AVIOT WA-J1レビュー|世界初トライブリッド3ドライバー搭載ヘッドホン

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これまでは、Bluetoothヘッドホンには「無線接続やノイキャンは便利だけど、音質を重視するならやっぱり有線ヘッドホンでしょ」なんて思ってました。ただ、近年のBluetoothヘッドホンの進化は目を見張るものがあり、「もはやそんな区別を気にしなくていいんじゃないか」と思わせてくれるモデルがどんどん登場しています。

AVIOTの新作フラッグシップBluetoothヘッドホン「WA-J1」がまさにそれです。オーバーヘッド型としては世界初トライブリッド3ドライバーを採用した新モデル。実際に1週間ほど使用してみたので、音質や機能面などレポートしていきます。

目次

AVIOT WA-J1の外観

ピアノブラック調の光沢の強いハウジングと、ゴールドの金属パーツが映えるヘッドホン本体デザイン。よく見ると木目調になっていてギターのボディのような上質感があります。

側面のゴールドパーツはヘアライン加工が施されており、アーム部分はより艶がかった質感で同じゴールドでも素材感の異なるパーツで構成されています。造形のディテールまで美しい。

イヤーパッドには、やわらかく通気性の高い低反発ウレタン素材を採用。パッド自体の肉厚も相まってモッチモチ。低反発の加減もほどよく装着感はバツグンに良いです(詳細は後述します)。

ヘッドバンドの内側にも低反発ウレタンがあしらわれ、こちらもモチモチでしっかりクッションが効いています。ステンレススチール製のアームは無段階でスムーズに伸縮します。この曲線もまた美しい…。

右側のハウジングには、ゴールドのダイヤルやボタンが配置されており、ここを押したり回したりすることで操作が可能です。

左側には充電用のUSB-C端子をそなえます。

最大約140時間再生とバッテリー持ちがかなり良いのも本機の特徴。数週間に1度の充電で済むので、充電の手間は本当に少なくすみます。さらに10分の充電で最大15時間再生が可能な急速充電にも対応するので、短時間の充電でも丸一日使えるレベル。

予めトラベルケースが付属するので、この中に収納して携帯することもできます。なお、ヘッドホン本体の折り畳みは不可で、そのまま収納する形式。とはいえ薄いハウジングにミニマルなサイズ感も相まってコンパクトに持ち運ぶことができます。

AVIOT WA-J1を使ってみる

快適性と密閉感を両立した装着感

というわけで、1週間ほどAVIOT WA-J1をじっくり堪能してみました。

装着後の第一印象は「気持ち側圧強めかな?」って感じだったんですが、作業時のながら聴きで5時間くらい装着してみたところ、これが意外と耳も頭頂部もまったく痛くならないんですよね。

低反発ウレタンのイヤーパッドもヘッドパッドも圧迫感が少ないですし、ソフトに耳を覆いつつもしっかりと密閉してくれる、そんな装着感。側圧と密閉感の加減が絶妙なので、長時間のリスニングでも耳に負担がかかりにくいというのがまずうれしいポイント。

移動中やカフェ作業時など首を傾けるようなシーンでもいっさい位置ズレすることもなく、それでいてやわらかく通気性の高い装着感も相まって、長時間使えるヘッドホンとして実用性はかなり優秀だと感じました。デザイン面だけでなく装着性という意味でも、有機的な曲線美のエッグフォルムハウジングの恩恵は大きい。

トライブリッド3ドライバーによる最高峰の音質

ダイナミック型と平面磁気駆動型とピエゾ型を各1基ずつ、3種3基のドライバーによるハイブリッドドライバー構成で音質もこだわり抜かれているAVIOT WA-J1。

中でも今回の最大の要点はピエゾ型ドライバー。振動板であるピエゾ素子自体が音声の電気信号を振動に変換して音を発生させる仕組みのドライバーとのことですが、そのダイレクトさのおかげで微弱な信号への応答性などに優れ、機械的な動作を経ないため製造誤差による音のばらつきも生まれにくいという特徴があります。

そのピエゾ型ドライバーを、より優位が発揮される高域再生用に搭載。実際に一聴してみて、するどさやタイトさを持ちつつも、繊細さも損なわない耳に刺さらず滑らかに抜けていくような高域に感動しました…。

