REALFORCE R3HI17レビュー|分割スペースキー搭載の静電容量無接点キーボード

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四半期に一回のペースでメインキーボードを買い替えたくなる病なのですが、理想のキーボードを見つけては実際に試してみる、というのがライフワークになりつつある今日このごろ・・。

これまでにいろんな特徴を持ったキーボードを試してきましたが、中でも「打鍵感」という観点で他と一線を画するのが、静電容量無接点方式を採用するREALFORCE。

今回は定番のフラッグシップモデル「REALFORCE R3」から分割スペースバーの新機種「R3HI17」が販売開始されたということで、モニター機を東プレさんからお送りいただきました。実際に使い始めてから2週間ほど経過したので、打鍵感や機能性などレポートしていきます。

REALFORCE R3の外観

こちらがREALFORCE R3本体。ちなみに、今回紹介する「R3HI17」は、キー荷重45g固定、フルサイズ、昇華印刷キーのモデルになります。

ベゼル幅が大きく、左上のロゴと右上上部に並ぶLED・電源ボタンがスペースを大きく取っているため、同じく静電容量無接点方式のHHKBなどと比べると一回りほど大きいサイズ感となっています。

REALFORCE R3は、キートップがU時かつ段差と滑らかな曲線のキーボード面が特徴的なシリンドリカル・ステップ・スカルプチャー構造を採用。中央が凹んたキーが滑らかに段差をつけて配置されているため、ホームポジションから最小限の動きで、かつ誤タイプ少なく打鍵できます。

またキーストロークは4.0mmですが、APC機能(ON位置を選ぶ機能)とキースペーサー(2mmと3mmの2種類)を用いることで0.8mm/1.5mm/2.2mm/3mmのキーストロークに調節可能です。

たとえばAPC機能でON位置を0.8mmに設定し、3mmのキースペーサーを用いればキーストロークを浅く、かつフィードバックを素早くできます。キースペーサー費用が別途がかかってしまいますが、用途や好みに応じてカスタマイズできるのもREALFORCE製ならでは。

そして、親指シフト派にとってこの上なく嬉しいアップデートが、セパレートスペースキー。片側のスペースキーに異なるキー操作を割り振ることができます。この部分に「IME ON」を割り当ててIMEをトグルでなくすという選択肢もありかもしれません。

天面左には有線接続用のUSB-C端子。USBケーブルの有線接続にくわえてBluetooth接続で4台の最大5台の端末と同時接続することができます。

キー配列はWindowsですが、Mac/iPad/iPhone、Android端末でも使用することが可能です。接続端末は「Fn+1~5」でシームレスに切り替えられるので、PCの脇にスマホやタブレットを置いて、PC以外のデバイスでもキーボードを使いたいときに非常に便利。

また、REALFORCE R3はHHKBなどと同様に単3乾電池2本もしくはUSB Type-Cケーブルでの直接給電で使用できます。

バッテリー式だと消耗品と化してしまうので、乾電池で駆動するのはうれしいポイント。また、バッテリーを取り除くことで本体自体の軽量化ができているというメリットもあるでしょう。なお、乾電池2本で約90日間使えるため、1ヶ月約20円程度のランニングコストで使用できます。

底面には、一段階式のチルトレッグを内蔵。展開すると最奥部を1.4cmほど浮かせることができ、下部の滑り止めが二重についているのでチルトレッグを起こした状態でも位置ズレなどなく安定してタイピングができます。

REALFORCE R3を使ってみた

というわけで、実際の使用感ですが基本的に最高です。使いやすいフルサイズかつ、軽快に文字入力ができる静電容量無接点方式、分割スペースバー、そしてこの見た目ということで、間違いなく一軍キーボードです。

流行りのガスケットマウントを搭載しているわけでも、安定性を高める金属製ボディというわけでもないのですが、押下圧45gの静電容量無接点方式というキースイッチの特性上、衝撃吸収や打鍵の軽さを別の角度から実現しているといった印象。タイピング時の「静かさ」という点でも、HHKBとも遜色ありません。

「HHKB Professional HYBRID Type-S」と「REALFORCE R3」、それぞれ実際に打鍵している様子がこちら。

HHKB Professional HYBRID Type-S

REALFORCE RC3

RC3の方がカチャカチャ感が控えめというか、より低くポコポコと響く印象。打鍵の感触は、途中まで軽いクリック感があり、その後ストンと抜けて底打ちするような感覚で非常に心地よく、腰を据えて安定した文字入力ができます。まるでピアノの鍵盤を叩いているような軽やかな打ち心地がこの上なく至高…。キートップのブレについてもHHKBに比べて少ない印象です。

かっこよくて打鍵音の良いキーボードは無数にありますが、中には底打ち音が大きくオフィスやカフェなどでは使用に躊躇するモデルも多数あります。その点、周囲に気を配る必要がある環境下でも問題なく使用できるというのもRC3ならではの良さでしょう。

ちなみにキーストロークはRC3が4mm、HHKB Professional HYBRID Type-Sが3.8mm、HHKB Studioは3.6mmとわずかながら違いがありますが、ここは言われてみれば浅いかなと感じる程度なのでそこまで気にする必要はないかと思います。

また、REALFORCE R3は専用ソフトウェア「REALFORCE Connect」からキーマップ変更が可能です。

各キーの割り当て変更のほか、ヒートマップから使用頻度の高いキーを把握できたり、キー全体又は特定キーだけの反応感度を調整(アクチュエーションポイント機能)できたり、エコモードの変更・カスタマイズなどできることは多岐にわたります。また、割り当てたキーマップはキーボード本体に保存可能(オンボードメモリー機能)。なので、デバイスを変えてもキーの機能が維持される。これは嬉しい。

打鍵感、機能面どこをとっても完成度の高いREALFORCE R3ですが、しいて難点をあげるなら日常的な持ち運びには適さないってことくらいですかね。横幅奥行きともに通常モデルに比べて嵩張りますし、テンキーなしモデルでも重量約1.3kgと取り回しもしずらいです。やはり携帯性に重きを置くなら、先日レビューしたコンパクトモデルのREALFORCE RC1一択になるかなと思います。

長く連れ添うパートナーになりうる外付けキーボード

国産メーカーなだけあって、しっかりとJISに対応しているのはありがたいですし、長期間使うにあたってソフトウェアが使いやすいというのが嬉しいですね。

分割スペースバーを搭載しつつもREALFORCE R3既存モデルの良いところを全て引き継いでいるR3HI17。完全に高級キーボードの部類に入る代物ですが、電池駆動であることを含め長く使うことを前提に考えれば結果的なコストパフォーマンスは高いキーボードだと思います。

至高の打鍵感に、たしかな静音性、長時間でも指疲れせず、そしてこの見た目。永く使っていく仕事道具として選んで損しないキーボードだと思います。REALFORCEファンはもちろん、逆にこれまでREALFORCEに馴染みがなかった人にも素直におすすめしたい逸品です。

製品名REALFORCE R3HI17
サイズ163mm x 465mm x 39mm
レイアウトフルサイズ
重量1.6Kg
キーキャップ素材PBT
キーストローク4.0mm
キー荷重45g
スイッチ東プレスイッチ(静電容量無接点方式)
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