メカニカルキーボード界に衝撃を与えた「Lofree Flow」の第二弾、「Flow2」が発表されました。
高級感あふれるアルミニウム筐体はそのままに、打鍵感と打鍵音が「聴かせる方向」へアップグレードされた本機。さらの待望のVIA(キーマップ変更)に対応するなど、見どころの尽きないモデルとなっています。
他のメカニカルとは違いがハッキリと体感できる唯一無二のキーボードなので、メインキーボードのアップデートを検討中の方はぜひチェックしてみてください。
Lofree Flow 2の外観
一見するとApple製品のような雰囲気があるFlow 2。アルミブロックからCNCで削りだされたケースに、ロープロファイル用のメカニカルスイッチとキーキャップが組み合わされています。

初代の「Flow」も同様のアルミケースが使われていましたが、印象は大きく異なります。初代機は球状の窪みのあるスフェリカルタイプのキーキャップを採用し、エッジに丸みを待たせるなどの加工が施されていました。
一方でFlow 2は下側から指を伸ばした時にフィットしやすいシリンドリカル(円柱状)タイプに刷新。また、サイズ(キー数の違い)で3タイプ選択肢があるのも本機の特徴です。

今回使用するのは75%配列の「Flow 2 84keys」。ファンクションキーつきのミドルサイズモデルです。

キースイッチは、SURFER(スムーズな打ち心地)、VOID(SURFER+サイレントタイプ)、PULSE(コリっとしたキータッチがある)の3パターンから選択できます。

CHERRY MXスイッチで言うところの赤軸が好みならSURFER、茶軸ならPULSEがおすすめです。個人的には茶軸が好みなのでPULSEを選択していますが、SURFERよりも弾力があり、かつ静音性にも優れるVOIDという選択肢もアリでしょう。
また、前モデルからのアップデートとして、チルトスタンドが搭載されたのも大きなポイント。一段階式ではありますが、これがあるのとないのとでは大違い。特に独立したファンクションキーを持つ「Flow 2 100keys」と「Flow 2 84keys」は、チルトさせることで指が全域に届きやすくなります。

また、左側のチルトを起こすと、Bluetooth/2.4GHzワイヤレス/有線のモード切り替えスイッチが顔を出します。頻繁に切り替えるものではないため、普段は見えないように隠しておくという選択はアリですね。
充電・有線接続用のUSBポートは右側面にありますが、前モデルにはなかった「黒いバー」も搭載されています。これはタッチで操作できるスライドバーで、初期状態ではボリュームコントロール機能が割り当てられていました(輝度調整の割り当ても可能)。レスポンスは非常に良好で、小指で触れながら軽くタッチ操作できます。

Lofree Flow 2を使ってみる

まずLofree Flow 2(PULSEスイッチ)の打鍵感ですが、初代機と同様に非常に良好です。初代機は「ミュート感が強いコトコト系」といった打鍵音でしたが、Flow 2は「聴かせる感じのコトコト系」へ昇華したという印象。ミュート成分が減り、より立体感のあるタイピングサウンドを味わえるようになったため、その心地よさのためだけにいつまでもタイピングしていたくなるような中毒性がたしかにあります。
これまでのLofreeキーボードと同様に、ガスケットマウントが採用されています。ロープロファイルキーボードとしてはやわらかさと剛性感が高いレベルで両立しており、底付き前の打鍵がしやすいし、底付きするまで押し込んだとしても指の先に伝わる衝撃は控えめなので、腰を据えて安定した文字入力ができます。まるでピアノの鍵盤を叩いているような軽やかな打ち心地がこの上なく至高…。

初代に比べて「ボリューム的な意味合いでは打鍵音が大きくなった」というのは確かですが、決して騒々しくなったというわけではなく、環境に気を配る必要のない範囲で打鍵音がアップデートされたといった印象。ただしオフィス向きとはいえないので、音量が気になる場合は静音スイッチのVOIDを選択しておけば間違いないでしょう。
そして、キーマップ変更ソフト「VIA」に対応したことも重大トピック。

つまり、自分の好きな位置に好きなキーを設定できます。加えて、有線でも無線でもAnyキー機能を用いた「Mod-Tap」が設定できるため、カスタマイズできる幅が大きく広がりました。
Mod-Tapは、短押しで「A」、長押しで「Control」のような挙動が実現できます。また、特定のキー操作を登録してワンボタンで実行できる「マクロ機能」が設定できるなど、カスタマイズ性は多岐にわたります。
打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いLofree Flow 2ですが、しいて難点をあげるならJIS配列が存在せずUSしかないこと。

海外のキーボードでも日本市場に寄せたモデルはJIS配列も作ったりしますが、今のところLofreeのキーボードは残念ながらUS一択。やはりJIS配列ユーザーが多数派だと思うので、JISしか使ったことがないという人にはちょっとハードルが高いですよね。
これを機にUSにしゃうって考えもありだと思いますが、少なくとも慣れるまでにきっと数日はかかるので余裕があるタイミングにどうぞ。
薄さと心地よいキータッチの両立が進化

初代機のコンセプトが「ロープロファイルで打鍵感のよいハイエンドキーボード」だとするのであれば、Flow2は、「視覚・触覚・聴覚で楽しむキーボード」だと感じました。質感とタイピング体験をより重視するLofreeの姿勢が反映された名機だと思います。
ホットスワップ対応なので飽きたら軸を交換することもできますし、長期間使えるという意味でも優秀だなと。
あとは何といってもこの見た目、佇まいですよね。初代機の高級感そのままに、よりApple製品との親和性の高い唯一無二の筐体デザインであるFlow2がぶっ刺さるという人も多いはず・・?
デザインと打鍵感を両取りしつつ、価格(執筆時89ドル〜)も手頃。そんなキーボードを探している方はぜひこの機会に「Lofree Flow 2」狙ってみてはいかがでしょうか。