Keychronから発売された、磁気式キースイッチを採用した80%TKLレイアウトのメカニカルキーボード「Keychron Q3 HE」をレビューしていきます。
磁気キーボード特有のアクチュエーションポイントの0.1mm単位の調整、ダイナミックラピッドトリガー機能、One Key Multiple Commands(1回のキー操作で複数のアクションを実行する機能)を搭載するなど見どころの尽きないモデルとなっています。
他のゲーミングキーボードとの性能差がハッキリと体感できる唯一無二のキーボードなので、ゲーミングキーボードのアップデートを検討中の方はぜひチェックしてみてください。
Keychron Q3 HEの外観
Keychron Q3 HEは、磁気式キースイッチを採用した80%TKLレイアウトのメカニカルキーボードです。カラーはこちらのシェルホワイトとカーボンブラックの二種類から選択できます。

フレームには高品質なフルメタルボディを採用し、さらにマット仕上げの塗装を施し、装飾を抑えたミニマルで堅牢なデザインのKeychron Q3 HE。無骨でありながらもスタイリッシュな外観は、作業環境にもゲーム環境にも自然と溶け込む上品さがあります。

キーキャップは、耐油性・耐摩耗性に優れるダブルショットPBTを採用。長期間使ってもテカリや黄ばみが起きにくく、キレイな状態を保つことができます。

キースイッチは、Gateron Double-Rail Magnetic Nebula Switchを採用。磁気キーボードということで、アクチュエーション・ポイント(キーを押した際に、キーが反応する深さ)を 0.2mm〜3.8mmの範囲で調整できます。

なお、ホットスワップに対応していますが、対応しているキースイッチはGateron 2.0 Magnetic Switchのみとなっています。
天面左側には、有線/無線、Win/Macの切り替えスイッチ、USB-C端子を備えます。2.4GHzのレシーバー接続にも対応しており、このあたりは一般的なつくりという感じ。もちろん技適認証済みなので、無線使用も問題ありません。

右上部にはロータリーエンコーダーノブをそなえ、デフォルトではボリューム調整(押し込み時はミュート)が割り当てられています。

Keychron Q3 HEwp使ってみる

まず打鍵感ですが、先日レビューした同シリーズのアリス配列モデル「Q10 Max」同様に非常に良好です。ダブルガスケットマウント構造に加えて多層の吸音フォームが仕込まれているため、軽快な打鍵感なんだけど、決してスカスカというわけではなく程よい反発があって打鍵感も心地いいです。以下は実際に打鍵した様子ですが、一度体験すると他のキーボードに戻れなくなる「やみつき感」がたしかにあります。。
打鍵の感触は、途中まで軽いクリック感があり、その後ストンと抜けて底打ちするような感覚で心地よく、腰を据えて安定した入力ができます。打鍵音についてもメカニカル特有のカチャカチャ感が控えめで、より低くコトコトと響く感じ。
キーの押し始めに必要な重さ(アクチュエーションフォース)と一番深くまで押下する際に必要な重さ(ボトムアウトフォース)の差が最小限であることが理由ですが、キーをホールドしたり連打するときに余分な力を必要とせず、ゲームを一日中プレイした際に指の疲れがずいぶんと軽減しました。
かといってゲームのためだけに引っ張り出すキーボードというわけではなく、テキストワークなど日常使いでもずっと使っていたくなる、そんな打鍵感です。高級キーボードの部類に入る本機ですが、やみつきになる打鍵感という意味ではゲーム用、作業用どちらでもキーボード選びの旅が一区切りしてしまうのではないかと感じるほどの完成度だと感じますね。

専用ソフトウェア「Keychron Launcher」を使ったカスタマイズ性が優れるのも本機の大きな特徴。

アクチュエーションポイントを0.2mm〜3.8mmの間で無段階でカスタマイズでき、全キーをまとめて変更することも、各キー個別で設定することも可能です。
また、「キーが押し込まれた瞬間に入力」され、「キーが戻りはじめた瞬間に入力解除」されるラピットトリガーもこのソフト内で調整できます。キーを離したり連打するのが高速になるので、例えば「VALORANT」などでキーから指を離す方法でストッピング(銃を撃つ際、まっすぐ弾丸を飛ばすために操作キャラクターを静止させる状態)を行う際に止まるまでの速度が向上します。
そのほか、キーマップからキーの割り当て変更、バックライトの設定、マクロ設定、ファームウェアアップデートなど専用ソフトウェアから行えます。
また、LEDバックライトはあらかじめ用意されたプリセットに加えて、輝度やスピードなども無段階で調整可能。「Fn + Q」を押すことで、プリセットを変更できます。明るさはキーキャップとフレームがほんのり照らされる程度で、眩しすぎず見栄えもいい感じ。LEDをオンにしておけば暗い環境下でもそれぞれのキーを見分けられます。

打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いKeychron Q3 HEですが、しいて難点をあげるなら高さ調整ができないことですかね。
大半のキーボードに付いているような段階式のチルトレッグがこのキーボードには付いていないため、固定の高さで使用することになります。個人的には一段階でも高さを変えられたら嬉しかったんですが、フルメタルボディの本機の重量が約1.8kgということを考えると、重厚感や安定感とのトレードオフといった感じでしょうか。

フロントの高さは22.6mm、背面の高さは35.8mmとそれなりに傾斜がついてるのでタイピングに支障はありませんが、角度調整があったらさらに快適だったかもしれません。
ゲーマー、テキストワーカー、幅広い層のニーズに応える最高の選択肢

ゲーマーにとっての「ほしい」を高水準にそなえ、機能性と実用性を重視したラピッドトリガーキーボードKeychron Q3 HE。余分な装飾をカットし、フルメタルボディの上質感とミニマルさが共存する外観も魅力の一台です。
バランスの良い80%レイアウト、優れた吸音性と衝撃吸収構造、コトコトと心地よく響く打鍵音、そして所有欲を満たす高品質なアルミ筐体…どの部分にスポットを当てても満足度は高く、45,980円という価格設定にも納得感があります。
最大3台のデバイスで併用できるので、ゲーミング用途、テキストワークなど複数の用途を一台で完結したいという方はぜひKeychron Q3 HEを狙ってみてはいかがでしょうか。
製品名 | Keychron Q3 HE |
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配列 | JIS/US |
レイアウト | 80%TKL |
接続方法 | 有線/2.4GHz/Bluetooth |
ガスケットマウント | ◯ |
アクチュエーション | 0.2mm〜3.8mm |
ラピッドトリガー機能 | ◯ |
キーマップ変更 | ◯ |
バックライト | ◯ |