数年前までは腕時計自体しない派だった筆者ですが、顔認証なしでiPhoneのロック解除がしたいからといってApple Watch Series 7でスマートウォッチデビュー。最近では着けてない日はほぼないくらい、健康デバイスとしても生活に欠かせないアイテムになりました。
今年はワイヤレスイヤホン内蔵のHUAWEI WATCH Budsのような一風変わった機種もレビューしましたが、そんなHUAWEIから新たにフラッグシップモデルが登場したということでサンプル機を送っていただきました。それがこのWATCH Ultimate。
山登りやダイビング機能はじめ、高精度なGPS付きのタフネススマートウォッチ。タウンユースありきの筆者に一体どんなご利益があるのか…?と正直思いましたが、健康管理デバイスとしての性能、スマートウォッチらしからぬ高級感など、フラッグシップ機というだけあり見どころは尽きません。そんなわけで、本格アウトドア派でない私のようなライトユーザーがあえてこのウォッチを選ぶ必要があるのか?見ていきたいと思います。
HUAWEI『WATCH Ultimate』
ファーウェイ社のスマートウォッチシリーズ最上位に位置付けられるHUAWEI WATCH Ultimate。ワークアウト、健康管理、スマートアシスト、バッテリー性能など今スマートウォッチに求められる機能を徹底的に追求したモデルとなっています。
ジルコニウムベースのリキッドメタルを採用したケース、セラミックのベゼル、チタン合金のベルトと、高級腕時計を彷彿とさせるデザインも特徴的。さらに水深100mまで耐えられるタフさを併せ持ち、まさに「スポーティな高級時計」という表現がしっくりくる本製品。ワークアウトシーン、タウンユースはもちろん、スーツの腕元なんかにもカチッとはまりそうですね。
発売当初はブルーカラー(ボヤージュブルー)のみの展開でしたが、8月26日よりブラックモデル(EXPEDITION BLACK)が追加になりました。なお今回はブルーモデルを使用してレビューしていきます。
さっそく実機を使ってファーウェイのフラッグシップスマートウォッチ「WATCH Ultimate」の機能や使用感を見てみましょう。
同梱物
まずは付属品。
箱の中身
- WATCH Ultimate本体
- 充電ケーブル
- 純正チタンバンド
- チタンバンドの延長コマ
- ニトリルゴムブルーベルト(S/L)
- クイックスタートガイド
予め付け替え用のスポーツバンド(ニトリルゴムブルーベルト)が、通常サイズとロングの2種類付属。
日常的にランニングなど運動をする人は、このスポーツバンドに付け替えちゃうのも全然アリだと思います。もちろん撥水性も断然いいですし、チタンベルトのままランニングするにしても見た目的にもちょっと違和感ありますしね。
ベルトはワンタッチで簡単に着脱できるので、シーン毎で使い分けるってことも気軽にできます。WATCH Ultimateのヘッド部に一番合うのはやはりチタンバンドですが、装着感や取り回しのしやすさを優先したい筆者はスポーツバンドが断然使用頻度高いです。
専用の充電ケーブルも付属。
とはいえ一般的なワイヤレス充電にも対応しているので、わざわざこれ専用の充電ケーブルを取り出す必要はなさそう。
本体外観
こちらがHUAWEI WATCH Ultimate本体。この風格、すごくないですか?
パッと見の印象、細部の質感しかり、完全に高級腕時計のソレです。スマートウォッチの域を超越しちゃってます。
フロントケースには堅牢なジルコニウムベースのリキッドメタルを採用。さらにサファイアガラスで覆ってるので、長期使用時の耐摩耗性・腐食性の点でも安心。アルミケースのスマートウォッチって普通に着けてるだけでもある程度の期間が経つと汗で変色してしまうものですが、WATCH Ultimateはそういう心配がいらないのも気楽ですね。
ベゼルはセラミック素材。外で見ると鮮やかなブルーに見えますが、屋内では少しシックにも見えるのがまたカッコイイ。マットな質感のメタルケースとも良い具合に調和しています。
ベルトは軽くて剛性にも優れるチタン合金。クイックリリース式のため、長さ調整、前述のスポーツバンドへの付け替えは工具レスで簡単に行えます。
HUAWEI WATCH Ultimateの使用感
というわけでHUAWEI WATCH Ultimateの使用開始から1ヶ月ほど経ったので、実際に使ってみてわかった良いところ、残念なところなどまとめていきたいと思います。
視認性抜群のクッキリディスプレイ
まず何と言ってもディスプレイの鮮やかさ。WATCH Ultimateのディスプレイは、AMOLEDの1,5インチ(有機EL)で、解像度は466 × 466ピクセル、311PPI。Apple Watch Ultraが410×502ピクセルなので、Appleのフラッグシップと同等の解像度になります。
明るさの公称値(nit)の表記はないようですが、同社最高輝度ということで日中の外での視認性も申し分ありません。日向で西日が直接入ってきても問題なく見えますし、日陰や屋内に入ると煌々と光ります。
また、文字盤は無料のものから有料のものまで大量に収録されており、アプリのウィジェットから好きなものを選択できます。デフォルトの文字盤意外にもクオリティの高いものが多数あり、気温、歩数、心拍数を常時表示できるものも無料版の中にあったりと、暇な時とかここを漁ってるだけで結構楽しめちゃいます。
内部OSはGTシリーズ同様のLiteOSをベースとしたHarmony OSを搭載し、タップ、スワイプ操作ともにヌルヌル動作してくれます。
で、下方向のスワイプでショートカットメニューを呼び出せるお馴染みの仕様。ここからデバイス検索やバッテリー残量のチェックもできます。テキスト付きのわかりやすいUIに大画面も相まって、スマホ並に直感的な操作ができるのもまたHUAWEI WATCHの良いところ。
