final発「超」音質特化型ワイヤレスイヤホン『TONALITE』を試す。

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日本の高級イヤホンメーカー「final(ファイナル)」から、世界初となる身体形状をスキャンして音色を個人最適化するフラッグシップワイヤレスイヤホン「TONALITE」を提供いただきました。

簡単に言うと、頭と耳の形をスキャンして仮想で自分ダミーヘッドを作って、自分にピッタリの音色を作ってくれるワイヤレスイヤホンといった感じです。

アプリ内の指示に従って、上半身や耳の形状をスキャン。さらにイヤホンを装着して、耳穴内部の特性も測定。そのデータを用いて、ユーザーにマッチした音色のイヤホンに最適化するという、従来の「イコライザーでそれっぽく寄せる」とは概念がまるっきり異なるイヤホンです。

ファイナル(final)

final TONALITEの外観

A0レベルの難燃性プラスチックを採用するケース本体は、指紋や皮脂が目立ちにくく非常に手馴染みがいいです。従来のfinalのイヤホン同様に表面はシボ塗装仕上げで高級感があります。

厚みは最小限なので、ズボンやアウターのポケットに入れても嵩張らず快適に持ち歩けます。

充電端子はUSB Type-Cに対応。

旧フラッグシップのZE8000では非対応だったワイヤレス充電にもしっかり対応

TWSで重視されるバッテリー性能ですが、イヤホン単体で最大9時間(音質優先)、ケースをふくめ最大27時間と前作から進化しています。

iPhoneとパソコン、iPhoneとタブレットなど、2台のデバイスに同時接続できるマルチポイントにも対応。毎回ペアリングしなおさなくても、シームレスに端末間を行き来できます。「マルチポイント有効時に肝心のLDACがつかえない」というモデルも多いですが、これらを併用できるのは本機の優位性のひとつ。

ZE8000はスライド式だったケースの開閉ですが、180度にガバッとフタが大きく開く構造に刷新。マグネットの磁力はほどよく、雑に放り込んでも収まりはいいですし、取り出しもスムーズにできます。

イヤホン本体にもケースと同じく粉雪塗装が施されていて上質感があります。

「final」の小さなロゴ印字がまたカッコいい。形はやや大きめのビーンズ形状といった感じで、もちろん好き好きですが個人的にはZE8000の奇抜なトンファー型より断然こちらの方が好み、というか装着しやすいですね。

1週間final TONALITEを使ってみて

軽快で負担の少ない装着感

まず装着感ですが、とても軽快かつ不快感のない装着感のように感じました。実際に装着してみるとこんな感じ。

見た目のわりに本体が軽く、その上で付属のイヤーピース「FUSION-G」の質感が高いため、作業時や移動中など2、3時間つけっぱなし、みたいな環境でも不快感なく使えます。耳にねじ込む感じではなくそっと耳の中に置くような感覚で装着できますし、アジャストリングで耳の淵で固定する装着感で安定性も申し分ありません。

前から見たときも飛び出しが少なくスマート

finalのTWS史上最高音質

で、本題の音質ですが、まずは先述のスキャン機能「DTAS」を使って音を最適化しましょう。これを省くと音質が劇的に落ちる、みたいなことは全然ないのですが、一度DTASの設定を済ませればより自分に最適な音が作れるわけですから、TONALITEを使うにあたってここをスキップするという選択肢はありません。

DTASの手順。所要時間は約30分ほど

アプリ内の指示に従って身体形状のスキャン+耳穴を測定し、クラウド解析の結果をTONALITEに書き込む、というのが一連の流れですが、言わずもがなパーソナライズ後の方が一段階音が良くなります。元の音からベールを剝がしたように一音一音が粒立ちよく聞こえるようになりました。

パーソナライズ完了後は、アプリ内で元々の「General」と、最適化後の「Personalized」を切り替えて併用することもできます。とはいえ、ひとたび最適化されたサウンドを耳にしたら「もうデフォルトに戻して聴くことはないな」、というのが率直な感想ですね。

