JBL、バッズ型のTWS「LIVE BUDS 3」レビュー。姉妹機「BEAM 3」とも聴き比べ!

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老舗オーディオメーカーJBLが実現した「完全ワイヤレスイヤホン界の革新」が、バッテリーケースへの液晶タッチパネル内蔵。

先日当ブログでも、ディスプレイ付きイヤホンの第二世代「LIVE BEAM 3」をレビューしましたが、日を経ずして新作の液晶内蔵イヤホン「LIVE BUDS 3」が発売されました。

前回に続きハーマンインターナショナルよりサンプルを送っていただいたので、“姉妹機”LIVE BEAM 3とも比較しつつ使用感、音質などレビューしていきます。

まずは外観。BEAM 3からの変更点は?

さっそくLIVE BUDS 3の外観を見ていきます。まず目につくのはもちろんケース内蔵のディスプレイですが、LIVE BEAM 3同様に液晶をケースの胴体ではなく天面(フタ側)に配置することで、上位モデル「TOUR PRO 2」からケース本体が小型化されています。

くわえて、要望が多かったという「ストラップホール」も新たに追加。

ケースの筐体やデザインついては、LIVE BEAM 3をそのまま踏襲しているとのこと。並べてみるとこのとおり瓜二つ。

←LIVE BUDS 3 LIVE BEAM 3→

例によって、この液晶タッチパネルからバッテリー残量表示のほか、「再生・停止・戻る・進む」などの曲操作、ボリューム調節、イコライザー変更など、あらゆる操作が行えます。

もちろん専用アプリからも各種操作が可能ですが、JBLの液晶付きイヤホンにかぎってはこの「ケース単体ですべての操作完結するよ」というのが醍醐味なわけです。正直はじめは「ほんとに実用上必要なの?」とか思ってましたけど、いざ慣れるとふつうのケースに戻れなくなるような便利さがたしかにあるんですよね。

なかでも重宝するのが、「移動中に1〜2分間の予告ムービーやライブ映像をサクッと見たい」的なシーン。ディスプレイからSpatial Soundのムービーモードをオンにすることで、スマホ上で起動中のアプリをスワイプすることなく、すぐさま臨場感たっぷりの音にシフトできます。地味ながらスマートディスプレイの恩恵を感じる瞬間。

そして、背面には充電用のUSB Type-Cポート。10分の充電で4時間再生できる急速充電にも対応しています。

TWSで重視されるバッテリー性能ですが、イヤホン単体で最大8時間、ケースをふくめ最大32時間(ともにANCオン時)とフラッグシップのTOUR PRO 2と同等のバッテリー性能を実現しています。もちろん、ワイヤレス充電にも対応。

また、2台のデバイスに同時接続できるマルチポイントも健在。「マルチポイント有効時に肝心のLDACがつかえない」というモデルも多いなか、これらを併用できるのも本機の特徴です(LIVE BEAM 3同様)。Android複数台持ちユーザーにもやさしい設計。

マルチポイントとLDACの併用も問題なしの両機器

そしてLIVE BEAM 3との大きな違いは、イヤホン本体の形状にあります。スティック型を採用するLIVE BEAM 3に対して、より小さく、軽い「バッズ型」を採用したのがLIVE BUDS 3。

バッズ型のLIVE BUDS 3(左)とスティック型のLIVE BEAM 3(右)

「どちらが優れている」ということではなく、個々の耳の形状との相性や、デザインの好み次第でそれぞれ選択できるという両機器。耳にすっぽり収まるLIVE BUDS 3はパッシブの遮音性や安定感という点で優れる一方、より装着感の軽いスティック型のLIVE BEAM 3は、長時間使用時の快適性に優れるといった特徴があります。

着脱のしやすさ、ワークアウト時に使いやすいことも含め、個人的にはスティック型のLIVE BEAM 3の方が好みですが、高い遮音性や安定感を求める人、あるいは耳の小さい方、従来モデルが耳に合わなかった方にぜひ試していただきたいのが今回のLIVE BUDS 3です。