豊富かつ高精度なワークアウトモード
20種類以上のプロスポーツモードと100を超えるカスタムワークアウトモードを搭載するHUAWEI WATCH Ultimate。
中でもウォーキングやランニングといった定番のワークアウトは自動で検知されるので、わざわざウォッチを操作する必要なく日常的に自然とデータ計測を組み込むことができます。
その他ハイキング、クロスカントリーランニング、登山、ゴルフ、ダイビング(深さ100メートルの潜水)など、アウトドアアクティビティの網羅性は現行のスマートウォッチとしては最高クラス。加えて高精度なトラッキングにより、カロリー、距離、ルート(エクスペディションモード時)など様々なデータを記録できます。
アクティビティ中は、こんな感じでペース、距離、心拍数などが常時確認可能。GPSをリアルタイムで取得しているので、位置データのログも見ることができます(さすがにウォッチ上での地図表示は不可)。
こちらがワークアウト記録後のアプリ画面。アニメーション付きでルート、毎分の歩数、心拍数の変動含め細かくチェックできます。GPS精度もかなり正確。
前述のとおり、水深100メートルのダイビングに耐えられるタフネスウォッチなので、当然ながら耐水性もピカイチ。独自の16層の構造による防水設計とミクロ単位の防水フィルターにより、スマートウォッチでありながら10気圧防水を実現しています。
体温計測含め充実した健康モニタリング
健康管理機能も充実しているHUAWEI WATCH Ultimate。心拍数・睡眠・血中酸素・ストレスなどのモニタリング、に加え、皮膚温の計測、体重管理機能などもそなえます。
計測したデータはすべてウォッチ本体の画面から確認でき、アプリ(HUAWEI Health)から詳細なデータをチェックできる仕様も従来通り。
また、体重測定や水分補給、薬の服用など健康管理に関する日常の行動をタスク化して生活のルーティーンに組み込むことをサポートする「Health Clovers」機能も搭載。各アクションごとに目標が設定されており、ウォッチから通知が送られてくる仕組みになっています。
個人的に健康管理機能の中で重宝してるのが、「体温測定」。
最近は体表面温度の測定に対応するモデルも増えていますが、これらはあくまで「皮膚温」であり、普段目にしている体温とは意味合いが違います(体温より低い値が出てしまう)。WATCH Ultimate Blueの場合、皮膚温アプリ内に「体温」という項目が用意されており、正確な体温計測が可能。
自動計測でトレンド管理できる皮膚温に対して、体温はその都度計測ボタンを押して計測する必要がありますが、このご時世リアルタイムで正確な体温を手首で計測できるのはやはり便利。
ちなみに筆者はウォッチ本体の「機能ボタン(右下)」に「体温」を割り当てて、2アクションで体温測定できるように設定。なお左の機能ボタンはというとなぜか探検モードに固定されているのですが、このモードを全く使わない人にとっては正直うーん…。って感じです(個人的にはワークアウトモードをここに割り当てたい)
LINE返信も可能、ただし定型文のみ
ほかのHUAWEI WATCHシリーズ同様に、ウォッチ本体からスマホの通知チェック、音楽のコントロール、Bluetooth通話といったスマートアシスト機能も搭載。
LINEやTwitter、Instagramなどの通知はあくまで文章のみで、スタンプや画像などテキスト以外の情報は表示できません。こちらも他のHUAWEI WATCHと同様の仕様。
また、Apple WatchやGalaxy Watchのように好きな文章を打って返信することはできませんが、あらかじめ追加した定型文での「返信」が可能。定型文はアプリ内の「クイック返信」から自由に追加できるので、日常的に使う文章を登録しておくと便利に使えます。
超ロングバッテリーライフ
バッテリー持ちが良いのもHUAWEI WATCH Ultimateの特徴の一つ。
公式が出している情報によると、普通に使う分には14日間、ヘビーユースでも8日間のバッテリー持ちとのこと。電池消費はGPSのオンオフや、オート運動検知オンにしているかなどでも大きく左右されますが、自動ワークアウトや心拍数測定をオンにした状態で1日使用しても7~8%程度しか減っていませんでした。
少なくともApple Watchみたいに毎日充電器に載せる必要がないというのは極めて快適ですね。
アウトドアなど常時GPSを入れっぱなしみたいなシーンではさすがに付属ケーブルを携帯しておいた方が良いかもしれませんが、前述の通り一般的なQi充電に対応しているので、Anker 633 Magnetic Batteryなど充電パッドを兼ねるモバイルバッテリーなど携帯するのも便利かもしれません。
ちなみに、Satechiの充電ドックなどApple Watch専用のドックでは充電できないのでその点は注意が必要。
超プレミアムなスマートウォッチ「HUAWEI Watch Ultimate」
Appleのエコシステムにどっぷりの筆者としてはスマホのロック解除がウォッチ側でできるApple Watchはやはり魅力的なんですよね。むしろ最初はそれがきっかけでスマートウォッチを検討し始めたまであります。
当然このウォッチに関してはそこを諦めざるを得ないのですが、この高級時計を彷彿とさせる圧倒的なデザインが唯一無二って感じでたまらないですね。現行のスマートウォッチの中でも最高水準のタフネスウォッチということで価格もハイエンドの部類になりますが、高性能なGPS機能や健康管理機能はじめ、やはりこの時計にしかない付加価値がしっかり詰まってます。
HUAWEI WATCH Ultimateを検討する上で(とくに筆者のようなタウンユースありきの場合)、実際に手に取ったときの高級感や質感にどれだけ惹きつけられるか(まさに高級時計を吟味する感覚)も肝になると思うので、ぜひ店頭で実機に触れてから検討してみてください。