さらにDTASの強さも、「Ref-」「Ref+」で微調整が効きます。仮にこの微調整でも自然な音色に感じられない場合は、DTAS効果を再調整することもできます(再調整は5~7分程度で完了)。

さて、TONALITEの音の傾向ですが、パーソナライズの結果にかなり左右されるかと思います。その前提で、響きや艶感などの味気やクセが全体的に控えめで、「解像度や繊細さを重視したナチュラルサウンド」な印象。これぞfinalのチューニングって感じです。

帯域のバランス的にはフラットに近い傾向だと思いますが、従来モデルに比べて低域はより重厚になった印象です。サブベースのような低い周波数帯の下限までしっかり鳴らしてくれますし、低音がずっしりと低く沈み込んでくれるおかげで最新チャート曲はもちろんエレクトロやヒップホップなんかもノリ良く楽しめます。

高域はfinal特有のサラッと伸びるような音で、同価格帯のワイヤレスイヤホンと比べてもとてもクリアです。中域は繊細な印象ですが、フラット傾向が強かったZE8000よりもボーカルの立体感が豊かと言うか、かなり際立つようになった印象ですね。

個人的に感動したのは、音場の豊かさ。職業柄これまで数十台のイヤホンを試してきましたが、その中でもトップクラスに広めだと感じました。空間オーディオみたいな擬似的なものでなく、密閉型ヘッドホンのような自然に伸びるようなイメージ。大編成のオーケストラなんか聴くとそれはもう没入感が凄まじい…。それこそリアルホールで聴いているような壮大なオーケストラ感はこの子でしか再現できないんじゃないですかね。

発売当初は唯一の弱点的な感じで指摘されていた「LDAC使用時の音切れ問題」も、すでにファームウェアアップデートで改善済みなのか、僕が試した時点では高ビットレートでも途切れず安定して再生できました。

自然なノイズキャンセリングと外音取り込み

そして、期待以上だったのがノイズキャンセリング。

イヤーピースの密閉感が良く、そもそもパッシブ遮音性が高いというのもあり、電車の走行音や日常のロードノイズはガッツリかき消してくれます。TWS最強水準とまではいかないにしろ、同価格帯のフラッグシップクラスと同等の遮音性はあるので十分実用的です。

むしろ低域の騒音に対してそうとう優秀なので、逆に公共空間では周りの状況に積極的に気をくばる必要があるかなと思います。反面、「通学や通勤時に決まった環境で習慣的に音楽を聴く」という人には、この上なく没入できるTWSじゃないでしょうか。

あとこれはfinalイヤホンで共通する良さですが、ノイキャン時のホワイトノイズの類が皆無なんですよね。無音の状態で付けていてもサーっみたいなノイズがのらないので、カフェでの作業時や屋外などでは音を鳴らさない耳栓的にも活躍してもらってます。

一方で外音取り込み性能については、可もなく不可もなくといった感じですかね。再生中に使うと相手の声が聞き取りにくくなるので、限定的にあくまでワンポイントで使うのが良いと思います。

4万円以下で音質を重視するならベストな選択肢

シンプルに3万円台でこの音質は凄いと思います。個人的にですけど、4万円以下で音質重視で選ぶなら冗談抜きでベストな選択肢のように感じましたね。もちろんイヤホンに財布から出せる金額と考えると高価には違いないですが、自分ダミーヘッドサービスの費用や手間込みでDTASパーソナライズの効果の大きさも踏まえると、まちがいなく今後のTWSの基準を一段階上げる名機だと思います。

ノイキャンや使いやすさを重視するなら他にも選択肢はありますが、わかりやすく音質に振り切ったイヤホンを求めているという方には他社フラッグシップの有名どころをおさえて試す価値のある一台だと思います。予算3、4万円で音質全振り、かつデザインも妥協のないTWSを探している方はぜひ「TONALITE」チェックしてみてください。

ファイナル(final)
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