2万円クラス屈指の音響・遮音性能

LIVE BUDS 3とLIVE BEAM 3、本体の形状が違えば、その内部のドライバーの構造も多少異なります。

PUとPEEKを組み合わせた新素材樹脂を採用したLIVE BEAM 3に対して、本機はPET、PU、チタニウム素材を使用したドライバーを採用(サイズはともに10mm口径)。

実際に2週間ほど聞いてみたところ、全体的にJBLらしいパワフルかつフレッシュな音作りで、解像感や音の粒立ち感は完全に上位機ゆずり。LDACに対応したことでキツさが取れた抜け感たっぷりの高音、ツヤ感たっぷりにボーカルが響く中音、ベースやキックドラムがタイトにキレよく響く低音、どの帯域に目を向けても「2万円クラス」では卓越してると感じます。

双方で劇的に音質が違うみたいなことはないのですが、PU+PEEKで低音が強調されたLIVE BEAM 3に対して、チタニウムのLIVE BUDS 3はどちらかというと中高域の再現性(特にボーカル帯)が高く、歌ものの楽曲との相性が良いと感じました(個人的に音質はLIVE BEAM 3が好み)。

また、マイク構造の刷新でリアルタイム補正機能がそなわったノイズキャンセリング。

実際に数日屋外で使ってみたところ、ゴーっと低く響く電車の走行音や、日常のロードノイズはガッツリかき消してくれる印象です。風切り音や人の話し声みたいな高域帯のノイズ制御こそフラッグシップのTOUR PRO 2にやや劣ると感じますが、それでもこの価格なら十分な遮音性能ではないでしょうか。

パッシブの遮音性に長けるぶんロードノイズに対しての遮音性はそうとう優秀なので、逆に公共空間では周りの状況に積極的に気をくばる必要はあります。反面、「通学や通勤時に決まった環境で習慣的に音楽を聴く」という人には、この上なく没入できるTWSでしょう。

あとこれはJBLイヤホンで共通する良さですが、ノイキャン時のホワイトノイズの類が皆無なんですよね。無音の状態で付けていてもサーっみたいなノイズがのらないので、カフェでの作業時や屋外などでは単に耳栓としても活躍してくれます。

またLIVE BEAM 3同様、本体のスマートディスプレイだけでなく、専用アプリ「JBL Headphones」から各種設定が可能。サウンドモードやイコライザー設定(10バンド各±7dB)、タッチ操作のカスタマイズ、通話イコライザーなど…ペアリング後にアプリ内で設定できる項目は多岐に渡ります。

アプリから10バンドでのイコライザー、操作のカスタマイズなどが可能

そのほか、個々の装着状態に音質を最適化する「Personi-Fi 3.0」や、ムービー・ミュージック・ゲーミングの3種類から選択できる3Dオーディオ(Spatial Sound)など、老舗オーディオメーカーならではの機能も充実。ディスプレイの輝度や壁紙、常時表示するショートカットの設定などもこのアプリから可能です。

ミドルクラスの基準を一段階上げる名機

廉価モデルって「いくら後発とはいえ、やっぱりフラッグシップにはフラッグシップなりの凄さがあるよなあ」的な結論になることが通例ですが、今回の二製品にはそれが当てはまらないというか、価格に対しての満足度という点ではTOUR PRO 2を凌駕してるとさえ感じますね。

タッチディスプレイの良さをしっかり継承しながら小型化された筐体、自然かつ強力なノイズキャンセル、多彩なカスタマイズ機能、上位機種顔負けのサウンド…多方面に完成度の高さが光る「LIVE BUDS 3」。

価格的にはミドルレンジの位置付けになりますが、まちがいなく今後のTWSの基準を一段階上げる名機なので、予算2万円で音質と機能性を両取りしたTWSを探している方はぜひこの機会にいかがでしょうか。

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