タイトで迫力もしっかり感じられ、かつ空間表現や最後の音が消えるまでの余韻までとても丁寧に鳴らしてくれる印象。キツさや鋭さを感じさせない抜け感たっぷりの高域、艶っぽさたっぷりにボーカルが響く中域、ベースやキックドラムがタイトにキレよく響く低域、どの帯域に目を向けても最高峰の完成度だと感じます。

3Dスペーシアルオーディオのレベル調整もチェック。アプリから5段階で調整が可能なのですが、そもそもの効き目がナチュラルなこともあり「1段階の調整を聴き分けるの無理では?」というくらい細かい調整が可能。たとえば「レベル1、2で常時オン」のような使い方をしても違和感を覚えることはないですし、その上で特に空間表現を良くしたい楽曲では4〜5に一気に上げるなど、従来のオンオフ二択より断然活用の幅が広がったように思います。

相性としては、ロックやポップス、EDMやヒップホップなどとの相性の良さにくわえて、全体的に解像感も高いためジャズやクラシック含めどんなジャンルにも適していると感じますね。モニターライクでクセが少なくジャンルも選ばないので、ハイエンドヘッドホンとして万人におすすめしやすいという印象を受けました。

強力なノイズキャンセリングと自然な外音取り込み

ヘッドホン内側に侵入する騒音を捉えるフィードバックマイクと、そもそもの環境音を遮断するフィードフォーワードマイクの両方を使用するハイブリッド方式のノイズキャンセリングを搭載するAVIOT WA-J1。ウレタンのパッシブの遮音性も相まって、同価格帯のヘッドホンの中でも最高品質だと感じます。

実際に数日屋外で使ってみたところ、ゴーっと低くひびく電車の走行音や、日常のロードノイズはガッツリかき消してくれますね。風切り音や人の話し声みたいな「中高域帯のノイズ制御」も申し分なしといった印象です。

ロードノイズに対しての遮音性はそうとう優秀なので、逆に公共空間では周りの状況に積極的に気をくばる必要はあるほど。反面、「通学や通勤時に決まった環境で習慣的に音楽を聴く」という人には、この上なく没入できるBluetoothヘッドホンでしょう。

また、ノイキャン時のホワイトノイズの類が皆無であることもAVIOT製品の良さです。無音の状態で付けていてもサーっみたいなノイズがのらないので、カフェでの作業時や屋外などでは耳栓的にもかなり重宝しています。外音取り込み機能も自分の声がはっきり聞き取れるくらい優秀なので、装着したままの会話も円滑にできます。

充実したアプリ機能

また、AVIOT WA-J1の発売に合わせて新アプリ「AVIOT Connect」に対応したことも重大トピック。

機能面では旧モデルのAVIOT SOUND MEから刷新はありませんが、接続の安定性の向上、よりわかりやすいUI、ノイズキャンセリングやイコライザーのアクセスをしやすくするウィジェット対応などが実装されています。また、先述の3Dスペーシアルオーディオの5段階調整のほか、既存プリセット、イコライザーでの10バンド調整など自分好みの音を自由度高くカスタマイズできます。

低予算ながら音楽の本筋に引き込むヘッドホン「WA-J1」

自宅でサクッと楽しめる映像や音楽といったコンテンツが日々増えていくなかで、AVIOT WA-J1のような高音質のワイヤレスヘッドホンを自宅で利用しながら楽しむというシーンもこれから先いっそう広がっていきそうです。

そんななかでも、音質、装着感、機能性どこをとっても優れたワイヤレスヘッドホンWA-J1は、日常的に音質へ拘る人たちの間で市民権を得る逸品になりそうな予感。また、3万円台と他社のフラッグシップよりも手の届きやすい価格に設定されていることも込みで「Bluetoothヘッドホンってここまで進化したんだ」と感慨深いものがありますね…。

予算3〜4万円で自宅で使える良質なBluetoothヘッドホンを探している、音質、機能性、デザインどれも妥協したくない、そんな人はぜひAVIOT WA-J1を検討してみてはいかがでしょうか。

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