると重厚感のようなものは薄い印象ですが、軽快で流れるようにタイピングできるこの感覚はやみつきになります。単に薄型のキーボードってだけなら選択肢は無数にありますが、これだけの打鍵感を味わえる薄型キーボードはきわめて希少です。。
押下圧については65gとやや重め。ロープロファイルやフルプロファイルのキーボードと比較するのもちょっと違う気もしますが、フルプロファイルの55gくらいの重さかなという印象です。最初のひっかかりを超えるとストンとキーが落ちていくような感覚で、長時間のタイピングでも指疲れしにくく腰を据えて安定した入力ができます。

打鍵音については、思いのほか音量小さめだと思っています。カチカチとした高音が響きわたることもなく、意外と低音よりの打鍵音になっています。もちろん、カチッと押し込んだときの音や底打ちしたときの衝撃音はあるのですが、まあ許容範囲かなといった感じ。静かすぎる会議や図書館だとさすがに目立ちそうですが、話し声がや雑音がそれなりにあるカフェとかであれば問題なく使えるレベルのボリュームです。
あと、念のため触れておくとこのキーボードはリマップやマクロ設定を行う機能も搭載しています。ソフトウェアではなくハードウェア側(PNキー操作)で行います。ぼくは薄型キーボードにカスタマイズ性をそこまで求めないのですが、リマップやマクロボタンを作りたい人は試してみてください。

さて、有線から無線になったことで気になるのがバッテリー持ち。公称値ではバックライトONで約6時間、バックライトOFFなら最大50時間の稼働時間となっています。やはり薄型ボディに入る程度のバッテリーということで、ちょっと心もとないなという感じはしますね。とはいえ、個人的にバックライトはマストじゃなく正直OFFで全然いいので、そういう場合は軽量・薄さ重視の使い勝手として必要十分だと感じました。
デザイン、打鍵感、機能面どこをとっても完成されているAIRONE BTですが、しいて難点をあげるなら、やっぱり価格ですかね。36,800円は結構勇気のいる値段です。
前モデルは発売当初2万円後半だったと思うんですが、円安、物価高を受け、かつ、ワイヤレスモデルになったことで4万円に近づいた価格設定になってしまいました。高級キーボードとして君臨しているHHKBも同じくらいの35,000円程度で販売されていることを考えと、高価であることは間違いないでしょう。
それでもなお、希少性や得られるバリューを考慮すれば個人的にはおすすめキーボードだという思いは変わりませんが、気軽に「めっちゃいいから買ったほうがいいよ!」と言える価格ではなくなってしまったのが残念かなという感じですね。
あとはJIS配列が存在せずUSしかないこと。海外のキーボードでも日本市場に寄せたモデルはJIS配列も作ったりしますが、今のところMistelのキーボードは残念ながらUS一択。やはりJIS配列ユーザーが多数派だと思うので、JISしか使ったことがないという人にはちょっとハードルが高いですよね。
これを機にUSにしゃうって考えもありだと思いますが、少なくとも慣れるまでにきっと数日はかかるので余裕があるタイミングにどうぞ。
実用的なモバイルキーボードを欲しているなら買い

先にリリースされていた有線モデル・Mistel AIRONE RGBの性能を完全に踏襲しつつBluetooth化したAIRONE BT。薄型コンパクトなメカニカルキーボードとして高く評価されていた有線モデルをそのままワイヤレス化したのだから文句の出ようもないというもの。まさに「鬼に金棒」的な上位互換機と言えます。
コンパクトなので机上スペースを有効に使いたい人におすすめできるのはもちろん、重量もiPad miniとほぼ変わらないから、日々持ち歩きたい人にもおすすめです。キーボードやキータッチにこだわりたいと考えている人にはぜひ手に取っていただきたいですし、前モデルが有線接続だったために導入に二の足を踏んだ人でも再度検討する価値は大いにあると思います。
キーボードは人によって好みがわかれる部分が多いものではありますが、薄型、メカニカル、打鍵感、Magic Keyboardテンキーレスブラック、これらのキーワードが全部ピンとくる人はぜひ買ってください。きっと価格に見合う価値はしっかり感じられるはずです。